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(回答先: 早稲田大学の隠れた“含み損”80億円、波紋を呼ぶ決算処理 投稿者 gikou89 日時 2009 年 10 月 23 日 12:05:21)
東洋経済が今年7月末までに本・中間決算を発表した上場企業を対象にした大株主調査によると、企業の8割以上が外国人投資家の保有額を減らしていることがわかった。調査対象は、全国6取引所の上場企業のうち今期・前期の実績が2期分ある企業3671社。このうち、83.1%に及ぶ3051社が前年に比べて外国人投資家の保有金額が減少した。増減なしは3.8%で141社、保有額が増加した企業は13.0%で479社にとどまった。
外国人投資家の保有額が大幅に減少したのは、トヨタ自動車をはじめとする輸出型製造業。連結売上高に占める海外売上高比率が7割を超える企業が、減少額の5位まで並んだ。
減少額1位のトヨタ自動車は、海外依存度が73%、うち北米が2分の1以上を占めることが嫌気された。前期末に大株主6位だったBONYメロンフォーデポジタリーレシート(米国預託証券の受託機関である米金融機関の株式名義人、旧ヒーロー&カンパニー)が持ち株を30%放出し7位に後退したことも響いた。3位の任天堂も海外依存度は高く88%、うち北米への依存度は43%。主要市場である米国の消費減速が嫌気されたことに加えて、前期末に4位の大株主だった米系金融機関のメロンバンク・トリーティー・クライアンツオムニバスが持ち株比率を46%減らし10位となったことが減少額増加の要因となった。
6位の三菱UFJフィナンシャル・グループは、昨秋のリーマンショック後の金融不安で売りが加速、前期末に大株主4位だったBONYメロンフォーデポジタリーレシートが持ち株を24%減らし5位に後退した。7位の三菱商事は、原油など商品市況の悪化が売りの要因。前期9位の大株主だった米国系ファンドのステート・ストリート・バンク&トラストは持ち株比率を前期末に比べて68%減らし16位まで順位を下げている。
業績堅調なディフェンシブ銘柄は保有額が増加
輸出型製造業が外国人投資家の保有額が大幅に減少したのに対して、株価急落という逆風の中でも製薬、食品など業績堅調なディフェンシブ銘柄は保有額が増加した
外国人投資家の保有額増加ランキング首位は中外製薬で、08年5月、親会社ロシュの完全子会社がTOB(株式公開買い付け)によって持ち株比率を50.1%から59.9%まで買い増すと発表したことが保有額増加の最大要因。インフルエンザ薬「タミフル」の備蓄を受けてインフルエンザ関連株としても人気を集めた。
2位の東洋水産は、国内では2位だが、米国やメキシコでは国内首位の日清食品を上回る売り上げを上げるなど海外開拓に成功している。09年3月期は国内も節約志向の高まりからカップ麺が好調で再三にわたり上方修正、株価も08年3月末の1500円から09年3月末には2025円まで上昇した。米系金融機関のBBHバリアブルがこの1年で持ち株数を増やし、大株主9位となるなど外国人投資家の注目を集めた。TOBで保有額が上昇した中外製薬を除けば、実質トップだ。
3位の中国電力、4位の北陸電力は、円高で輸出関連株が売られる中、ディフェンシブ銘柄として外国人投資家の買いが入ったため上位に入った。6位のジーエス・ユアサ・コーポレーションは電気自動車に用いられる蓄電池大手で、08年から注目を浴びている燃料電池車関連株の代表格。07年末に発表された三菱自動車、三菱商事との合弁会社設立や、09年3月に発表されたホンダとの合弁会社設立など材料も豊富で株価も大きく値上がりした。大株主の顔ぶれを見ると、リーマン・ブラザーズ・インターナショナルヨーロッパが487万株、持ち株比率1.32%を保有し15位に登場している。
9位のローソンは、タスポの利用開始で客数が伸び業績が堅調に推移したうえ、am/pm子会社化も、結局は見送りとなったものの買い材料となり、外国人保有額が増加。10位のマクドナルドは、消費者の節約志向の高まりを受けて客数を伸ばし08年12月期で3期連続の増収増益を達成。持ち株比率は低下したものの、株価の値上がりで外国人投資家の保有額が膨らんだ。
日経平均株価は1万円前後でのモミ合いと方向感のない動きが続いているが、外国人投資家は個人投資家に先駆けて業績好調な優良株に投資する傾向がある。外国人が保有額を増やした企業に対して、引き続いて注目をしておくことが大切だろう。
(山本亜由子 撮影:今井康一=東洋経済オンライン)