★阿修羅♪ > 国家破産65 > 622.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
http://kabu.sakiyomi.com/aifence/?EACH=445
昨日、ウォール街の金融大手の業績が予想以上だったことを伝えた。
トレーディング収益を中心に好業績を見せる一方で、クレジットカードなど融資関連の焦げ付きが著しいことはこれまで述べた通りである。
政府要人やアナリストたちは、口を揃えて経済は回復していると言うものの、実体経済のほうはボロボロである。
米国国勢調査局の報告に寄れば、ウォール街に近いコネティカット州の貧困拡大率が最大であったという。
前年比+1.4%であり、貧困率は9.3%に到達した。
他にも貧困率上昇著しいのはフロリダ、ハワイ、カリフォルニア州であった。
コネティカット州は、ウォール街に隣接しており、ニューヨーク近郊に住む金融業界の人々をお得意様とする経済だったものと考えられる。
そのため、金融危機の直撃を受け、各種商品・サービスの売れ行きが悪化し、貧困が急拡大したものと見られる。
また、7〜9月期の住宅差し押さえ件数も、過去最多となっているようだ。
米不動産調査会社リアルティトラックは15日、7〜9月期の住宅差し押さえ件数が、前年同期比22.5%増の93万7840件に上り、2005年の調査開始以来、四半期ベースで最多だったと発表した。
高失業率を背景に住宅購入者のローン返済が滞るケースが増え続けているとみられる。
つまり、プライム層(=優良顧客層)向けの住宅ローンが次々と破綻に陥っているのである。
9月単月は前月比4.1%減の34万3638件だったが、前年同月比では29.2%の大幅増。
銀行や住宅金融会社が、米政府の要請に基づいて一時停止していた差し押さえを一部再開したことも影響しているという。
実体経済がこのように悪化の一途をたどる中、これから冬だというのに原油価格がが急激に上昇している。
原油価格は1バレル、77.97ドルと2008年10月以来の高値を付けた。
この原油価格を巡る動きだが、対イランを睨んだ地政学リスクの影もちらついている。
最近は、イランに対する経済制裁ムードが高まっており、インドの財閥系石油大手企業がイラン向けガソリン供給などを停止した模様である。
イランは産油国でありながら、精製能力不足のためにガソリンの約4割を輸入に依存している。
イランの核開発問題を巡って欧米とイラン側の対立が懸念されており、中東における対イラン侵攻の危機が日ましに高まっている。
米国経済が失墜し、来年には大規模な米軍撤退が始まるということで、イランと対峙するイスラエルにとっては死活問題である。
残された時間が少なく、中東が砂嵐に見舞われる夏期に突入すれば軍事作戦を1年延期せねばならなくなる。
米国が持ちこたえている間に電撃的に軍事作戦を決行し、ケリを付けなければ非常に危ういだろう。
アフガンに大量に派遣される追加米軍部隊の真の目的は、アフガニスタン側からイラン領内に陸路で進行するためのものだという指摘もある。
いずれにせよ、あれだけ大量の派兵をしていて、ろくな戦果も挙げずに軍を引くことなど米国には不可能であろう。(そんなことをすれば、政権運営にとって致命傷になりかねない)
もはや、引くに引けない所まで米国は来てしまっているのだ。
これから冬にかけて、中東を巡る地政学リスクが低くなる可能性は薄いだろう。
そうなれば、原油価格は中長期的に上昇すると見てそう間違いは無い。
米国民にとっては、かなり生活負担が重くなることだろう。
また、長期的戦争継続によって経済がガタつき、米国民の不満はかつて無いほどに高まっているようである。
中東だけではなく、今後は米国内の地政学リスクの高まりも意識せねばなるまい(それは恐らく来年から本格的に高まるだろう)
短期的には実体経済から切り離されたフローティングマネーで時間限定的バブルに舞い上がるマーケットかもしれないが、問題はその後のことを想定しているかどうかである。
今のマーケットの活況は蜃気楼のような薄く、危ういものである。