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http://president.jp.reuters.com/article/2009/09/07/9EB04994-8BC6-11DE-B452-A9093F99CD51.php
“何もしないこと、それこそ最大のリスク”。古賀体制を一言でいい表すならばこういうことだろう。
ノンフィクションライター 児玉 博=文
「3度目を起こせば会社がなくなる」
1991年の損失補填問題、97年の総会屋への利益供与事件、90年代に起こした2度の不祥事で、野村証券は厳しい社会的批判を受け、信用失墜の瀬戸際に立たされた。社長以下幹部数名の逮捕者を出した総会屋への利益供与事件後、社長に就任した氏家純一は、このように危機感を訴え、信用回復に注力した。
野村証券は、氏家社長在任の6年間でニューヨーク証券取引所へ株式上場を果たし、米企業改革法への対応など米国流のコンプライアンス(法令遵守)経営に邁進する。“ドメドメ”なドメスティック(国内)企業の代表と見られていた昔には考えられなかったことだ。
利益供与事件後、世界的な金融自由化の動き、IT(情報技術)の爆発的な普及、経済のグローバル化、そして新興市場整備などを受けて起こった世界的な金融再編の大きなうねり。だが、日本を代表する証券会社、野村証券は動こうとはしなかった。それはまるで池の底でじっと身を潜める冬の鯉のようでさえあった。
こうした経営姿勢は氏家から2003年にバトンを受けた古賀信行になっても変わらなかった。97年以降、野村のおよそ10年を総括するならば「内向きな10年」、「縮み続けた10年」だった。
身を縮めるようにしてきたこの10年。この間に野村が生き残れたのは、他社の敵失によるところも大きい。97年山一証券はその歴史の幕を閉じた。さらに四大証券会社の一角を占めていた日興証券は外資系との資本提携に活路を見出すが、06年に起こした有価証券取引書の粉飾決算問題で“死に体”となり、身売りの状態である。次々とライバル社が消えていく中、野村だけが生き残った。しかし、野村の直面する現実は甘くない。“何もしないこと、それこそ最大のリスク”。古賀体制を一言でいい表すならばこういうことだろう。古賀は、東京大学法学部卒で、“株屋”とは異なるエリートとして育てられた。この営業経験のないMOF担(旧大蔵省担当)出身者は、動こうにも動く術を知らなかった。社内に漂うのは、閉塞感だった。
会社創立80年の節目にあたった06年、野村は過去最高の税引前利益5450億円をたたき出した。祝いの年に過去最高益を出し、大いに意気揚がるはずだった。だが、古賀に精彩がない。覇気がない。全国の支店を回りながら、幹部との会合を重ねながら、古賀は呟いていた。
「どうしてなのだろうか……」
過去最高益に古賀が酔えないのには、理由があった。外資系証券会社のゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、UBS、ドイチェ銀行など……彼らと比較すれば野村のビジネスが、はるかに後塵を拝していることは明らかだった。
自己資金の投資事業、ヘッジファンド関連の金融商品、中国、インドに代表される新興国ビジネス……、欧米の証券会社が莫大な利益を挙げる分野で野村は全く振るわない。古賀はその状況を十分に認識していたはずだが、動かなかった、いや動こうとしなかった。こうした古賀体制に嫌気が差した部長クラス、これからの野村の屋台骨にならねばならない人材が次々と外資系などに流れたのだ。
古賀体制の末期、古賀のタバコ量がさらに増え、チェーンスモーカーとなっていた。「最後の数カ月は睡眠薬を使ってようやく眠りを得るような状態だった」という。「変われぬ野村」「変えられない自分」との自問自答の日々が続いたのだろう。
「野村は変わらなくてはいけない」
08年3月に、古賀は社長交代の記者会見で、図らずもこのように胸の内を語り、自らを変えられなかった経営者は“変化”を、次期社長の渡部賢一に託した。野村内部では“ナベケン”で通っている財務畑出身の内務官僚だ。
この記者会見の半年後に、渡部は米証券大手リーマン・ブラザーズの数部門の事業買収を発表し、「内向きな野村」の殻を破った。“国際派”とも称される渡部だが、キャリアを精査すると特筆すべきは、破綻処理能力である。(文中敬称略)
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コメント
民主党の内閣が来週前半までには決まりそうです。鳩山小沢体制による政権運営、国民が変化を求めた政権、期待に添えないような運営はご勘弁願いたいです。
社民党、国民党も政策調整会議なるものを党間で開くように求めているようですが、党の政策を実現したいならば、単独で政権をとれるように活動すればよく、政権の邪魔をするために調整会議を開くことを手段とするならば政治活動を停止したほうがいいでしょう。
政策を推し進めるには、政権政党に入るほかなく、鳩山内閣に入閣し、内閣を守るという姿勢をみせることが本筋です。たとえ、小政党の政策がすべて実現しなくても少しでも責任を持つようになれば、現実の世界に近付く努力をしてもらいたいものです。
今回の政権で経済産業省の所轄大臣に連合の代表がなるとの憶測がありますが、ちょっとこれはやりすぎとも考えるのですが。経済回復、経済成長がこれから日本に必要であり、将来の日本の課題であるにもかかわらず、かつ、労働の流動化が重要であ¥もあるにもかかわらず、果たして課題が進行するのでしょうか。
左に寄るにしても行きすぎは禁物です。
所轄大臣には、政治家とは関係なく得意分野を持ちそれを生かす人材を起用してもらいたいものです。
大臣を名誉職のような扱いで起用しないことが改革なのかもしれません。
上記記事のように野村証券だけではなく、他の大手企業も政界と同様本格的に変わるか変わらないのかという選択にせまられるかもしれません。
基本的には国民の自立、労働者の自立が重要なのかもしれません。大手企業が正社員のリストラすることに批判的なジャーナリストもいますが、これから将来を背負う若者を失われた世代といわれるような将来を作るよりも、経験を積んだ正社員を市場に放出することを拒み世界の閉塞感を維持することのほうが、マイナスになると考えていないのでしょうか。
今やこれから社会に出ようとする若者の失業率が10%になっている現実を政治の世界は考えてもらいたいものです。正社員のしわ寄せが非正社員、若者に追いかぶさり、益々日本社会を奈落の底に追い詰めているような気がします。
自民党の置き土産は、民主党にとってとてつもない負担を負いますが、多くの国民は理解してくれると説明責任を果たすことが重要なのかもしれません。
海外の進出している日本の大手企業も今後日本人正社員のみを優遇することは難しく、もし、経済が縮小する中でのグローバル化というのは、どういう道筋を描くのか理解することが大切なのかもしれません。
日本の大手企業の経営者は、正社員御用労働組合と同盟を結んでいますが、経営者と正社員との意識の違いがこの同盟関係を崩す役割となるかもしれません。
今日の東京市場は、NY市場の上昇より買い気配で始まり、後場まで下落することもなく維持しました。今日のNY市場は休みですが、強い相場を期待したいものです。
市場の取引額が少ないという恐れもありますが、やはりここでも民主党政権の先の不安感と政治空白を続けている与党自民党政権の運営に消極的なのかもしれません。
取引高が次第に増加する政策も民主党政権の課題となりつつあります。しかし、前政権の置き土産は、国民に重くのしかかるかもしれません。