34. 中川隆 2013年3月20日 22:00:25
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電子レンジが危険などと言えば、神経質な人間だと思われる方が多いだろうが、この記事を読んで頂けば、きっと認識が変わるのではないかと思う。長文だが、電子レンジについて包括的な情報になっている。ヘルスレンジャーも電子レンジを警告しており、マーコラ博士と一致している。 電子レンジで水を加熱して取り出したところ、水蒸気爆発して火傷になったという事故もあるそうだが、そういう即時的な分かり易い被害であれば、すぐに社会問題になる。だが、ここで疑問を提起してあるのは、食品の生化学的な性質の異変の可能性であり、長期的に弱い放射線に被曝した場合の影響である。これらは因果関係を明確にするのが難しい。逆に言えば、現在、政府の規制などで「安全」と言われているのは、「短期的に明確な直接の被害が無い」という程度の意味だと解釈しておくべきかもしれない。 バイオフォトンというのも興味深い。この記事に書いてあるわけではないが、呼吸だけで生きる人(ブリザリアン)がいて、ちょっと怪しいニューエイジ系が濃厚であるが、そういった人に言わせると、人間は食べ物で生きているのではなく、光を吸収して生きているそうだ。だから日光あるいは空気だけで生きられるという話なのだが、もしかするとそれが科学的に裏付けられる日が来るのかもしれない。記事中にあるバイオフォトンの記事については、その内、翻訳して掲載したいと思う。(2010年5月23日掲載「光で生きる 〜バイオフォトンとブリサリアン〜」) 我々は日常生活で火を見ることが少なくなった。ダイオキシンが出るということでゴミを燃やすこともなくなり、電子レンジやIH調理器でガスの火さえ見なくなりそうだ。火は呪術にも使われるが、昔は焚き火や囲炉裏で気持ちがリラックスできた効果もあったと思う。便利だからということで、安易に新しいものに手を出してきた代償は大きい。 なお、電子レンジはナチスが開発し、戦後、米国の陸軍省も研究しているそうだ。ということは、(またしても遺伝子破壊を狙った)意図的な拡散の可能性もあるだろう。 記事は専門的な内容になっているが、結論的には、計画的に食事を準備しましょうという分かり易い話である。また、電子レンジは、布巾の殺菌に非常に便利だそうだ。 電子レンジの加熱で食品に何が起きているか Why did the Russians Ban an Appliance Found in 90% of American Homes? ジョージフ・マーコラ博士 By Dr. Joseph Mercola (Mercola.com) 2010年5月18日(日付間違い?) 何を食べるかが健康にどれほど影響するかはご存知だろう。「あなたはあなたが食べるもの」という言葉は本当に真実である。だが、食品の選択だけでなく、どう調理するかも大事だ。なるべく生で食べることが理想である。だが、我々の多くは、全面的に生の食事はできないので、いくらかは調理して食べることになる。 洗練された料理は、質の良い材料に始まる。つまり、電子レンジにサヨナラすることだ。ただし、布巾の殺菌には電子レンジが便利だ。だが、健康的な食事を目指すなら、キャセロールをチンは良くない。 どうして非核政策が必要か? 電子レンジの便利さの対価は、健康で払うことになる。今回は、食品と身体に及ぼす電子レンジの影響について、我々が知りえたことをまとめてみる。 土壌の嘆かわしい状況 過去一世紀に生鮮食品の質は低下してきた。土壌の劣化、持続不可能な農業手法、穀物の過剰生産、農薬と除草剤の使用のせいである。たとえ有機食の人でも、新鮮なものをたくさん食べているからといって、ビタミン、ミネラル、酵素、植物性栄養素を得ているとは思わない方が良いだろう。 百年あるいは50年前の1カロリーよりも今日の1カロリーから得られる栄養は少ないだろう。歴史的に食品成分を比較した最近の3件の研究では、生鮮品に含まれるミネラルには5〜40%低下したものがあり、別の研究ではタンパク源でも同様の低下が判明している。[1] そういう状況なので、食べ物に関しては、今までに増して効用の最大化に配慮する必要がある。 その意味で電子レンジは役に立たないことが研究結果で示されている。そればかりか、実際には、食品中の分子を乱暴に引き裂き、健康に脅威になる。栄養分を不活性化するだけで済むこともあれば、最悪、発癌性に変質させることもある。 便利さのために家族に有害物質 電子レンジは、水の分子を超高周波で共鳴させて蒸気に変え、それで食品が加熱される仕組みである。食品を素早く加熱することができるが、実は温度だけでなく化学構造も変化している。 後述するが、40年以上前に電子レンジが一般に流通し始めて以来、栄養価の損失以外にも様々な問題が出現している。 電子レンジを使い始めて、おそらく最初に気付くことは、ムラのある温まり方をすることだと思う。電子レンジ調理された食べ物の「ホット・スポット」は火傷するほど熱い。もしくは水蒸気爆発まで加熱されている。このため、電子レンジで哺乳瓶を温めないように警告が出ている。加熱され過ぎたフォーミュラ(調合ミルク)に気付かず、赤ちゃんが火傷してしまう事故が発生しているのだ。 また、プラスチックや紙製の容器・フタから、発癌性の毒素が溶脱して食品に入り込む問題もある。 「栄養アクション会報」の1990年1/2月号では、よく電子レンジで調理される食べ物(ピザ、チップ、ポップコーンなど)の包装から数多くの有毒化学物質が溶け出していることが報告されている。化学物質には、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、ベンゼン、トルエン、キシレンなどがある。プラスチック容器に入れた脂肪の多い食品を電子レンジで調理すると、ダイオキシン(発がん物質とされる)などの毒素が溶出する。[8] [2] 汚染物質の最悪なものがBPA(ビスフェノールA)である。プラスチック製品に広範に使用されているエストロゲン様合成物質である。実は、電子レンジ用の容器はしばしばBPAを成分にしているが、一般のプラスチック製品にも多く含まれている。 食品であれ何であれ、電子レンジで調理すると、分子が歪み変形する。その一例が、血液製剤である。通常、輸血前には血液を温める。今では、血液製剤を電子レンジで温めると、血液成分が損傷することが理解されているが、1991年に一人の女性が電子レンジで温めた血液の輸血で死亡し、有名な裁判になっている。 マイクロ波放射線の漏出 電子レンジ稼動中に、マイクロ波が外に漏れる可能性があると聞いたことがあるかもしれない。初期モデルにはこうした危険性があったが、最近のものは厳格に検査されている。 理論的には、覗き窓からごく微量の放射線漏出があるが、FDAによるとそのレベルは「些細なもの」であり「人体に有害とされるレベルより遥かに低い」とされている。 FDAは、1971年以来、エレクトロニクス製品放射線管理プログラムを通じて電子レンジを規制してきた。これは食品・医薬品・化粧品法のエレクトロニクス製品放射線管理条項に基づいている。[3] FDAは、オーブン表面からおよそ5cmの位置で、平方センチメートルあたり5ミリワット(耐用年数まで使った場合の累積)までに漏洩量を制限している。放射線の源から距離を置けば劇的にマイクロ波のエネルギーは減少するので、50cm離れたところで測定すれば、5cmの場合の約100分の1になる。[2] さらに連邦基準では、「安全止めが放たれた瞬間にマイクロ波の生成を停止するよう二重インターロック」を備えるように義務付けている。そしてインターロックが一つでも故障すれば動作を停止するように監視するシステムも必須になっている。 こうした検査や規制があれば、安全だと思われるだろう。だが、Powerwatch(電子レンジの放射線の議論で中心的な役割を果たしている非営利の独立系団体)によると、 「電子レンジが正常に動いているときでも、キッチン内のマイクロ波レベルは、近隣の携帯電話基地局のレベルよりもかなり高いことが多い。電子レンジが内壁につけてあるならば、マイクロ波は壁を抜けて別の部屋に行くことも忘れてはならない。」 また、現在の漏洩規制が本当に安全かどうかは正直なところ不明であり、通常使用でもマイクロ波の放出は変化する可能性があるので、少なくとも年一回は点検を薦めると述べている。自宅で放射線をチェックする20ドルの検査器の購入を検討しても良いかもしれない。 スポンジを殺菌するためであろうと何であろうと、定期的に扉とヒンジをチェックして、しっかりと密閉されているか確認すべきだろう。扉が反ったり曲がったり損傷していて、きちんと閉まらない状態ならば、使ってはならない! 特に、目は、マイクロ波放射に弱いことが知られている(マイクロ波に被曝する時間が長いと白内障を引き起こす)。電子レンジ使用中は離れているようお勧めする。 新しい研究では電子レンジが心臓に影響することが確認された 2.4GHzの放射線(Wifiの無線ルータや電子レンジの周波数)の心臓への影響を調査した研究がまとまったばかりである。トレント大学のマグダ・ハバス(Magda Havas)博士によると、電子レンジの周波数の放射線は、連邦の安全ガイドラインを遥かに下回る非熱レベルで、心臓に影響する「明確な証拠」が判明している。[4] ハバス博士は述べている。 「カナダと米国の両国の連邦ガイドライン(0.3%)を遥かに下回るレベルのマイクロ波を生成する承認済機器により、心拍数と心拍変動性に即効性の劇的な変化があることを立証した初の研究である。」 もはや懐疑論者も、普通の家庭レベルですぐに生体に影響することなどないとは言えないだろう。この研究は、2010年の夏頃、査読されて専門誌に掲載される予定である。もし速い鼓動や不規則な鼓動、胸の痛みや圧迫を感じているならば、医者を訪ねてこのビデオを一緒に見てもらうとよいだろう。(リンク先のページの二番目のビデオ) また感受性の高い人の場合、同じ周波数の放射線が、血糖の急上昇を起こすことも証明されており、ある種の糖尿病の原因かもしれない。それについては、このビデオ(一番目のビデオ)がある。 電子レンジは食物の栄養分を攻撃する 電子レンジが有機物の分子にどのような影響を及ぼすか、電子レンジで調理された物を食べることでどのような影響が人体にあるかについては、驚くほど調査が少ない。 9割以上の一般家庭の台所にある製品、ほとんど全ての職場の休憩室にある製品の安全性は、調査されていて然るべきではなかろうか? これまでなされた一握りの調査では、概して、電子レンジは栄養的な価値を損なうという点では一致している。せっかく高い値段で買った素晴らしいオーガニック野菜が、病気の原因になる「死んだ食べ物」に変身するのだ! 食品を加熱すること自体、何らかの栄養分の損失になるが、電子レンジを使えば更に問題が増えることになる。「マイクロ波効果」と言われる現象で後述する。 電子レンジと栄養に関する研究は、大半が2000年以前に実施されている。最近の放射線研究は、もっと不吉な脅威に関心が移っている。例えば、携帯電話とコンピュータのような電磁気装置から環境への放出であり、これは過去10年に世界中で巨大な電子スモッグに急成長している。 とはいえ、栄養分への有害な影響については、いくつかの優れた科学データが蓄積されている。 * 「食品・農業科学ジャーナル」[5]の2003年11月号で発表された調査では、少しの水と一緒に電子レンジで「チン」(zap:殺すの意味あり)したブロッコリーは、抗酸化の特性が最高97%損なわれたという。比較して、蒸したブロッコリーの抗酸化効果のロスは11%以下だった。フェノール成分とグルコシノラートの減少もあったが、ミネラルのレベルは不変だった。 * アスパラガスの芽の調理を調査した1999年のスカンジナビアの研究では、電子レンジでビタミンCの減少が発生している。[6] * ニンニクの調査では、わずか60秒の電子レンジ加熱で、アリナーゼ(抗癌作用のあるニンニクの成分)が不活性化した。[7] * 日本人の渡辺文雄氏〔訳註:現在は鳥取大学農学部教授〕による調査では、ほんの6分間の電子レンジ加熱で牛乳のビタミンB12の30〜40%が不活性(死んだ)状態になった。[8] この調査は、アンドリュー・ワイル博士が、電子レンジの影響に関する彼の懸念を支持する証拠として引用している。ワイル博士は、 「電子レンジ調理による危険はありうる(略)電子レンジがタンパク質の化学的性質を有害な方向に変えるかどうかは疑う余地がある」と述べている。 * 最近のオーストラリアの調査[9]では、伝統的な加熱と比べ、電子レンジでは「タンパク質の変性」が生じることが多いことを示している。 * 母乳を電子レンジで加熱すると、赤ちゃんを守るはずの病気と戦う成分が破壊される。1992年、クアンは、電子レンジ加熱された母乳はリゾチーム活性、抗体を失い、潜在的に病原性のバクテリアの成長を促進することを明らかにしている。[10] クアンは、他の加熱方法と比べて電子レンジではミルクへのダメージが大きいと述べ、「高温で電子レンジを使用することは禁忌のようだ。低温で使う場合であっても安全性については疑問が残る」と結論している。 * 母乳・フォーミュラ(調合ミルク)に関する別の研究(1989年のリー氏による)[11]では、電子レンジによってビタミン成分が奪われ、一部のアミノ酸が生物的には不活性な他の物質に転換されてしまうことを発見している。変質したアミノ酸には、神経系や腎臓に有毒なものがある。(多くの人がこの研究を引用しているが、私はまだ原文を発見できていないので、個人的には検証できていない。) 上記の研究の多くは、あまり新しくないが、電子レンジを食べ物に使うのが良くないことを示す証拠は、確かにたくさん存在する。 電子レンジが食品を加熱する仕組み マイクロ波は、電磁波放射の一形態である。電気エネルギーと磁気エネルギーが一緒になって空中を動く波である。電磁波放射のスペクトルは、超高エネルギー(ガンマ線やX線など)から、超低エネルギー(ラジオなど)まで分布する。 電子レンジは、このスペクトルでは低エネルギー側の末端に近く、電子レンジよりも低エネルギー側にはラジオがある。およそ12cmの波長と、人間の頭ぐらいの幅を持つ。 http://en.wikipedia.org/wiki/Electromagnetic_spectrum
マイクロ波は、マグネトロン(磁石と電子に由来する語)と呼ばれるものから発生する。マグネトロンは第2次大戦で航空レーダーを可能にしたものでもある。そのため電子レンジは当初「レーダー・レンジ」と呼ばれていた。 マグネトロンというのは管であり、その管の中で電子が磁場と電場の両方にさらされ、マイクロ波の周波数(およそ2,450メガヘルツ=2.4ギガヘルツ)の電磁場を生じる。 マイクロ波は、誘電加熱を引き起こす。レンジ(窯)内部で跳ね回り、食品に吸収される。水分子は二極性(陽極と陰極)なので、交互に反転する電場の中で高速に回転する。食品中の水分子は、極めて高周波で(一秒に百万回ぐらい)乱暴に振動し、分子摩擦を発生させる。それで食品が熱を持つのである。電子レンジに入れた食品等に水がなければ、この共振加熱は発生せず、冷たいままになる。 あるいは調査ジャーナリストのウィリアム・トーマスが表現したように「電気的なムチ打ち症」になる。[12] 水分子は、バラバラにされ、激しく変形する。これは外側から内側へ伝導して温まる伝統的な加熱とは異なる。マイクロ波の加熱は、水が存在する分子の範囲内で始まる。一般に想像されているのとは反対に、電子レンジ加熱された食品は「内側から外に向けて」加熱されるわけではない。ぶ厚い食品が加熱される場合、まず外側の層が加熱され、伝達によって内側が熱くなる。食品に水分が均等に分布しているわけではないので、加熱にムラが生じる。 さらに電子レンジ調理によって、人体にも自然にも存在しない新化合物が生成される。それは「放射線分解生成物」と呼ばれる。それが身体にどんな作用を及ぼすのかは不明である。 乱暴な摩擦熱(熱作用)に加え、無熱性の作用もある。これは計測が困難なので、あまり理解されていない。細胞や分子が変形・劣化する原因は、この無熱作用にあるのではないかと疑われている。[13] 例えば、電子レンジは、遺伝子改造技術の分野で、細胞膜を弱体化させるためにも利用されている。科学者は、細胞をバラバラに分解するのに電子レンジを利用しているのだ。そうして破損した細胞は、ウイルス、真菌など微生物にとっては格好の餌食になる。[8] こうした無熱作用は「マイクロ波効果」とも呼ばれている。この論争を呼ぶ問題については後述する。 マイクロ波病 身体の組織がマイクロ波に直接さらされると、同じような乱暴な変形が発生し、「マイクロ波病」になることがある。高レベルのマイクロ波放射にさらされた人は、以下のような様々な症状を経験する。 * 不眠症、寝汗、いろいろな睡眠障害 * 頭痛とめまい * リンパ節の腫れ、免疫系の弱体化 * 認知障害 * うつ状態、いらつき * 吐き気、食欲損失 * 視力、目の問題 * 頻尿、極端な口渇 携帯電話の電波塔など四六時中マイクロ波を放出している高周波アンテナの近くに住む人々が、こうした様々な症状に悩まされているデータは大量にある。 フランツ・アデルコーファー教授(電磁場の生体影響の分野で第一人者)は、「高周波の電磁場が遺伝子的に有害な作用を及ぼす可能性については現実に証拠がある。そうして損傷したDNAが必ず癌の原因になっている。この遺伝子の損傷作用は、安全制限を遥かに満たしていないことが判明している。熱作用ではなく、生物学的作用について、緊急に安全制限を設けなければならないと考えている理由はそこにある。物理学ではなく、生物学に基づいて考えなければならない」と述べている。 電子レンジの不安を証明するロシアの研究 最初に電子レンジを発明したのはナチスだと考えられている。第二次世界大戦でソ連を攻めたときに軍隊に携帯食品を供給する目的だった。[14]この初代の電子レンジは実験的だった。戦後、米国陸軍省に電子レンジの安全性を調査する任務が割り当てられた。だが、実際に困難を恐れず立ち向ったのは、ロシア人だった。 一部の電子レンジを回収したロシア人は、戦後、生体影響について綿密な研究を実施した。そこで判明したことに驚き、ロシアは1976年に電子レンジを禁止した(後にペレストロイカの期間、禁止を解除)。 20年間におよぶロシアの研究(そして1942年のベルリンでのドイツの研究)は、マイクロ波調理の安全性に強い疑問を投げかける。ロシア政府は、調査結果に基づき、電子レンジや同等の周波数の電子機器(携帯電話など)が生体・環境に及ぼす危害を国際的に警告した。本件については文書を探し出すのが困難になっており、昔の調査書を評価できなかったため、方法論や結論を私個人は検証できない。したがって、調査結果をできるだけ適切に吟味することしかできない。 前述のPowerwatchの記事は、ロシアの研究結果をよくまとめてあり、以下に引用しておく。 * ロシアの研究者は、電子レンジで試験したほぼ全ての食品で発癌物質が形成されたのを確認した。 * 牛乳と穀物を電子レンジで処理すると、アミノ酸の一部が発癌物質に転換した。 * 加工肉食品を電子レンジで処理すると、発癌物質(d-Nitrosodienthanolamines)が生成された。 * 電子レンジで冷凍果物を解凍すると、グルコシドとガラクトシドの一部が発癌物質に変わった。 * 生、加熱済、冷凍にかかわらず、ごく短時間の曝露で、野菜の植物アルカロイドが発癌物質に変わった。 * 電子レンジにかけた植物(特に根菜)で発癌性の遊離基が形成された。 * 構造劣化による食品価値の低下が全試験対象の60〜90%の食品に見られた。ビタミンB群、ビタミンCとE、必須ミネラル、リポトロピクス(脂肪の過剰蓄積を防ぐ物質)の生体的有用性が著しく損なわれている。 付言すると、この発見は、ミルクのビタミンB12を調査した前述の日本の渡辺調査(1998年)でも確認されている。[8] スイスの臨床研究:ハンス・ヘルテル ハンス・ヘルテル (Hans Hertel)というスイスの食物科学者の研究は、電子レンジの破壊的な作用を示す説得力に満ちた証拠で、よく引き合いに出されている。ヘルテル博士は、電子レンジで調理された食品が人間の血や生理に及ぼす影響について初めて研究した学者である。 彼の小規模な研究(スイス連邦工科大学のベルナール・ブラン博士、生化学研究所と共同執筆)では、電子レンジによる食品変性作用が明らかになった。 ヘルテル博士は、電子レンジの調理によって食品の栄養が変わり、その変化が血液中で負の健康効果を発生させるという結論に達した。博士の結論によると、電子レンジ調理は次のような結果をもたらす。 * コレステロールレベルの増加 * 白血球の減少(毒物作用の可能性) * 赤血球の減少 * 放射線分解化合物の生成 * ヘモグロビン濃度の減少(貧血を意味する) 当然ながら、博士の研究は、不利益を被る業界から猛反発を受けた。1992年にスイスの業界団体は、ヘルテル博士に口止めを命じたが、1998年になって解除されている。しかし、アメリカのジャーナリスト、トム・バレンタインは、1992年の春、『サーチ・フォー・ヘルス』にヘルテルの研究結果を発表した。[15] 研究には、欠陥がないわけではなかった。ヘルテルを含め8人しか立ち会っていなかった。研究結果は非常に説得力があったが、方法論が当該分野の科学的な厳密さを満たしていなかった。 方法論的な欠陥はあったが、この種の放射線が食品に与える影響について関心を集めることになった。将来のより大規模で確固とした研究への出発点につながっていかなければならないだろう。 ヘルテルは書いている。 「そのような乱暴で破壊的な力に、少しの時間であっても耐えられるような原子、分子、細胞は存在しない。これは電子レンジを低出力で使用した場合でも言える。」 次に、バイオフォトンの問題がある。 バイオフォトンへのマイクロ波の作用の可能性 バイオフォトン学とは、生命システムにおけるフォトン(光子)の相互作用の研究・応用の学問である。バイオフォトンの研究はドイツが中心である。我々が2008年に行ったインタビューでディートリッヒ・クリンクハルト博士がバイオフォトンのことを話している。 バイオフォトンは、光の最小の物理単位で、全ての生物(あなたも)が蓄え、利用している。生命維持に不可欠な太陽エネルギーは、バイオフォトンの形態を取り、食べ物を介して、身体の細胞へと入っていく。 バイオフォトンには重要な生体情報が含まれ、身体の生命維持に必要な様々な活動を支えている。元気や幸福感とも関係している。バイオフォトンが豊富な食べ物を摂取することでバイオフォトンを得ることができる。例えば自然栽培された新鮮な野菜、太陽を浴びて育った果物には、光エネルギーが豊富である。光を多く蓄積できる食べ物ほど栄養も高い。 もし「マイクロ波効果」が存在するなら(存在する証拠はたくさんあるが)、電子レンジは、他の構造を変えてしまうのと同じように、バイオフォトンを破壊し、死んだ食べ物に変えるかもしれない。電子レンジはDNAの結合を破断することができるのだから、バイオフォトンを粉砕・破壊する可能性はあるだろう。 私が調べた限り、バイオフォトンに対するマイクロ波放射の直接の作用を研究したものはないが、今後の研究課題として重要であろう。 非イオン化放射に長期間被曝した場合の作用 電子レンジの影響の議論で大きな争点となるのは、電子レンジの熱以上の何らかの力、一般に「マイクロ波効果」とか「無熱作用」と呼ばれるものがあるかどうかである。 それを考えるには、まず電離放射(イオン化放射)と非電離放射(非イオン化放射)の違いを理解する必要がある。 放射線には2つの基本形態(イオン化と非イオン化)がある。[16] 1. 電離(イオン化)放射線 電離放射線は、原子中の電子を追い出して荷電イオンを作ることができる。必ずしも熱は必要ない。例えば、岩や土壌の中の放射性物質から発される放射線、太陽の宇宙線、レントゲン装置・発電所・原子炉など人工物からの放射線がある。 2. 非電離(非イオン化)放射線 非電離放射線は、原子の位置を変えることはできるが、構造・構成・性質は変えない。例えば、可視光線、紫外線・赤外線波、ラジオ・テレビの波、携帯電話、電子レンジ、電気毛布である。 原子を引き裂くことはできないが、非イオン化放射線(電子レンジなど)は、物理的な変質を起こすことができる。 例えば、日光を浴びると皮膚や目が損傷する。放射線への過剰曝露は、分子損傷、DNA突然変異、その他ガンをもたらすような変質を起こすことで、身体の組織に影響する。 携帯電話、コードレス電話、無線塔、衛星、放送アンテナ、軍事・航空レーダー、家庭用エレクトロニクス製品、コンピュータ、インターネットなど、今日我々を取り囲んでいる様々な放射線を考えると、人類の歴史で未曾有の規模の集団疫学実験に知らない内に参加してしまっているのではないかと心配になる。 そして真実はといえば、我々は長期的に低レベル放射線(低レベルだが存在する)が、あるいは非イオン化放射線が、どのように作用するのか、本当に知らない! いくつか分かっていることもある。[17] * 高レベルの影響よりも、低レベルの影響の方が目立つことがある。「ウインドウ作用」と呼ばれるものがある。特定の周波数や電力密度だけで発生する作用で、その特定の範囲を少しでも外れると(強すぎても弱すぎても)発生しない。何件かの研究では、血球へのマイクロ波放射の作用は、この現象を通じて発生していることが示されている。 * この話題については、携帯電話対策本部(Cellular Phone Taskforce)長のArthur Firstenbergが書いた『地球を電子レンジにかける』(Microwaving Our Planet)に詳しい情報がある。 * 環境コンサルティング会社セージ・アソシエイツのシンディー・セイジは、「熱作用」として説明可能なレベルよりも遥かに低いレベルのラジオ波(日常生活で十分に曝露する範囲内のラジオ波)曝露で、生体への作用があることを示す包括的な研究リストをまとめている。[18] * 共振により生体への影響は激化する。身体の部位と同じ周波数を持つ放射線があると共振が発生する。例えば、マイクロ波の周波数は、脳の周波数と似ている! * 通常の研究は、高い強度で短期間の被曝について行われている。科学者は、曝露の強度と同じぐらいに曝露時間が重要だと主張するが、長期的で弱度の被曝の作用についてはあまり研究されていない。 * 放射線の影響は累積する。長い時間を経て身体が感知する状態になる。 * 今や人類全体がこうした放射線に晒されているため、正常ケースとの比較研究が不可能である。比較対照群の欠如により、有意味な研究をすることがますます困難になっている。 毎日台所で電子レンジを使い続けても、暗闇であなたの身体が光り始めることはない。だが、歳月を重ねたときに、身体と健康にどのような累積効果があるだろうか? 他に安全な調理方法があることが分かっているのに、潜在的な危険に自分をさらす必要があるだろうか? 電子レンジの加熱は、伝統的なオーブンより危険か? 一部の専門家は、電子レンジが分子におよぼす影響は全て「熱作用」で説明できると言っている。つまり、伝統的な加熱方法と比べて、電子レンジが特別に食品に有害ではないということである。 そして、電子レンジ(マイクロ波)は非電離放射線なので、血球を損傷させることは不可能だし、ホウレンソウの葉酸を撲滅することもないと言う。 他の専門家は、伝統的な加熱では発生しなかったような分子レベルの変化を起こす「マイクロ波効果」があると提起している。長年、「マイクロ波効果」は神話に過ぎないというのが主流の見解だった。 しかし、次々と反対の結論を示す研究結果が出現し、単なる熱作用では説明できない影響があることが示されてきた。 「DNAとマイクロ波効果」(ペンシルバニア大学、2001年[19])という文書では、現在までのマイクロ波効果をめぐる議論と研究結果の歴史がまとめてある。その著者は、熱力学と物理学の原理的にはマイクロ波効果はありえないが、マイクロ波効果の存在を示す証拠が続々と現れていると述べている。 その文書の要点を挙げると次の通りである。 * マイクロ波加熱と伝統的な加熱は、「マクロ」的には同一に見えるかもしれないが、分子レベルでは非常に異なるようだ。 * マイクロ波は殺菌には効果的である。これについては何十年も調査されている。しかし、それがマイクロ波が生成する熱なのか、何か他の要素と一緒になったものなのかについては、論争がある。 * ある科学者(カキタ、1995年 [20])は、マイクロ波にはウィルスのDNAを広範囲に粉砕し、破壊する力があることを示すのに成功している。熱だけでは不可能な現象である。 * イオン化放射線なしにDNAを引き裂く複合的なメカニズムがあることを、複数の研究が示している。この現象を説明する理論は今のところ存在しない。 一部の科学者は、マイクロ波効果を活用している。実験室で電子レンジを使って化学反応を加速させており、千倍も加速されることがある。以前は、何日も何ヶ月も必要だった化学反応が数分でできるようになり、また、多くの有毒化学物質も生成されている。[21] 「マイクロ波化学」に新たな関心が集まり、実際のところ電子レンジが何をしているのか、どのようにしているのかについて、科学者も新たな視点で取り組み始めている。 常識が、実証的証明に勝ることがある。 そのことをペンシルバニア大学の文書は、うまく表現している。 「たとえ十分に説明できないものであっても、マイクロ波効果が本当に存在すると信じるだけの理由はあるようだ。我々の現時点の知識は限られているが、現実的な仮定を置くには十分な情報が既にあるといえるかもしれない。非電離性の周波数帯での電磁放射が、遺伝子に損傷を与える可能性については、電磁アンテナ、送電線、携帯電話など現在の論争への深い示唆があるかもしれない。」 電子レンジから自由になるためのヒント 私は電子レンジを粗大ゴミに出すように言っているのだろうか? 必ずしもそうではない。掃除には役立つ可能性がある。だが、もし売れそうな高級品をお持ちであれば、処分を検討するべきかもしれない。 電子レンジがなくても生き残ることはできる。信じるかどうか別にして、電子レンジなしで幸せに生きている人はいる。生活にほんのちょっと工夫を加えるだけだ。例えば、 * 時間的余裕をもって事前計画する。冷凍庫から夕食を取り出すのを、朝の内か前の晩にすれば、夕食の2時間前に5ポンドの牛肉を「緊急」解凍する必要もなくなる。 * スープやシチューはまとめて作り、ガロン・サイズ(4リットルぐらいの大きさ)のフリーザー・バッグ(または他の容器)で冷凍する。食事の一時間前に取り出して、シンクの水である程度溶かし(鍋に入れられるぐらいまで)、鍋で温め直す。 * オーブン・トースターが電子レンジ代わりになる! 90-120度ぐらいの低温を維持し、20-30分かけてゆっくりと温める。対流式オーブンも、良い代替策である。組み込み型もあれば、それほど高価でないものもあり、食べ物を温めるには迅速で安全な方法である。 * 忙しいときや疲れていて料理したくない日に備え、前もって食事を準備しておこう。 * 生で有機食品を食べるようにする。長い目で健康を維持するには、これが理想である。 (翻訳:為清勝彦 Japanese translation by Katsuhiko Tamekiyo) 原文の紹介・関連情報 原文 Why did the Russians Ban an Appliance Found in 90% of American Homes? 脚注 [1] Davis D R. (February 1, 2009) “Declining fruit and vegetable nutrient composition: What is the evidence?” American Society of Horticultural Science [2] Rust S and Kissinger M. (November 15, 2008) “BPA leaches from ‘safe’ products” Journal Sentinel Online [3] “Microwave oven radiation,” Food and Drug Administration [4] Havas M. “DECT phone affects the heart!” [5] Vallejo F, Tomas-Barberan F A, and Garcia-Viguera C. “Phenolic compound contents in edible parts of broccoli inflorescences after domestic cooking” Journal of the Science of Food and Agriculture (15 Oct 2003) 83(14);1511-1516 [6] Kidmose U and Kaack K. Acta Agriculturae Scandinavica B 1999:49(2):110-117 [7] Song K and Milner J A. “The influence of heating on the anticancer properties of garlic,” Journal of Nutrition 2001;131(3S):1054S-57S [8] Watanabe F, Takenaka S, Abe K, Tamura Y, and Nakano Y. J. Agric. Food Chem. Feb 26 1998;46(4):1433-1436 [9] George D F, Bilek M M, and McKenzie D R. “Non-thermal effects in the microwave induced unfolding of proteins observed by chaperone binding,” Bioelectromagnetics 2008 May;29(4):324-30 [10] Quan R (et al) “Effects of microwave radiation on anti-infective factors in human milk,” Pediatrics 89(4 part I):667-669. [11] Lee L. “Health effects of microwave radiation-microwave ovens,” Lancet December 9, 1989 (Article) [12] Thomas W. “Cooked” Alive.com [13] “Microwave oven and microwave cooking overview,” Powerwatch [14] “History of microwave ovens” Green Health Watch [15] “Microwave ovens: A danger to your health?” (January 26, 2010) Nutritional and Physical Regeneration [16] Villablanca E (December 19, 2007) “Ionizing and non-ionizing radiation: Their difference and possible health consequences” [17] “Health effects of microwave radiation (Western view)” [18] Sage C. “Reported biological effects from radiofrequency non-ionizing radiation” Wave-Guide.org [19] Penn State University. “DNA and the microwave effect” posted from MailBag (April 8, 2002) [20] Kakita Y, Kashige N, Murata K, Kuroiwa A, Funatsu M and Watanabe K. "Inactivation of Lactobacillus bacteriophage PL-1 by microwave irradiation" Microbiol. Immunol. 1995;39:571-576. [21] Adams C. 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