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(回答先: 「鳩山不況」に現実味 デフレと円高で冷え込む投資と消費 投稿者 gikou89 日時 2009 年 12 月 10 日 12:51:44)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091209-00000009-maiall-pol
政府が8日決定した総額7・2兆円の経済対策は、円高やデフレによる景気悪化への懸念が高まる中、雇用対策などのセーフティーネット(安全網)拡充に重点が置かれた。市場では「二番底の回避策にはなる」との評価も受けている。それでも、麻生政権からの継続事業が目立つ上、国民新党に押され、地方向けの公共事業も追加された。その結果、「コンクリートから人へ」という鳩山カラーは薄められた。
「今までの政治は大規模公共投資(優先)だったが、それは間違い。福祉、地域経済に資源配分した」。藤井裕久財務相は8日、今回の経済対策についてそう説明した。急激な円高や国民新党の強硬姿勢で、当初否定していた公共事業の追加を余儀なくされたものの、金の使い道は「コンクリートから人へ」変えたというわけだ。
鳩山由紀夫首相が10月に2次補正での経済対策を表明して以来、藤井氏や菅直人副総理兼国家戦略担当相らは、政権の方針について「雇用、環境、景気対策が柱」と繰り返し強調してきた。1次補正予算の執行停止分2・7兆円を活用した今回の経済対策では、複数の省庁や地方自治体にまたがる失業者向けサービスをハローワークで一体的に提供する体制の整備など、「鳩山カラー」を出す工夫もこらされた。
だが、目玉施策の中には、省エネ家電のエコポイント制度やエコカー補助金など、麻生政権が創設した景気対策の「焼き直し」も目立った。
さらに、今回の経済対策について政府は当初、「公共事業とハコモノ」は対象としないとしていたにもかかわらず、地方の公共事業を支援する交付金として5000億円を計上。1次補正の見直しで執行停止した公共事業約4800億円分が、ほぼそのまま復活した。
藤井氏は「従来型とは違う」とするが、公共事業復活に対しては閣内からも8日、「経済対策として(公共事業を)設定するのは、古いのかなという感想は持っている」(仙谷由人行政刷新担当相)との疑問の声が上がった。
一方、公共事業を盛り込んだことで期待される景気の下支え効果だが、野村証券金融経済研究所の試算によると、今回の経済対策による来年度の国内総生産(GDP)の押し上げ分は0・2%程度で、「景気を上向かせるには力不足」(同研究所の木内登英氏)。第一生命経済研究所の熊野英生氏は「今回は二番底に対応するための急ごしらえの要素が強い。来年度以降、本格的な成長戦略を打ち出せるかが鳩山政権に問われる」と指摘する。【平地修、坂井隆之】
◇雇用 大企業にも助成金
経済対策では、二番底を防ぐための雇用対策と、温室効果ガス削減を目指す環境対策が目玉施策に位置付けられた。
従業員を解雇せずに一時休業などで雇用を維持した事業主に対し、休業手当や賃金の一部を国が補助する「雇用調整助成金」を拡充する。
もともと、生産高や売上高が「前年同期比で5%以上減少」した企業を対象としていた。しかし、昨年9月以降の経済危機の影響で大半の企業の業績が大幅に落ち込んだため、今月2日から、赤字の中小企業に限り「前々年比10%以上減少」へと条件を緩めた。08年よりさらに経営が悪化した企業しか救わないなら、救済対象が限られてしまうためだ。
その条件緩和を今回大企業にも適用する。厚生労働省は来年度以降、製造業などで70万〜80万人程度の雇用を維持できると見込む。
だが、雇用調整助成金は「企業内の隠れ失業者を本当の失業者にしない役割を果たしている」(アナリスト)側面もある。現在5%台で高止まりしている失業率は、助成金がなければ一層悪化すると見られている。
このほか、失業で生活費や住居に困っている人たちが一つの窓口でさまざまな支援を受けられる「ワンストップ・サービス」を進めるため、ハローワークに「住居・生活支援アドバイザー(仮称)」を新設する。社会福祉士など福祉現場の経験者を中心に260人程度を都市部のハローワークを中心に配置し、職業相談と同時に、生活保護が必要な場合は地方自治体の窓口とも連絡を取り合う。
◇環境 住宅にも「ポイント」
環境分野では、麻生政権時代同様、「環境対策と景気刺激効果」の両方を狙う施策が目立つ。
住宅の新築や改修で、断熱性の高い材質の壁や二重サッシの窓を採用した場合に、商品券や省エネ家電などと交換可能なポイントがもらえる「住宅版エコポイント制度」(予算額1000億円)を創設する。
10年1月1日以降、新築、改修工事を始める住宅が対象。工事費が高額になるため、交換できる商品やサービスの対象を家電のエコポイント制度よりも広げる。国土交通省は「住宅建設には多くの事業者が関係するので、大きな波及効果を期待できる」(住宅局幹部)として、温室効果ガスの排出抑制とともに、低迷する住宅市場の活性化にもつなげたい考え。
省エネ家電の購入者にポイントがつくエコポイント制度は来年末まで9カ月延長する(2400億円)。エコカー(環境対応車)購入補助は来年9月末まで半年間延長し、2600億円を計上する。
電子情報技術産業協会(JEITA)によると、10月の地上デジタル対応薄型テレビの国内出荷実績は前年同月比66・6%増の約116万台と5カ月連続で100万台を突破。新車販売台数(軽自動車除く)も8月以降、プラスに転じている。
エコポイントの対象製品や商品交換レート(1ポイント=1円)は現在と同じ。いずれもポイント付与期間の需要押し上げ効果が見込める一方、「単なる需要の先食いで、期間終了後、がくんと落ち込む」(アナリスト)との厳しい見方もある。【佐藤丈一、柳原美砂子、清水直樹】