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(回答先: 「鳩山不況」に陥らないためには、国を挙げた総力戦で臨まなくてはならない 【産経新聞】 投稿者 愚民党 日時 2009 年 12 月 02 日 09:34:12)
セメント業界「鳩山不況」 公共事業削減、さらに減産
2009年12月1日1時49分
「コンクリートから人へ」を掲げる鳩山内閣の政策が、苦境のセメント業界に追い打ちをかけている。生産量は10月まで26カ月連続の前年割れ。全国で生産設備の停止を進めてきたが、需要減に追いつかず、今後は工場閉鎖などが必至だ。セメント工場は、産業や家庭から出る大量の廃棄物を原燃料として受け入れている。生産量が減れば廃棄物の受け入れ量も減るため、新たな処理施設が必要になるとの指摘もある。
■10年度生産量、バブル期の半分以下へ
「真冬の様相だ」。セメントメーカー18社で構成するセメント協会の渡辺穣会長(住友大阪セメント社長)は嘆いた。
10月のセメント生産は前年同月比17.5%減の509万2千トン。セメント協会は当初、今年度の内需(国内販売と輸入の合計)を4800万トンと予想したが、約1割の下方修正は確実だ。2010年度は1966年度以来、44年ぶりの3千万トン台の可能性もある。ピークだったバブル期の90年度(8628万トン)の半分以下の水準となる。
理由は「官製」「金融」「政治」の三つの不況だ。耐震偽装事件をきっかけに、07年に改正建築基準法が施行されたが、申請の手続きや審査に時間がかかるようになったため、住宅着工件数が減少。さらに、昨年のリーマン・ショックで景気が大幅に悪化。今年、政権交代を果たした鳩山政権はダムや道路の建設凍結など公共事業の見直しを進める。
セメント協会の試算によると、前原誠司・国土交通相が表明したダム事業見直しの影響でセメント出荷量は672万トン減る。また09年度補正予算の凍結で出荷量は60万トン減るという。
最大手の太平洋セメントの徳植桂治社長は「災害が多い日本では社会資本の整備がまだ必要だ。4千万トン以上の内需はある」と話す。
■原料のゴミ、処理量減も
埼玉県日高市にある太平洋セメント埼玉工場。同市内の家庭や事業所で発生する年間約1.6万トンの都市ゴミを3日間かけて発酵させた後、セメントの原燃料として使っている。同市には焼却場がないため、この工場が市内唯一のゴミ処理施設だ。
全国のセメント工場では、都市ゴミのほか、火力発電所から出る石炭灰や、下水道汚泥、建設発生土、廃プラスチック、肉骨粉など年間約3千万トンの廃棄物を原燃料として使っている。セメントは電力や鉄鋼などと並ぶ温室効果ガスの主要排出産業である一方、リサイクル産業という性格も帯びつつある。
日本エネルギー経済研究所の試算によると、20年のセメントの生産量の見通しは6699万トン。排出権を買わずに「90年比25%減」という鳩山内閣の温暖化対策の目標を達成するためには、生産量をこの見通しより25%減らすことが必要だ。その場合の生産量は約5024万トンで、08年の生産量の実績(6589万トン)より約24%減る。
セメント各社は今後、排出権購入と生産量抑制のコストや影響を総合的に比較したうえで、有利な手段をとることになるが、排出権の価格が上がれば、生産量を抑制したほうが得策と判断する可能性がある。
セメント協会の渡辺会長は「セメントの生産量が減れば、工場のリサイクル量も減る。自治体が、埋め立て施設やゴミ焼却場を新たにつくることになり、最終的には国民の負担が増える可能性がある」と指摘する。(益満雄一郎)
http://www.asahi.com/business/topics/economy/TKY200911300544.html