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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20090911-00000001-voice-pol
◇「ブレーン」ならどうするか◇
8月30日の衆議院議員選挙の結果、民主党は308議席を獲得し、第一党に躍り出た。これによって短期間を除いて戦後の大部分にわたって続いた自民党政権時代にとりあえずの終止符が打たれた。
もっとも民主党だけで参議院の過半数が維持できるわけではない。民主党は社会民主党・国民新党両党と連立政権を形成することになろう。
選挙前には、閣僚の任命については十分な時間をかけて決めるという話もあった。実際にどうなるかは、本稿執筆段階ではまだわからない。
だが、少なくとも重要閣僚はすぐに決めなければならないのではないか。あまり時間がたつと党内に人事をめぐるさや当てが激化し、また民主党の政権担当能力に疑問を投げ掛ける声が出ないともかぎらないからだ。メディアは飽きやすい。いまは好意的であっても時間がたつと批判に転じるだろう。本誌発売の段階では、すでに閣僚が発表されている可能性もある。
だが本稿では、長らく「民主党政権誕生の暁には閣僚に」といわれつづけ、実際に2003年には民主党政権の閣僚予定者名簿で「財務相予定者」とされた榊原英資氏が実際に「財務大臣」として入閣した場合に、日本経済ははたしてどのようなことになるか、について考えてみたい。
こう設定したのには、いくつか理由がある。
鳩山氏は、「閣僚人事については『一番重要な官房長官、財務相、外相は政治家を起用したい。国会議員から選ぶのが肝要だ』と述べ、主要閣僚への民間人登用に否定的な考えを示した」(『産経新聞』8月17日付)と報じられているし、民主党内にはマクロ経済政策についても各種の声があり、榊原氏では色が強すぎるという意見もあるかもしれない。
しかし、たいがいの国会議員はマクロ経済政策に無関心か、あまり効果がないと考えているか、公共事業と同一視しているのが関の山だ。「経済通」と呼ばれる議員でも、年金や税制といった個別の案件には詳しくても、マクロ政策に理解がない。
また、「失われた10年」においてマクロ経済政策の評判は地に落ちてしまった。もっとも問題なのは「試されたけれども無効だった」という認識が広まってしまったことだ。マクロ政策のイメージが公共事業と結びついているために、「清廉な政治イメージ」を掲げる人こそマクロ政策と距離を置こうとするところもある。
そこであえて、「民主党のブレーン」といわれつづけた榊原氏ならばどうするか、そしてその結果がどうなるかを考えてみたいのである。
1つの「思考実験」として、以下シミュレーション的に追ってみたいと思う。
◇就任―必要なのは新しい政策だ◇
首相官邸での記者会見が始まる。榊原氏は濃紺のスーツにネクタイで、いつもよりは控えめな印象を与える。
「8月30日、日本は革命的変化を迎えた。自民党政権の時代、急速に構造変化していく21世紀の世界に日本だけが取り残されてきた。その限界は官主導の経済政策運営にある。私の使命はこの官主導の国の在り方を打破し、新しい時代の変化に合った日本の国家戦略を描き実行することだ」
さすがに論客であり、よどみがない。通常、大臣には就任前に役人がレクチャーを行なうのが慣例だ。氏の場合にはそれは必要ない。
記者からの質問に移る。8月10日の財務省発表によると国と地方の長期債務残高はすでに816兆円に達し、また民主党の経済政策では歳出の増大が予想され、財政再建が大きな課題になると思われる。大臣の考えをお聞かせ願いたい。
「財政健全化の議論は古く、経済政策の議論としてはピントがずれている。日本経済の構造は新たな状況に入っており、日本の行政を変えてから論じるべきだ。まず霞が関の人員を半分にして地方分権を進めるなど、財政のかたちを変えたうえで議論すべきだ。現在の構造を維持したまま議論をしてもあまり意味がない。同様のことは年金や医療にもいえる」
財務省の機構改革について大臣はどう考えるか。主計局を内閣府に移管させるという意見が出ているが。
「財政、金融の分離をうたった改革は失敗だった。金融庁については、再び財務省に統合するのが妥当だ。主計局の移管については、国家戦略局の立ち上がりをみながら慎重に考えていきたい」
大臣の主計官僚嫌いは有名だ。しかし、主計局を移管させると財務省、そして財務大臣の権限は大きく減ることになる。目ざとい記者はすでに大臣が自説を修正しつつあることに気が付いた。
景気対策についてどう考えるか、という質問に対しては自説を滔々と述べた。
「これまでの景気対策は、従来どおりのマクロ経済学に基づいた従来どおりのマクロ経済政策の破綻だ。必要なのは新しい戦略的発想に基づいた新しい政策だ。具体的には中長期を見据えた農業、エネルギー産業の振興だ」
アジア共通通貨構想について質問が及ぶと、「ミスター円」と称されるだけあって、わが意を得たかのように話し始めた。
「アジア共通通貨構想は難しい側面もあるが、私としてはこれを国家戦略として積極的に推進していきたい。もちろん、アメリカやヨーロッパ諸国と日本がこれまで築いてきた関係を損なうものではない。アメリカともアジア諸国とも対等の立場で付き合うという民主党の外交政策と整合的である」
かくして榊原大臣の初日は終わった。
◇9月―中長期的かつ困難な話◇
発足時の内閣支持率は70%台に上り、期待は大きかった。就任直後から早速、榊原大臣は精力的に動き始めた。
まずはお金の掛からないことである。審議会はそのままにして有識者懇談会を活用することにした。審議会には多数の利害関係者がいるので、ここをいじるのは得策ではない。もっとも与党と違う方針が答申されないように、財務官僚には釘を刺しておくのは忘れなかった。
新設された「日本を変えるための有識者懇談会」(略称、日変懇)には加藤秀樹氏(構想日本代表)、水野和夫氏(エコノミスト)らが起用された。顔触れからわかるように、彼らは大臣と考えが近く、またミクロ的な政策を重視するという特徴をもっている。
ことに水野氏は、今回の危機以前から従来の経済学の限界を強調している。1990年代の日本の大停滞においても物価の下落は構造的要因によるもので不況とは関係なく(『100年デフレ』日本経済新聞出版社)、今回の経済危機でもマクロ政策は無効であるといい、大恐慌以上に各種の指標が落ち込んでいたときに大臣同様、日銀は金利を下げるべきではないと述べている(「世界同時不況 日本は甦るのか」『文藝春秋』2008年12月号)。
では何をすべきなのか。大臣の持論は「こういうときこそ本物の構造改革が必要なのではないだろうか」というものだ。
具体的には「エネルギーと農林水産業に集中的に財政資金を投入して、こうした分野の活性化を図るのが望ましいと思われる。短期的にはともかく、中長期的にはほぼまちがいなくエネルギー不足、食糧不足の時代が到来する。原子力発電に加え、太陽光、風力発電に補助金を投入して実用化に向けて育てる時期であろう。また、自給率が40%にまで下がっている食糧の大増産計画を始める時期でもある。自給率60―70%をめざして農林水産業の拡大をはかり、こうした分野への株式会社の参入とそこでの雇用の拡大を目指すべきであろう」(「正論 世界同時不況の危機に日本は」『産経新聞』2009年2月6日付)。「日変懇」も、その線に沿っての答申を準備し始めた。
だが、こうした現代版産業政策には問題がある。仮に生産性の低い分野があるとしよう。まずこうした産業を政府がテコ入れするというのは、効率性を損なう。ほかの効率性の高い産業か、国民一般から補助金を回すのだから、どこかで必ず負担が生じる。ただの昼ご飯はないのだ。
それでも、「食料安全保障」の理由からテコ入れするというのは1つの判断だろう。しかし、だとしたら効率がよくなるという主張はできない。
次に、農業ばかりでなく特定産業の生産性を政府のテコ入れによって向上させることができる保証はどこにもない。日本の場合はなぜか産業政策が成功したという神話があるものの、これは実証的には否定されているといってよい。
また仮に農業の生産性が向上したとして、雇用は増えるのだろうか? むしろ生産性の向上によって少人数で多量の生産を上げることができるならば、雇用は縮小するかもしれない。
「日変懇」のもう1つの柱は、アジア共通通貨構想だ。早速大臣が中国、シンガポール、マレーシア政府要人と会談するなど、積極的に動いた。
だが、なぜ共通通貨なのか。共通通貨を導入するのが有利なのは、いうまでもなく日本にとってのメリットがデメリットを上回ることだ。だが、ユーロをみてもわかるように共通通貨の形成はたいへん難しい。
仮に中国と日本が共通通貨をもつとしよう。そうすると、中国の奥地から日本の東京までが1つの経済として見なされることになる。共通通貨をもつからにはヨーロッパ中央銀行に倣って、アジア中央銀行(ACB)が設立されるのだろう。このACBは、金利を決定することになるが、その水準はどこに定めればよいのだろうか。設定した金利は中国の奥地にとっては低すぎ、日本の東京には高すぎるということになりかねない。共通通貨は、じつはアジアのもつ多様な地域の発展を阻害する。
いずれにせよ、ユーロと比べてもアジアで共通通貨を形成するのはきわめて困難だ。しかも中長期的な話である。
かくして9月は中長期的な話で過ぎていった。
◇10月―景気後退局面◇
秋になると、日本の景気は再び後退色を強めた。すでに今年に入ってからデフレの進行が加速している。
もっとも大臣は、デフレは日本の停滞には関係ないという主張の持ち主だ。
第1に、日本のデフレはグローバル化で中国からの輸入シェアが増えたことによる「構造デフレ」というものだ。それゆえ、デフレに金融政策は関係なく、日本銀行とも関係がないということになる。
しかし、少し考えてみればわかるように、同じく中国からの輸入シェアが増えたほかの国はデフレを経験していない。昨年の後半からは経済危機でデフレ懸念が台頭してきたものの、イギリスもアメリカもおそらくデフレには陥らずに済むだろう。
第2に、グローバル化した世界では一国単位の金融政策はいずれにせよ無効になる、というものだ。
これはむしろ話は逆で、国際的な資金移動が自由なグローバル化した世界では金融政策がもっとも有効になる。金融政策を緩和すると、金利が低下し、それによって対外資金はこの国から流出することになる。これは為替を引き下げる圧力につながるから、純輸出は増えて、国民所得は増える。
しかし一方で、榊原氏は「日本の低金利政策が円安バブルを生んだ」という言い方をする。少なくとも金融政策は為替という重要なマクロ変数に影響を及ぼすことができると認めているわけなので、政策無効の主張と首尾一貫していない。
第3に挙げるのが、いわゆる「歴史的証拠」である。かつてのヴィクトリア朝期後半にもデフレが起きたが、それでも実質経済成長率は高かったというものだ。だから、現代でもデフレは経済の停滞に関係がないといいたいのだろう。
たしかにヴィクトリア朝期に金本位制にあった国では1873年ごろからデフレが起きていた。しかし、そのデフレは1896年に終わっている。この時期のデフレは、金本位制という国際通貨制度の産物だった。
1870年代に多くの国が金本位制を採用する。それは金に対する需要を引き上げたので、金の価格は上昇することになる。金の価格が上昇すると、金本位制の下では金で計ったモノやサービスの価格の下落が起きる。1896年にデフレが終わったのは、南アフリカやカナダで金鉱が発見され、金の需要に金の供給が追いついたからだ。
この当時のデフレが金本位制特有の現象であったという証拠に、この時期金本位制を採用していなかった国、たとえば日本はデフレに陥っていない。そしてその当時、実質成長率がプラスだったと論じてもあまり意味があるとも思われない。それこそ当時の労働市場や、賃金の硬直性の度合いをきちんと考えなければならないからだ。
日本ではデフレと雇用(完全失業率)の悪化が同時に進行するという事態が生じている。この関係を専門用語では「フィリップス曲線」という。かつてオーストラリア出身のA・W・フィリップスという経済学者がイギリスのデータから実証的に発見した関係だ。
大臣は1970年代後半、いわゆる合理的期待革命の旗手として日本の論壇にさっそうとデビューしたという経緯がある(斎藤精一郎『経済学は現代を救えるか』文藝春秋)。そのときのテーマの1つは、こういうフィリップス曲線は長期的には存在しないというものだった。
けれども理論的な基礎付けはだいぶ変わったものの、フィリップス曲線は合理的期待のあとにもかたちを変えて生き残っている。
日本でデフレが続いているのは、日銀の金融政策と密接な関連がある。世評とは異なり、日銀の金融緩和の程度はきわめて少ない。日銀が量的緩和を行なった2001年3月から2006年3月に、貨幣供給量は5年間で11%しか増えていない(岩田規久男『日本銀行は信用できるか』講談社現代新書)。とはいえ、大臣が「日本銀行はかなり踏み込んで、政策対応を展開している」(「正論 世界同時不況の危機に日本は」『産経新聞』2009年2月6日付)と評価しているのでは、話にならない。
このころ円高が進行し始める。最初はじわりと、そして次第にそのペースが加速していく。英米と日本を比べると、経済危機発生後の中央銀行の対応は著しく対照的だ。資産購入額を思い切って増やした英米では実質実効為替レートを切り下げ、危機に備えた。独り日本だけが切り上がり、生産が急激に縮小している(浜田宏一「日銀は産業界を苦しめている」本誌9月号)。
だが、大臣は円高論者である。大臣はこれまでの超低金利政策を円安バブルの元凶と批判し「緩やかな円高をどう実現していくべきなのかを、そろそろ、財務省と日本銀行は考えるべきときに来ている」(『強い円は日本の国益』東洋経済新報社)という。2008年3月のインタビューでは「1ドル90円でも円高ではない」と述べていた(『週刊ダイヤモンド』)。
なぜ円高が望ましいのか? 円高だと輸入品が買いやすくなるとか、原材料費が下がり、輸出製造業の合理化が進むという。しかし、日本は輸入だけでなく輸出もしている。輸出と輸入の差額を純輸出というが、円高になるとこれが減るので国民所得は減る。
また、円高が進むと国内の輸出企業は海外に生産拠点を移してしまう。内需と外需の関係は単純ではなく、輸出企業が国内の設備投資や消費を支えているといえる。また輸出企業はおおむね生産性が高い。それをわざわざ円高にしてまで企業を苦しめて、まして合理化を進めるというのでは、いったい目的は何なのだろうか。
◇11月―拡大予算の財源は?◇
11月中旬、7―9月期の国民経済計算四半期別GDP速報が発表された。4―6月期の数値が0.9%、年率にして3.7%とプラスであったのに対し、今度はマイナスに転じた。ここまではすでに予測されていたことである。
4―6月期回復の原因は、輸出の持ち直し、補正予算による公共事業、そして散々批判されてきた定額給付金による消費増額の効果であった。しかしいずれにせよ、民間投資も消費も力強さに欠けている。プラスとなったとはいえ、前年比ではマイナスだ。アメリカ経済も底を打ち、中国も若干の回復を見せてはいるものの、輸出のこれ以上の伸びは期待できない。
今後、輸出も政策の効果も少なくなっていくとするとどうなるのか。経済成長の鈍化は失業率の増大をもたらす。国際通貨基金(IMF)の見通しで、成長率がマイナス6.2%だとしたら、失業率は6%以上に上る。しかも大臣自ら認めるように、農業やエネルギー産業の振興は中長期的な対策だから、いまの時点には間に合わない。
連立政権を組んだ社民党、国民新党はいずれも左右の支出優先政党である。社民党は民主党左派と組んで各種再分配政策を要求、国民新党もかなり強硬に公共支出の増額を要求した。
結局、予算編成は前年度を上回る拡大予算にならざるをえなかった。財源をどうするか? 強引に経費節減を図ってはみたものの、ほんの2カ月で官僚機構の無駄を省力化できるわけもない。というよりも、何が無駄かを見抜くのが難しい。
これ以上国債の追加発行はしないとなると、いわゆる「霞が関埋蔵金」を当てにせざるをえなくなった。大臣の持論は「特別会計の積立金は将来の支払いに備えて積み立てたもので無駄なものはない。年金や医療制度の問題はあるが、埋蔵金を使うという議論はインチキだと思う。ただ、特別会計の整理や年金制度を大幅に変えるという議論は別だ」というものだったが、背に腹は代えられない。
これに、完全民営化が凍結され息を吹き返した政策投資銀行融資の活用をセットにすることにした。しかし、政投銀が融資するためには市中で資金調達をしなければならない。まさに民間銀行とその意味では同じであり、全体の貨幣供給量が増えるわけではない。
さらに問題なのは融資先だ。相変わらず日本航空を支援するのだろうか? その辺りが曖昧なまま、国の関与はかえって増えていく。
◇12月―そして日本は◇
円はついに70円台に突入し、株価が急落する。
大臣は、為替介入を指示する。奇しくも、1995年に榊原氏が国際金融局長だったときに超円高が進んだときの歴史的円高水準と同じである。もっとも円高論者の大臣が介入をする「理由」も用意されていた。それは「長期的には緩やかな円高は望ましいが、急激な円高は望ましくない」というものだ。
経済メディアは「第2次榊原介入」と書き立てた。だがこれは、正確には「第3次榊原介入」というべきだ。榊原氏は95年に続いて、財務官時代の99年にも介入したことがあるからだ。
しかし財務省だけの介入では効果は限定的にならざるをえない。為替はほかの通貨との比較で測った自国通貨の価格だ。これは多くのモノやサービスの価格同様に需要と供給の関係で決まる。結局のところ、金融政策が動かないかぎり、市中に出回る円の量は変わらず、供給が変化しない。需要に対して政府としては原則的に影響を及ぼすことができないから、供給側を変えるのが有効だ。
実際、95年の介入のときには公定歩合の引き下げが行なわれた。99年の介入のときには、2月に日銀は一気にゼロ金利にまで進んでいる。
為替に長期的に影響を与えるには、それこそ日銀のいっそうの金融緩和政策が必要になる。しかし、日銀は緩和の余地はないという意見を変えないようだ。それに今回の大臣は名うての円高論者である。市場は榊原大臣の「本気度」を最初から疑って掛かることになる。介入の効果はすぐに途切れてしまうだろう。
大臣は、すぐさま渡米し、サマーズ国家経済委員会委員長、ガイトナー財務長官さらにはルービン元財務長官とも会談を行なう。アメリカの要人との太いパイプを強調し、95年のときのように「アメリカは戦略的な観点から強いドルを欲している。日本の為替介入を歓迎する」というメッセージを引き出すためだ。
しかし、「アメリカの時代は終わった」と公言し、アジア共通通貨を推進しようという大臣だ。それに何よりもアメリカの金融政策は緩和的な基調を維持している。円高が問題だと思ったら、日本も自分で金融政策を緩和すればよいだけの話だ。会談は実質的な成果を上げることなく終わった。
いまやデフレは2%を超え、失業率は6%台後半に上昇した。警察庁が発表している自殺者統計は、すでに戦後最悪の数字を上回ることが確実である。
政権発足から3カ月。そろそろ前任者のせいにはできない時期に差し掛かってきた。日銀は何かするだろうか。金融政策に効果がないというのが大臣の持論なのだから、日銀が自分から何かをする必要はない。何といっても現在の日銀総裁を任命したのは事実上、民主党なのだから。
日本は厳しい冬を迎えた。
(※これはフィクションです
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コメント
金曜日の東京市場も円高でやられたという状況です。しかし、経済に弱い民主党政権に早速しかけてきました。鳩山新総裁は、どう立ち向かうのでしょうか。
このまま円高が進むと、外需中心の経済界から膨大な苦情がくるでしょう。仕掛けとはそういうものです。
岡田元幹事長と小沢幹事長との確執がうわさされていますが、それほど深刻ではないとも感じますが。
ただ、経済に関しては、鳩山民主党政権は、真剣に取り組んだ方がいいように感じますが。政権発足時に強力な経済対策を打ち上げた方がいいとも感じますが。
千葉県の不正会計の件で今日も井戸端会議の話題になったのですが、警察署もからんでいたということで、駐車違反などの罰金も払いたくないという人もいたくらい公務員の不祥事は、市民をまきこんでいるようです。
ある企業の人と最近の景気動向を話ししたのですけれども、やはりこの不況で企業も赤字らしく、給料も5%程さがったようで、今後上昇傾向がある業界ですが、国の財政が赤字でも公務員職員は高待遇、不正会計で刑事告発なし、そのまま就労できるとはちょっとおかしくないでしょうか。
退職金受領を繰り返しもらう今のような体制はあまり気分がよくありませんが、優秀なキャリア官僚が、官の世界から外の世界で能力をだすことは歓迎です。
しかし、鳩山内閣の人事はまだわからないのですが、民主党議員がでている番組をyoutubeでみていると投資家が、日本投資に消極的になりつつある話しばかりです。
高速道路民営化にしても国土交通省が隠していたシナリオを説明していましたが、民主党として経済効果を数倍にするという前向きな話もせずに役人のシナリオをあてにするという、何が政治主導かともいえます。
自民党も前向きな若手がでないことから腐っているといえますが、民主党も小沢幹事長に匹敵するくらいの貢献をした議員がいればいいのですが、最後は結局は小沢幹事長頼みとなるのかもしれません。
喧嘩をするのは簡単ですが、どんな鉾をおさめることができるかどうかです。
民主党議員は、自民党と比べても能力がある、特徴を持っている議員が豊富です。しかし、小沢幹事長以外に恐怖心を人に与える力はありません。
中国市場、米国市場が盛り上がりつつある中、東京市場が来週盛り上がるかどうか民主党発足の初日にかかっています。何もなければ大きな洗礼を受けるかもしれません。
自民党の今までの経済対策が国民にとって効果がないということは、先日のGDPの指標であきらかになり、今後は経済失速の責任が鳩山政権にきます。
内外からその嵐がくれば数カ月で鳩山政権は沈没するかもしれません。
もはや300議席という国会では有利な条件が、国民から反旗の印がでれば終わりです。