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【主張】デフレ宣言 「鳩山不況」阻止へ総力を
2009.11.22 02:40
このニュースのトピックス:主張
政府が11月の月例経済報告で「日本経済は緩やかなデフレ状況にある」と宣言した。これまで日本経済への危機感が感じられなかった鳩山由紀夫内閣もようやく厳しい現実を認識したようだ。
それなのに成長戦略など需要喚起を目指す対策を盛り込んだ平成21年度第2次補正予算の編成は年明けに持ち越すという。政府と日銀は足並みをそろえて対策を打ち出し、デフレの早期脱却に全力を投入しなければならない。
物価が継続して下落するデフレは、売り上げの減少が企業収益を悪化させる。それが賃下げや失業増を招いて消費が低迷し、さらに企業収益が悪化する負の連鎖を呼び込みかねない。悪循環を断ち切るには、従来の発想にとらわれずに思い切った政策が必要だ。
日本経済は平成10年から16年にかけて深刻なデフレに悩まされた。この時は世界経済に支えられて輸出の増加で切り抜けたが、昨年9月のリーマン・ショックで世界経済がマイナス成長に転じ、日本に再び本格的なデフレの波が押し寄せている。
すでに生鮮食料品を除く消費者物価は、9月まで7カ月連続で前年同月を下回った。国内総生産(GDP)も、物価の影響を除いた実質成長率では7〜9月期に2四半期連続で前期に比べてプラス成長を示したものの、生活実感に近い名目成長率では昨年4〜6月期から6四半期連続でマイナス成長が続いている。
デフレからの脱却には需要不足に対応して福祉や医療、環境など実需に結び付く対策が必要不可欠だ。第2次補正予算には雇用の安全網整備だけでなく、将来を見通した成長戦略が求められる。
金融政策も重要だ。菅直人副総理(経済財政担当相)は日銀に対して「政策協調で金融面での支援を期待する」と指摘した。日銀も今後3年間は物価が下がると予想している。だが、白川方明総裁は追加的な対策には消極的だ。日銀には量的緩和の拡大など果断な金融政策を強く求めたい。
企業も安売りに走るのでなく、新たな市場を開拓するような創意工夫に力を注ぐべきだ。民間主導でダイナミックな成長戦略をみせてもらいたい。世界の主要な株式市場をみると、リーマン・ショックからの戻りは日本が一番遅れている。「鳩山不況」に陥らないためには、国を挙げた総力戦で臨まなくてはならない。
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/091122/biz0911220240001-n1.htm