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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu198.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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次期鳩山民主党政権は、中国がドル債の売りに転じる前に、日本の
国益のために、約100兆円のドル証券を、周到に売り抜けることです。
2009年8月23日 日曜日
◆米国経済の実情と、控えるデリバティブの危機 8月17日 吉田繁治
http://archive.mag2.com/0000048497/index.html
結論から言えば、
(1)3月来の世界の株価(金融経済)の同時回復(15%〜30%幅)はあったが、
(2)実体経済(生産・消費・設備投資)は、底這いのままです。
(3)特に米経済(1300兆円のGDP)のうち、70%を占める世帯消費(商品+サービス)は、世帯信用(ローン消費)の収縮のため、悪化を続けています。世帯信用の元になる住宅価格は、下落を続けています。
そして、次の危機が損失を先送りする機能を果たしている「デリバティブ」の危機です。今回、この構造を基本的なところから解きます。
【500兆円規模の、世界の政府対策費】
思い起こせば、世界の政府と中央銀行は「08年、09年(今年)、10年の3年間で、500兆円の対策費」を使うことを表明しています。(09年3月) 3月以来の株価は、それに反応したものです。
その概略を言えば、[政府の緊急対策資金]→[米英系金融機関・証券会社への注入]→[金融と証券による自己売買の増加]→[株価上昇]という構図です。
■2.危惧は、夏〜秋の3度目の危機
こうした中での、最大の危惧は、2009年の8月〜9月に予想できる「デリバティブ(金融派生商品)の価格崩壊」による金融危機の第3弾です。
【現状】
今、金融機関は、あらゆる手段を使う政府公認の「粉飾決算」で、偽装されています。その損は、数か月後の決済日が来れば、P/L(損益計算とキャッシュフロー)の実損として、明らかにならざるを得ません。
大手金融機関の経営者は、その前に、偽装決算を元に増資し、高いボーナスをもらって、遁走(とんそう)でしょう。ゲンキンなものです。権限がある経営者がもつべき経済倫理は、欠けてしまっています。背任や犯罪で摘発される違法でないなら、どんなに汚い手段も、いいとする。
1997年の山一証券等の、不良債権の子会社への飛ばし発覚から来た、急な破産と、善良な野沢社長の記者会見を思い出してください。
●危機が終わった、景気が底打ちと言われるのは、政府容認の、公表B/Sの粉飾からです。これは、政府・中央銀行によるマネーの輸血(貸付)と血圧の偽装で、突然死に至る激しい出血を補ったという意味です。
見えない内部(本当のB/S)に空いた空洞は、埋まってはいません。会社でごく少数のトップマネジメントは「空洞の所在」を知っているはずです。社員は、幹部を含めて知りません。実は、理由が分からず、株価が下げるときが危ない。
●デリバティブ(主は金融保険)の、迫りくる決済日を知るトップマネジメントが逃げるための(インサイダーの)、「自社株の大量売り」がその兆候です。デリバティブは、多くが「オフ・バランス」であり、表面が偽装された金融機関のB/S(貸借対照表)では全く見えません。
(補注)米国の中央銀行であるFRBすら、200兆円($2兆1526億)と昨年来2倍になった信用(資産・負債)とは別に、500兆円ものB/Sに記載されないオフ・バランスの保証勘定を持っています。英語ではありますが、ここの、「Memo」が、簿外でFRBが保証している証券です。つまり、マネー供給、信用供給での700兆円規模の「全開」です。
http://en.wikipedia.org/wiki/Federal_Reserve_System
デリバティブには限られた当事者(相対取引者)しか、中身を知らない双務契約があります。当事者も退職し、外部者や上司には意味が不明な時限爆弾に似た契約書が残っているだけかもしれません。
●こうした、不動産や債権、あるいはキャッシュフローを担保にしたデリバティブ(Asset Backed Security)が、次の危機の、引き金になるでしょう。原資産(住宅ローンや他の債権)の価値下落が止まらないと、デリバティブの隠された損は、拡大し続けるからです。
【低い自己資本比率】
今、米欧の金融機関の自己資本比率では、政府が、将来のストレスに対し「4%基準で健全」とハードルを低めています。4%は自己資本に対し、負債が25倍であることを示します。
●1億円の手元資金で、25億円を借り、投資しているのと同じです。わずか、4%の投資証券の価格下落、あるいは所有証券の、4%の損失の表面化(決済日到来)によって、連鎖危機が再発します
連鎖になる理由は、金融機関の間の、CDS(債務保証保険)やCDO(債務担保証券)のデリバティブが、その相手先と双務契約であるためです。
それに、もっとも巨額な、長短の金利をリスク率の算定で交換する金利スワップ(長短金利交換取引:$50兆)がある。
いつまで、ロールオーバー(決済の延期)が可能か?
●実勢価格が下げた住宅証券やデリバティブは、今はまだ時価評価されず、価格が膨らんだままになっています。
米欧の不動産価格が上がり、ローン債権が健全化する時期が来ない限り、損は回復できません。つまり不動産価格が下げ止まって、上がるのはいつかと、債権・債務(=借金)の質がよくなるのはいつかということです。
こうした巨額含み損は、いつまでもは、隠したまま続けることができません。09年3月来の株価の、約30%上昇によって、その損を埋める策がとられたのですが、空洞は埋まっていません。
金融商品での、時価評価のない利益計上は、無意味なものです。生理的食塩水の点滴で、血圧の下落が止まったというにすぎない。
●戦前の基軸通貨国だった英国と、戦後の基軸通貨国である米国で、非公式に伝承される金融の経済学は、「基軸通貨国である限り、貿易赤字と経常収支の赤字は、国益になる。貿易黒字が損になる。相手国は輸出する商品の代わりに、「政府や企業が紙に書いた数字(=$証券)」を、いくらでも喜んで受け取るからである。」ということです。
ここを知らねばならない。日本と中国が、$証券を増やして持ち続ければ、国民に損を与えます。
●今まだ、ドルの暴落が起っていない原因は、最大の経常収支黒字国になった中国が、ドル国債と社債を買っているからです。(09年7月時点)。中国がドルを売らない理由は、元高になると輸出が激減し、失業が増え(08年末で9%:1億人)、政権に打撃を与える社会不安(暴動)が高まるからです。
中国が、日本より先に、将来の損を恐れた売りに転じれば、米ドルとドル債は暴落し(円では20%は下げ)、米国の長期金利は上がります。
次期の民主党政権は、中国がドル債の売りに転じる前に、日本の国益(=国民益)のために、政府(財務省)が外貨準備としてもつ約100兆円のドル証券を、周到に売り抜けることです。
それが、新政権の最大の「財源」になります。これが、対米での自由の意味です。そしてドルを買う中国を「国際社会に対する大いなる貢献」と讃えればいい。理由として、政権に就(つ)いて、本当の政府の金庫を見ると、日本政府は、自民党が作った財政赤字の累積(1000兆円)のため、ドル債を持つ余裕はないと言えばいいのです。(提言)
以降では、今後の推移を想定するため、前記のようなデリバティブである「資産担保証券(Asset Backed Security)」の、発展経緯と構造を基礎から見ます。
起点は、1970年代に始まった住宅ローンの証券化と転売でした。わが国では、なじみの薄いものですが、
●これを知っていないと、金融における危機の本当のところが見えないからです。
わが国のバブル崩壊は、不動産と株の値下がりで単純なものでした。
米国バブルの崩壊は、今はまだ隠れていますが、いずれくる複雑なデリバティブの崩御に帰着するでしょう。
以降では、それを、可能な限り単純化して見ます。今、早ければ8月にも迫り来る「第3次の危機」を感じているからです。(後略)
(私のコメント)
昨日のベルリンで行なわれた男子マラソンでは、トヨタの新型プリウスが伴走車になっていましたが、自動車王国のドイツで日本車がマラソンの伴走車になっていたのは、トヨタが世界陸上のスポンサーにでもなっていたからだろうか? ドイツ車で環境に優しい車は思い浮かびませんが、ジーゼルエンジン車は高速ではいいが低速では性能ががた落ちする。
つまり自動車の時代の流れはベンツやBMWではなくてトヨタのプリウスやホンダのインサイトなのです。アメリカのリンカーン・コンチネンタルは時代錯誤の鉄の箱に過ぎない。一昔前ならリンカーン・コンチネンタルに乗って会社のCEOが颯爽と降りて来れば十分な威厳を保てたが、今ではマスコミに叩かれる時代になった。
つまり根本的に時代が変わったのであり、アメリカのような巨大恐竜の時代が終わり、日本のような哺乳類の時代になりつつあるということです。巨大恐竜がどうして滅びたのかは謎ですが気候の変動によって餌となる植物や獲物が滅んでしまったからだろう。アメリカの無敵を誇る軍事力もアメリカの経済破綻で立ち枯れしようとしていますが、原子力空母一隻で一兆円もの維持費がかかる。
アメリカの不動産価格がバブルの崩壊で下がり始めたのも、石油の高騰で自動車文明が崩壊し始めたからだ。自動車で高速道路を使って自宅と会社を通勤するようなライフスタイルが近いうちに出来なくなるだろう。そして通勤電車で会社に通うようになるだろう。広い芝生の庭とプールのあるような自宅は車の使用が前提になりますが、車は金持ちしか使用できなくなる。
日本にしても欧米にしてもバブルの崩壊は不動産価格の下落から生じていますが、不動産が通貨の価値を裏付けしているのであり、不動産価格が下落している限りGDPの拡大は起こらない。バブルから抜け出すには日本にしても欧米にしても不動産価格の上昇が無ければ無理だろう。
現在は世界の株価も上昇していますが、大出血を緊急輸血で止めただけであり、アメリカが日本に対して要求してきた時価会計は自分の都合が悪くなると棚上げしてしまった。もともと時価会計制度は間違っているのであり、売買もしていないのに値段をつけて評価する事が間違いだ。だから欧米でも売ることが出来ない債券は棚上げされている。
しかし時間が経てば債券でも償還される債券が出てくるし、買い手が出てくれば売買されて売買損を計上しなければならなくなる。吉田繁治氏が指摘しているように「金融機関は、あらゆる手段を使う政府公認の「粉飾決算」で、偽装されています」。経営者は粉飾決算でボーナスをもらってルービン元財務長官のように逃走するでしょう。
基本的にはアメリカの金融機関やファンドが持つデリパティブは評価のしようが無く、新たな買い手が現れなければただの紙切れだ。利払い以上の評価損が出て紙切れよりも性質の悪いものかもしれません。アメリカの投資ファンドは「1億円の手元資金で、25億円を借り、投資しているのと同じです」。だから高利回りだったのですが、僅かな損失でファンドは破綻してしまう。だから株や不動産の値下がりは日本ほどでないのに金融機関の破綻が相次いでしまった。
アメリカでも日本のようにタクシーの客待ちの光景が見られるようになったということですが、実質的な失業率はタクシーの客待ちの光景を見れば分かります。アメリカ政府はドル札を大量発行してFRBが買っていますが、最終的には中国に買ってもらわないと大インフレが起きてドルが暴落してしまう。しかし中国も馬鹿ではないからいつかは売ってくるだろう。
◆中国が米国債保有減らす、民間の海外投資支援で 8月19日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK853151320090819
[香港 18日 ロイター] 中国は現在、民間セクターによる海外進出に必要な資金を確保するため、保有している多額の米国債の一部売却を迫られているようだ。
中国による米国債の保有残高は5月に8000億ドル台に達し、1年以内に1兆ドルに達する可能性があるとの観測が強まった。しかし、17日に発表された統計によると、6月は7764億ドルと3.1%減少した。減少率は過去9年間で最大となった。
海外で戦略上重要な資源供給を確保するため、中国が外貨準備資産をこれまで以上に積極的に活用していることが浮き彫りになった。世界的な経済不均衡の巻き戻しは、中国にとって投資に充てるドルが減少している可能性も意味する。7月の中国貿易黒字は前年比で50%以上減少している。
これまで中国からの資金流出は、ほとんどが政府による米国債の購入だった。しかし現在は、民間セクターがこれまで以上に外貨を必要としている。
今月も中国の国有石炭会社ヤン州煤業(1171.HK: 株価, 企業情報, レポート)(600188.SS: 株価, 企業情報, レポート)がオーストラリアの同業フェリックス・リソーシズ(FLX.AX: 株価, 企業情報, レポート)を29億ドルで買収することで合意したほか、中化集団公司(シノケム)が英石油・ガス開発のエメラルド・エナジー(EMEN.L: 株価, 企業情報, レポート)を8億7800万ドルで買収した。
中国政府自身も一段と積極的な投資姿勢を示しているようだ。
2000億ドルを運用する中国の政府系ファンド、中国投資有限公司(CIC)はポートフォリオのほぼ90%をキャッシュで保有したまま08年を終えたが、今年は積極運用方針を決めている。
今週のロイターの報道によると、CICは不動産市場の回復を見込み、近々米住宅ローン市場に最大20億ドルの投資を行う。またロイターは先週、豪鉄鉱石鉱山開発のフォーテスキュー・メタルズ(FMG.AX: 株価, 企業情報, レポート)が資金調達のため、CICと10億ドル超の転換社債発行案件について協議していると伝えた。
中国は6月に米国債を売却したが、すべてが現金化されたわけではない。売却された短期債の半分が長期債に替えられており、中国政府が、従来よりも利回りに留意していることが示された。これまでは投資対象の安全性が重視されていた。
中国の米国債保有残高に関する月例報告などではロンドン市場での仲介取引が除外されており、全体の流れは分かりにくい。正確な数字は来年2月に発表される年間報告まで待つ必要がある。しかし、中国が米国債保有を減らし、外貨準備資産の多様化を進め、民間投資家にドルへのアクセスを容認するといった傾向は今後も強まりそうだ。
(私のコメント)
世界中の国が札を刷りまくってばら撒いていますが、それだけの巨額なマネーを運用できるのはドルだけだ。しかしアメリカの投資銀行もかつての運用能力を失い、新興国への巨額投資も焦げ付きが回収できない。新興国の経済発展も投資資金の流れが続いていれば大丈夫なのでしょうが、資金の流れは逆流している。だからアメリカでもドルがだぶついて超低金利だ。
問題は中国がいつまでドルや米国債を買い続けるかですが、日本はその前にドルを売り逃げないと巨額な損失を被る。自民党政権であり続ける限りまたドルを買い始めることでしょう。しかし民主党政権が出来れば今までの密約も意味がないから鳩山民主党はドルを売りぬけることも出来る。そうしなければ85年のプラザ合意の失敗を繰り返す事になる。今はアメリカが倒産してドルが紙切れになってもユーロがその代わりになるだろう。