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http://www.swissinfo.ch/jpn/index.html?cid=8046810
2009年2月、UBS銀行はスイス連邦金融監督局の命令により、アメリカ人顧客の情報およそ300件をアメリカ金融当局に渡した。
その後、情報を開示された複数のアメリカ人顧客がスイスの連邦行政裁判所に訴えていたが、同裁判所は1月8日、先行訴訟でこの情報開示に違法判決を下した。
段階的勝利
連邦行政裁判所によると、金融監督局 ( Finma ) はUBSに対し、およそ300人のアメリカ人顧客の口座情報を開示するための法的根拠も緊急権を発動する権能も持っていないという。
金融監督局はこの判決に対し、情報を開示しなければアメリカ側がUBSを相手取って刑事訴訟に踏み切ると圧力をかけたとこの措置を正当化した。「訴訟になればUBSは破産に追い込まれた。スイスの国益にかけてもこれは阻止しなければならなかった」と主張する。
連邦行政裁判所は、金融監督局が取った措置を認めるための根拠となる法律は銀行法にはないと判断した。また、同局には緊急権を発動する権利もなく、これは連邦議会か連邦政府が持つのみだという。金融監督局はこの判決を入念に分析し、上訴するか否かを決定する意向だ。
ドリス・ロイタルト大統領はハンス・ルドルフ・メルツ財務相とエヴェリン・ヴィトマー・シュルンプフ司法相に対し、1月13日までに連邦行政裁判所の判決に関する分析を行い、第一段階の結果を出すよう委託した。それを元に、連邦政府は今年第一回の閣議でこの件について話し合う予定だ。
UBSはこの判決についてコメントを控えている。これに対し、訴えていたアメリカ人の顧客の弁護士を務めるアンドレアス・リュート氏は、この判決を重要な段階的勝利だと評価した。