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(回答先: 日本人の72%、経済格差感じる…世論調査 投稿者 gikou89 日時 2009 年 9 月 22 日 02:55:22)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003017&sid=anefPoqNUXr0&refer=jp_news_index
9月21日(ブルームバーグ):ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン米プリンストン大学教授は21日、世界経済は恐らく底を打ったものの、回復は「緩慢で痛みを伴うだろう」との見解を示した。
同教授はヘルシンキでのセミナーで発言し、「世界の終わりはどうやら先送りされたようだ」と語った。世界経済はもはや、「深い淵の底へと落ちつつあるようには見えないが、まだ難しい局面にある」との認識を示した。見通しは「非常に不透明だ」とした上で、W字型の回復がU字型になるかもしれないと述べた。
ドイツとフランス、日本は2009年4−6月(第2四半期)にリセッション(景気後退)を脱した。クルーグマン教授は米国の景気後退も恐らく7月後半か8月に終わったとの見方を示した。
同教授は、「真に異常な事態は、世界貿易の崩壊だ」とし、輸出主導の景気回復の可能性に疑問を呈した。「問題は、これが世界的な金融危機だということだ」として、「輸出先となる他の惑星を見つけない限り、輸出主導の回復はない」と指摘した。
同教授はまた、中国経済は世界の成長エンジンとなるだけの規模はないとの見方も示した。「迅速な回復が難しい理由の1つはアジアが抱える巨額の国際収支黒字だ」とし、「内需を本格的に拡大することができれば、有用だろう」と話した。
赤字と出口
各国の赤字を拡大させた財政出動は短期的には「世界を救った」ものの、「多くの人々にとって事態は今後、悪化するだろう」として、「政府は危機対応で役割を演じることができるが、財政赤字の水準は懸念材料となる程度に高い」と指摘した。
一方で、景気対策を引き揚げるには回復は依然としてあまりに脆弱(ぜいじゃく)だとの見方を示し、景気刺激からの「出口戦略は、生産ギャップが狭まりつつあることがはっきり示されるまで待つべきだ。刺激を引き揚げ始めるべき時では断じてない」と述べた。各国政府が緊縮政策を性急に導入すれば景気は必要以上の打撃を受けるだろうと警告した。
「財政赤字が膨らんでいることは明らかだが、急激な支出減で対応すれば人的、かつ経済的な負担は直ちに高まるだろう。IMFの政策を自らに押し付けることは望ましくない。できれば避けたい」として、「赤字の規模を注視することは必要だが、パニックに陥ってはならない」と戒めた。
米消費者は疲弊
同教授はまた、「世界経済の重要な推進力だった米国の消費者は疲弊している」と指摘。米国の失業率は2011年初めまで上昇し続けると予想した。
消費に代わって回復を主導するのは企業の設備投資だとした上で、「しかし、では設備投資の原動力になるのは何か」と問い掛け、このリセッションから世界を引き上げるような発見があればよいと語った。気候変動対策や二酸化炭素(CO2)排出削減に向けた措置で効果的なものが導入されれば「投資する理由になる」と指摘した。
クルーグマン教授は、中国が外貨準備をドルから分散した場合は、欧州と日本が最も打撃を受けるとの見方も示した。また。今回の危機は国際準備通貨としてのドルとの競争においてユーロにマイナスの影響を与えたとの見解を示した。
クルーグマン教授は、危機を脱するための世界的取り組みが「非常に長期にわたって延々と続く」ことを懸念しているとし、その場合「借入金の調達に障害が生じ、社会・政治問題が発生する」と懸念を示した。「これが延々と続き、政治的・社会的安定に対して深刻な影響を及ぼすことが懸念される」と語った。
巨額支出プログラム
歴史は回復の道筋を示さないとして、「地図はない。唯一の前例は大恐慌だ。大恐慌は第二次世界大戦という巨額の政府支出プログラムによって終わったが、われわれはそれを繰り返したくはない」と語った。