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(回答先: ゴールドマンは「神の使い」か 投稿者 gikou89 日時 2009 年 11 月 19 日 11:36:29)
http://www.business-i.jp/news/flash-page/news/200911170117a.nwc
新たな厳しい規制の導入が近い。スキャンダルや逮捕者も相次いだ。信用収縮によって揺さぶられた投資家は、損失の可能性を認識した上で利益を求めて行う取引「リスクテーク」で神経を尖らせている。
履歴書や靴に磨きをかけ、新しくヘッジファンドをスタートさせるのに、これほどの好機が訪れたことはかつてない。世界は明らかにヘッジファンドが今後5年間で莫大(ばくだい)な利益を生み出せる様相を呈している。
新たなバブルの形成資産価格は、高値からまだ程遠い。低金利通貨で資金を借り入れて高金利通貨で取引し利益を得る投資手法「キャリートレード」も戻ってきた。そして何よりも世界中でバブルが沸々と生じ始めている。
ヘッジファンドが再び自ら富を生む準備が整った。唯一の問題は「バスにいつ乗るべきか」ということだけだ。政治家らは新たな規制をちらつかせて業界に脅しを掛け、ロンドンを拠点とする多くのヘッジファンドがスイスに脱出した。
ヘッジファンド業界はスキャンダルにも悩まされている。K1グループの創業者ヘルムート・キーナー容疑者が10月末にドイツで逮捕され、ガリオン・グループの設立者で資産家のラジ・ラジャラトナム被告も先月、インサイダー取引の疑いで米当局に身柄を拘束された。こうした事件は、バーナード・マドフ受刑囚の巨額のねずみ講が世間を騒がせた後だけに、業界全体の信用を傷つけている。
このため、野心的な若い金融家が守りを固め、業界の見通しが改善されるまで自分の職にしがみつくべきだと決心したとしても驚きではなかろう。2005年と06年のヘッジファンドの流行に乗れなかったとすれば、今では遅過ぎるかもしれない。
「ご機嫌よう。幸運を祈ります」。ヘッジファンドローンチ・ドット・コムは4月15日付で、「金融システムはスキャンダルや内部崩壊、公的救済、その他いろいろあって、あらゆる信任を失った。われわれはこれで終わりにします」とのコメントを掲載した。しかし、悲観論に陥るのは早過ぎる。
今月に入り、注目すべき動きがある。チューダー・インベストメントの元商品調査担当責任者のスティーブ・マシューズ氏は、来年1月に新たな商品ファンドの開設を計画している。また、スターク・インベストメンツの元上級ポートフォリオマネジャーであるスチュアート・ウィルソン氏とテオール・エッズ氏も、シンガポールで新たなファンド「オーチャード・キャピタル・パートナーズ」を立ち上げようとしているのだ。
さらに、UBSのマネジングディレクターだったアンドルー・バーカー氏とレイモンド・マクガイア氏は、世界最大の海運ヘッジファンドを運用するタフトン・オーシャニック・ファイナンス・グループの支援を受けて、トランスポート(運輸)ファンドの設立準備に動く。
正気を失っているわけではない。安定した職をやめ、ヘッジファンドを始める好機かもしれないのだ。正当な理由が3つある。
まず、ヘッジファンドは株式相場が安値水準にあるか、価格がまずまずの状況で開設する必要がある。ヘッジファンドが通常請求する20%の手数料は、ファンドの運用成績がプラスになって初めて有効だ。市場がバブルでない状況でファンドを立ち上げることによって、莫大な利益を生むことができる。
2番目の理由として、キャリートレードの復活が挙げられる。米英両国で低金利の資金を調達し、高利回りの通貨と資産に再投資することが可能だ。ヘッジファンドは過去10年、円を用いてキャリートレードを行うことが多かったが、今はドルと英ポンドが利用できる。
3番目の理由は、世界経済の勢いを回復させるため、量的緩和を通じて市場に大量の流動性供給を行う各国の中央銀行の決定が、至る所で資産バブルを生み出している状況だ。バブル発生は一目瞭(りよう)然(ぜん)で、そのペースも速いため、グリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長でさえ、それに気付くことができるだろう。オーストラリア・ドルでも新興市場の株式でも金でも、好みの投資先を選べばよい。
こうした状況をうまく利用する上で、ヘッジファンドほどうってつけの投資手段はない。バブルの発生を見分けることがヘッジファンド成功の条件だ。唯一の秘訣は、バブルに早く気付き、それが崩壊する前に逃げ切ることだ。バブルが多ければ多いほど容易になる。
ファンドは不規則な相場変動で育つが、それは現在あちこちに存在する。ヘッジファンドが今後数年で生み出すことのできる富が目の前にある。課税と規制が根絶された場所を拠点とすることができさえすれば。
(ブルームバーグ Matthew Lynn)
Matthew Lynnは、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です。