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(回答先: 【国際通貨物語(その4)】 ドルが基軸通貨となった日 投稿者 ミスター第二分類 日時 2009 年 9 月 29 日 21:28:26)
【参考】---「ケインズの構想した国際中央銀行・ICUと決済通貨(世界通貨)バンコール」
ちなみにケインズが構想した世界通貨バンコールについて解説したものがみつかりましたので紹介します。
通貨問題は結局のところ世界貿易の問題であり、機軸通貨問題の本質は金融システムにある事を見ていただければ幸いです。
SDRの問題もここら辺を押さえておかないと本質が良く見えません。
出典 http://www.diplo.jp/articles07/0701-3.html
「ケインズの忘れられた貿易機関構想」より引用
ジョン・メーナード・ケインズ)
・・・イギリスの経済学者ジョン・メイナード・ケインズは、世界貿易のルールを全面的に作り替える構想を打ち出していた。
彼が提唱したのは、国際貿易機関(ITO)の創設である。また、それを支える国際中央銀行として国際清算同盟(ICU)を設け、国際貿易の決済通貨となる「バンコール」を発行する・・・・
・・・ICUの仕組みは次のようなものだ。ある国の保有するバンコールは、輸出によって増え、輸入によって減る。
会計年度末に、その国のICU勘定が黒字でも赤字でもなく「清算」された状態、つまりプラスマイナスがゼロに近い状態になることが目標とされる。各国通貨とバンコールの為替レートは固定されるが、調整は可能とする。
ケインズ案の革新性は、バンコール残高が黒字の国もまた赤字の国と同様に世界経済システムの動揺を引き起こす、言い換えれば、債権国が債務国と同じように安定と繁栄を脅かすという認識にある。
では、各国の勘定残高を限りなくゼロに近づけ、その状態を維持させるにはどうしたらよいのか。
ケインズはすばらしく巧みな方法を考え出した。
ICUは新通貨バンコールを発行する中央銀行として、各国に当座貸越枠を設定する。市中銀行と個人顧客との関係と全く同じだ。当座貸越の限度額は、過去5年間の貿易額平均の2分の1とする。
限度額を超えた場合、超えた分に対して利子を支払う。
このように、債務国は赤字分に対してペナルティーを科せられるが、ここで実に独創的なのは、債権国、つまり国際収支勘定が黒字の国も、超過分に対して利子を払うことだ。赤字額または黒字額が大きくなるほど利子は高くなる。
貿易赤字国には、世界中央銀行(ICU)がお金=バンコールを貸してあげる。それが、当座貸越。そして、貸付額の限度を5年間貿易平均の1/2までとする。
貿易赤字国は、限度額を超えるとICUからお金を貸してもらえない。バンコールが無いので、他の国は輸出してくれない。だから、必死で、赤字を減らそうとする。
黒字国も利子を払う。
利子で、黒字を強制的に減らされるので、黒字国は、他の国から輸入を増やそうとする。
更に、赤字国は、輸出を伸ばすために平価を切り下げ、輸出品の価格を下げることを義務づけられる。黒字国は、その逆で、輸出を抑えるために平価を切り上げ、輸出品の価格を上げる。
平価切下げとは、自国通貨の世界通貨バンコールに対する比率を安くすること。
平価切下げを行うと、輸出品の価格が下がり、輸出が増加する。輸入品の価格は上がり、輸入が抑制される。平価切り上げの場合は、輸出抑制、輸入増加となる。
黒字国が輸出超過を改めない場合は、当座貸越の限度額を超えた分をICUが没収し、準備金に組み込む。ケインズは、この資金を国際警察部隊や災害時の救助活動など、全加盟国にとって有益な活動に用いることを考えた。
よくできた仕組みである。利子を払ったり、更には利益を没収されたりするのを避けるために、黒字国は、こぞって赤字国からの輸入を増やすだろう。赤字国の側では輸出が増え、貿易収支が改善に向かう。