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(回答先: 【森永卓郎】もはや政府紙幣の発行しかない【NSJ日本証券新聞】 投稿者 ワヤクチャ 日時 2009 年 10 月 17 日 23:43:39)
2009年01月09日
高まる「政府紙幣」発行論
http://blog.livedoor.jp/nocs/archives/51335786.html
渡辺元行革相は5日、麻生首相に対して解散総選挙や財政政策、行政改革などの徹底を求めた要望書を党本部に提出した。
今回はその内容について引用しながら、個人的な意見を交えて考えてみたい。
「1.衆議院を早期に解散すべきである。総選挙後すみやかに危機管理内閣を立ち上げるべきである。」
解散総選挙によって国民の信を問うことは民主主義国家として当然のことと思う。
渡辺元行革相は離党も辞さない覚悟のようであるが、政党の垣根を超えた危機管理内閣とは何を意味するのか。
100年に1度の危機にといわれるなか、「危機管理内閣」という言葉は国民にとって聞こえは良い。
だが、内閣支持率が低迷し、各調査からも政権交代が濃厚となってきている。
渡辺氏の行動には、政界再編後の政権に参加したいとの計算があるのではないか。
「2.定額給付金を撤回し、2兆円を地方による緊急弱者対策に振り向けるなど、2次補正予算案の修正を国会において行なうべきである。」
地方による緊急弱者対策は重要である。
政府は昨年暮れに「生活防衛のための緊急対策」として、23兆円規模の追加経済対策を発表した。
すでに各自治体も行動を始めている。
渡辺氏は政府の打ち出した追加経済対策に、さらに追加しようとするものなのか。
「緊急弱者対策」の内容を具体的に示してほしい。
日本はバブル崩壊以降、デフレ政策を続けてきた。
外需頼みの経済構造を推し進めてきたが、世界的な金融危機によって外需が急速に冷え込んだ。
このようなひずみが、派遣切りや内定取り消しなどの労働問題を引き起こしたのではないか。
政府はまず今までの経済政策の誤りを認めるべきで、渡辺氏も同じ立場から出発するべきだ。
定額給付金はデフレ対策として正しい政策であり、即効性がある。
ただし、今回の給付金は規模が小さいため、その効果は限定的であると思われる。
今はとにかく消費を喚起する政策が必要で、デフレギャップが解消するまでは、企業ではなく「家計」を優遇する政策が望まれる。
それにあわせて、消費税減税や所得税の累進強化、課税最低限の引き上げなどで「家計」を守り、税制全体を人口構成や社会構造に即して公平感のあるものに転換するべきだろう。
そのためには将来の日本のあるべき姿が国民のなかで共有される必要があるが、今の政治家はそれを示していない。
日本は低炭素社会に向けて大きく産業構造を転換していく。
衰退する産業があれば、勃興する産業もある。
失業もあれば、新しく雇用が生まれたりもする。
政府は国民の生活を守りながら、産業構造の転換を推し進めなければならない。
そのためには大規模な公共事業が必要であるが、すでに日本版グリーンニューディールは動き出している。
それにしても、「定額給付金」は国民に人気がない。
消費者主権が根付いていないのか、労働して賃金を得ることへの美徳が大きいのか、それともマスコミが煽るからなのか。
民主党も定額給付金には反対の姿勢を示しているが、政権交代後の財政政策に一抹の不安が残る。
「3.今国会における内閣人事局関連法案の中に、任用・給与制度改革法を入れること。
給与法改正を行い、国家公務員人件費を来年度よりカット(目標2割)すべきである。」
国民受けは良いかもしれないが、デフレ脱却・消費喚起という点からいえば人件費カットは正しくない。
大企業の労働分配率引き上げを目指すべきだろう。
今、ワークシェアリングが話題となっているが、それではデフレ脱却にはならない。
どうしてもというのなら、まずは経団連の仕事をワークシェアリングしてみたらどうだろう。
また、人件費についていえば、国会議員の数を減らすべきという議論もある。
「4.各省による天下り斡旋の総理による承認と、渡り斡旋を容認した政令等を撤回すべきである。
雇用能力開発機構を統合する閣議決定を撤回し、福田内閣当時の廃止・解体・整理の方針にそって決定し直すべきである。」
天下り禁止には賛成である。
しかし、このような失態を招いたのは、渡辺氏が行革相時代に成立させた法に不備(抜け穴)があったからではないのか。
民主党案を盛り込んで「天下り禁止」の文言を加えておけば、今回のような事態にならなかったはずである。
2008年5月29日に国家公務員制度改革基本法案が衆議院で可決された時、渡辺氏は目に涙を浮かべて喜んでいた。
その時の涙の真意がやっとわかったような気がする。
「5.国家戦略スタッフを官邸に配し、経済危機対応特別予算勘定を創設し、その企画立案にあたらせる。
政府紙幣を発行し財源とする。
6.平成復興銀行を創設し倒産隔離と産業再生を行なう。
同行において上場株式の市場買取を行い、塩漬け金庫株とする。
財源は政府紙幣とする。」
今回、もっとも注目したいのが「政府紙幣」の発行についてである。
マスコミは昨年の麻生内閣発足時から、民主党側の対案について「財源はどうするのか」と煽っていた。
それがいつの間にか、政府の経済政策に埋蔵金が活用されるようになった。
年が明けてからは、あの財務省でさえも方針を転換し、10兆円規模の財政投融資特別会計の金利変動準備金を活用することを打ち出した。
しかし、世界的な金融危機は去っていない。
「政府紙幣」の話題がでてくるということは、日本がこの危機を乗り越えるのに埋蔵金でも足りないということだ。
「国の借金」とか「プライマリーバランス」などと言ってる場合ではないのだろう。
「政府紙幣」発行はデフレギャップの大きい日本だからこそできる政策である。
世界経済救済のためにも、そろそろ本格的な論議が始まっても良いのではないか。
ただ、渡辺氏の企業重視の「政府紙幣」活用案には疑問が残る。
いろいろな活用法を提示して、国民が選択できるようなしくみをつくってほしい。
ついでだが、北海道も将来的に地域通貨を導入することを検討してもよいのではないか。
「7.社会保障個人口座を創設し、国民本位の仕組みを作る。
年金・医療・介護のお好みメニュー方式を導入し、納税者番号とセットで低所得者層への給付付き税額控除制度を作る。」
解散総選挙後の国会での論戦に期待したい。
渡辺氏の今回の行動は、閉塞感が漂う日本の政治に一石を投じているという点で評価したい。
しかし、渡辺氏は昨年の春頃から日本版SWF構想を打ち出し、外貨準備や公的年金積立金の運用などを考えていた。
もし実行されていたら、日本はどれほどの損失を被っただろう。
一国民として、渡辺氏の今後の行動を冷静に見守りたい。
参考
・国家国民のために:「麻生総裁に物申す」
・『自由』平成19年6月号:「マクロ経済学という科学を捨てては重要国策の遂行は不可能だ」
・ロイター:「日本版SWF、外貨準備はドルのまま上手な運用考える必要=渡辺金融担当相」
・msn産経ニュース:「【円ドル人民元】「米住宅公社救済協力へ外貨準備活用案浮上」」