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(回答先: 調整一巡後は、ドル売りが優勢か 投稿者 gikou89 日時 2009 年 10 月 20 日 11:36:46)
http://mainichi.jp/life/money/kabu/eco/comecome/news/20091018org00m020005000c.html
「ゴールドフィンガー」はスパイアクションの傑作００７シリーズの第３作。１９６４年の興行収入トップでギネスブックにも載った。ショーン・コネリー主演。
大量の金を保有する実業家ゴールドフィンガーは一段の高騰を狙って、世界一の金塊の保管所を襲撃し、原子爆弾で汚染させる計画を企む。ボンドがこれに立ち向かう。愛車アストン・マーチン、レーザー光線、それに全身に金粉を塗って殺される全裸美女などシリーズのスタイルが確立された１作。今見ても面白い。
世界の在庫を利用不可能にし、価格を吊り上げるのは、ゴールドフィンガーならずとも考える投資家の夢。いま金がその上昇を享受している。中国と金ＥＴＦ（上場投資信託）だ。絶対に売らない在庫の凍結だ。
中国は最近、金保有が１０００トンを超えたことを発表した。それまでの倍以上。ある高官は「ＩＭＦ（国際通貨基金）の売却する４３０トンをそのまま購入してもいい」とほのめかしたとか。米ドルの前途に不安を持つ中国は、巨額の外貨準備をドル債から多様化しようとしている。
もうひとつは金専門のＥＴＦ。投資資金の裏づけは現物の金で、信託銀行が保管する。すでに１３７０トン。スイスの保有する金より多い。
◇例年、年末にかけ上昇
金ＥＴＦはわが国でも上場されているからご存じの方が多いだろう。欧米の年金は総資産の３〜５％を金ＥＴＦに向けている。
これらの年金は、毎年１１月ごろ開かれる投資委員会でその年の運用成績をレビューし、翌年の資金配分を決める。新しい運用会社の選択は、俗称“オリンピック（開催地の決定）”だが、なぜか情報は漏れて、その運用会社が買いそうな投資物件は上昇する。例年、金価格が年末にかけて上昇するのはこのためで、３月ごろまでに新しい年金買いがあって、価格は天井をつける例が多い。したがって秋は、買い。
私は２００１年９月１１日の米同時多発テロ当時「金は１トロイオンス＝１０００ドルが第１目標、１４００ドルが中長期の第２目標」と述べた。上昇を見込んだ理由は「対テロ戦争は長引くしコストがかかるのでドル安」。
その後、米国発金融危機で「ＦＲＢ（米連邦準備制度理事会）は途方もないペースで現金をバラまいている。余剰なマネーの行き先のひとつは金」として、インフレ再燃も条件に１９００ドルという第３目標を置いた。投資家たちが２０００ドルを信じる熱い相場を想定している。
米国などの大手年金の買いコストは６００〜７００ドルなので、まあ３倍に達したら売るかも、という考えもある。１１年から１３年の米財政赤字が巨大化している期間に、少なくとも第２目標は達成可能と見ている。
映画のセリフから。ボンドの活躍に、美女が「誰よりもあなたは素敵よ」。ボンドが言う。「どうお答えしたらいいのかな。とりあえずおいしい夕食でも食べながら考えよう」。金の投資は急いではダメ。長期上昇の確信を持って、ごゆるりと。【国際エコノミスト・今井澂】
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