★阿修羅♪ > 国家破産65 > 164.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
(回答先: 閣僚発言が市場の波乱要因に 円高株安 投稿者 gikou89 日時 2009 年 9 月 29 日 11:02:43)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003017&sid=axUf_ofesyxA&refer=jp_news_index
9月29日(ブルームバーグ):国際通貨研究所の行天豊雄理事長(元財務官)は28日午後のインタビューで、ドル基軸通貨体制について「他により良い選択肢はない」と述べ、国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)などが近い将来、ドルに取って代わる可能性は低いとの見解を示した。民主党政権下での為替市場介入に関しては、詳しい言及を避けた。
財務省の特別顧問にきょう就任する行天氏は、ドル基軸体制を積極的に支持した麻生太郎前内閣から政権交代した鳩山由紀夫内閣でも、ドルを「当面はサポートするしかない」と語った。同体制を「できるだけ安定化させるのが、最善の政策オプションだ」と強調。日本が時間をかけて内需の拡大を図れば、世界的な金融危機の遠因の1つとされる米国の過剰消費と中国など対米輸出国の過剰貯蓄という国際的な不均衡を是正することにもなると述べた。
インターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は20カ国・地域(G20)首脳会議(金融サミット)直前の23日に一時75.827と2008年8月以来の安値をつけた。民主党政権は円高に歯止めをかける為替市場介入に慎重だとの観測などを背景に、円相場は対ドルで28日に一時1ドル=88円24銭に上昇。1月23日以来、約8カ月ぶりの円高・ドル安水準をつけた。
国連の通貨・金融体制に関する専門家委員会は21日、国際準備制度の抜本的な改革の検討などを求めた報告書をまとめた。国連貿易開発会議(UNCTAD)も7日発表した報告書で、国連加盟国は新たに世界準備通貨銀行を創設すべきだと提唱。同銀による通貨発行や為替水準の監視に合意する必要があると呼び掛けていた。
SDR、ドルの代役にならず
行天氏は、ドルに代わる基軸通貨候補との意見もあるSDRは「人造通貨」であり「唯一の基軸通貨にしていくのは事実上、不可能だろう」と分析。各国の中央銀行間だけでなく、民間部門の貿易や投資、融資を担うのは「実際問題としては考えられない」と話した。
理念はともかく、基軸通貨として受け入れられるには@使いやすいA皆が信用できる−の2点が「非常に大事だ」と強調。具体的には、通貨発行国が発達した国際金融センターを擁し、国家としての総合力に優れている必要があると述べた。20世紀初頭までのポンドはロンドンの金融街シティ、現在のドルはウォール街という金融センターを持つ世界最強国の通貨だと指摘。この点で米国に代わる国・地域が直ちに出てくるとは「なかなか想像できない」と述べた。
行天氏は、ドルは巨額の財政・経常赤字を抱える「米国が発行している債務証書だ」と語り、ドル基軸体制は「米国経済のパフォーマンスと政策のクレディビリティ(信頼性)」に左右されると指摘した。米赤字問題は「簡単にすぐ改善するわけにはいかない」が、オバマ米大統領が率いる米政府や米国民が「中長期の改善計画」に真剣に取り組む姿勢を示せば、金融市場からの信認を得ることが十分可能だと語った。
米国の自己矯正力
米国は「自由で競争が活発、相対的に公正なマーケットだ」と行天氏は評価。他国と比べ「自己矯正力、自己規律を持っていると信じている」と述べた。米国経済が健全性を保てれば、ドル基軸体制に「特に新たな不安が生じるわけでもない」と話した。
ドル不安説の背後には、100年に一度とも言われる「金融危機の一種の副作用」があるとも分析。米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンを原資産とする証券化商品への投資で被った損失からの「連想」が働いているが、ドルを巡る環境は足元で「それほど激変しているわけではない」と指摘した。
行天氏は、鳩山内閣が輸出依存から家計消費を中心とする内需主導型への経済構造の転換を目指していることは「世界的な不均衡を改善する国際的な努力の一環にもなる」と評価。日本は時間をかけて「内需をできるだけ拡大する政策を採る必要がある」と語った。
介入発言、慎重に
藤井裕久財務相は就任前から、為替市場での円売り介入に慎重ととれる発言を重ねてきた。ただ、円相場が対ドルで1月につけた13年半ぶりの高値まで1円11銭に迫った28日には、昼の登庁時に「最近の動きはやや一方に偏ってきている」と指摘。同日午後にブルームバーグ東京支局で講演した際も、通貨安競争を避ける必要はあるが、円高の是認や放置は意図していないと説明した。
財務省の特別顧問に就任する行天氏は今回のインタビューで、介入を「絶対にするとか、しないとかは誰も言えないのではないか」と述べ、詳細に関してはコメントを控えた。米ダウ・ジョーンズ通信(DJ)は24日、行天氏がインタビューで、日本政府は為替介入の可能性を排除する必要はないと述べたと報じていた。
行天氏は1931年生まれ。55年に東京大学を卒業し、大蔵省に入省。国際通貨基金(IMF)やアジア開発銀行(ADB)への出向などを経た後、同省の国際金融局長や財務官を歴任した。89年に退官。ハーバード大学やプリンストン大で教鞭を取った後、92年から96年まで東京銀行(現・三菱東京UFJ銀行)会長。95年12月から国際通貨研究所の初代理事長。98年には小渕恵三内閣の特別顧問をつとめた。