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(回答先: ヘッジファンドの時代、再び 投稿者 gikou89 日時 2009 年 11 月 19 日 11:37:43)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920018&sid=aJ.gfTjVQgpk
11月18日(ブルームバーグ):モルガン銀行(現・JPモルガン・チェース銀行)で伝説のディーラーとの異名をとり、東京支店長も務めた藤巻健史氏は、財政規律の働かない計画経済国家の日本に対し、早ければ今年末にも「市場の反乱」が起きると予想する。長期金利は5%前後へと上昇を始め、株安・円安を伴うトリプル安の日本売りにつながる恐れもあると言う。
投資助言会社フジマキ・ジャパンの代表取締役の藤巻氏(59)は13日のインタビューで、日本の財政事情は「極限に来ているが、規律は全く感じられない」と指摘。巨額の累積赤字に加え、30兆円台後半の税収と90兆円超の歳出計画は「とんでもない話」と言い、数兆円程度の見直しでは「どうにもならない」と述べた。
市場の財政赤字懸念は、過去の例を見ても「ある時期にガタッと来る」と藤巻氏は語った。日本の国債相場は「早ければ来年度の国債増発額が明らかになる12月」に急落(金利は急騰)しかねないと言う。ひとまず「悪材料出尽くし」と市場が受け止めた場合でも、その後は入札の度に消化懸念が浮上し、相場が崩れていく可能性があると話した。
財務省によると、国債と借入金、政府短期証券を合わせた「国の債務残高」は9月末に864兆5226億円と過去最大を更新。国際通貨基金(IMF)は3日公表した報告書で、日本政府の債務残高が対国内総生産(GDP)比で2007年の187.7%から09年は218.6%、14年には245.6%に膨らむと予測した。
長期金利、乱高下
鳩山由紀夫内閣が編成する10年度の一般会計予算は、概算要求の段階で過去最大の95兆381億円。税収は09年度に続き、40兆円を下回る公算が大きい。長期金利の指標とされる新発10年物国債利回りは10日の相場で一時、約5カ月ぶりに1.485%まで上昇した。
藤井裕久財務相は同日、財政赤字の拡大に危機感を表明。来年度の増発額を今年度補正予算後の約44兆円以下に抑える意向を示した。13日には、概算要求総額から「間違いなく数兆円」削ると発言。10年債利回りは18日に1.30%を割り込み、ひとまず約1カ月ぶりの水準まで低下した。
長期金利の本格的な上昇が始まった場合には「5%前後まで上昇する」と見込む藤巻氏は、1998年末から翌年2月にかけての「資金運用部ショック」時の2.4%台では収まらないと分析する。87年には「2.5%台から約6%へ急騰した」と指摘し、足元の1.3%台から「同様の上昇があってもおかしくない」と言う。
「3カ月間で3%」といった金利急騰は、財政破たんを懸念した「日本売り」だと、藤巻氏は強調する。また、株価と円相場の急落を伴うトリプル安になると予想し、97年にアジア諸国を襲った経済危機が日本に到来する可能性も「ゼロではない」と話す。「戦後、何十年もかけて築き上げてきた豊かさが瞬時になくなり、ゼロから再スタートを切ることになる」「何としても避けなくてはならない」とも語った。
買い手不在
藤巻氏は世界的な金融危機が発生する前の06年6月に行ったインタビューでも、長期金利が6%に上昇する可能性があると述べていた。今回、日本の財政破たん懸念が強まる背景として、毎年度の国債増発を消化する新規資金が続かなくなる点を挙げた。
債券相場を下支えする投資家の需要動向については、貸し出しが伸びない銀行勢が買う面はあるが「20兆円程度」と分析。亀井静香金融・郵政担当相の下、日本郵政傘下のゆうちょ銀行などが買い増すとの思惑は市場にあるが「すでに資産の約8割が国債投資に回っている」と述べた。また、日本銀行による買い入れ増額にも限度があり、財政規律を重視する外国勢は手を出さないと指摘した。
財政の抜本的な立て直しのためには「市場原理が働かない硬直的な計画経済」という日本の政治・経済・社会構造を改める必要があると、藤巻氏は強調する。長期金利の急騰と株価・円相場の急落という「市場の反乱は、その悲劇的な契機になり得る」と話し、日本経済が本格的に回復するための適正水準は1ドル=200円だとも述べた。
米国はドル防衛へ
ドル基軸通貨体制は崩壊しないと予想する藤巻氏は、基軸通貨の発行権は「最大の国益であり、米国が放棄するはずがない」と指摘する。相場水準は下がっても、世界最強の軍事・政治・経済力に裏付けられたドルに代わる通貨はないと言う。
米国が抱える財政・経常収支の「双子の赤字」は「大した問題ではない」と発言。米国は税収の規模が大きく、対外投資収益率が高いため所得収支が黒字なので、財政破たんの懸念は強まらないと話した。
インターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は16日に一時74.679と08年8月以来の安値をつけた。対円では1月に1ドル=87円13銭と95年7月以来のドル安・円高水準を記録。10月7日にも88円1銭をつけた。戦後のドル最安値は95年4月の79円75銭。
日銀の金融政策に関して、藤巻氏は「円安が目的」との声明を伴う金融緩和策やマイナス金利の導入を主張した。輸出促進・輸入物価上昇や金融機関の貸し出し増加を通じて、デフレ解消に有効だと語った。
藤巻氏は1950年生まれ。74年に一橋大学を卒業し、三井信託銀行(現・中央三井信託銀行)に入行した。米ノースウェスタン大学大学院で80年に経営学修士(MBA)を取得。85年にモルガン銀行に移籍し、95年から2000年まで東京支店長。債券・為替などのトレーディングで実績を上げ、当時の会長ダグラス・ウォーナー氏によって「伝説のディーラー」と渾名されたという。2000年には著名投資家ジョージ・ソロス氏の投資アドバイザーを務めた。