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http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20090805/201820/
アメリカ中心の資本主義経済が、崩れていると感じる人は多いだろう。ただ「元凶」を的確に言い当てるのは難しい。
本書は、その元凶の解明に踏み込み、1989年のベルリンの壁崩壊後に加速したグローバリズムと「金融腐敗」によって未曾有の大混乱を引き起こした犯人たちをあぶりだしてゆく。
その手法は「何か特別な、世間に知られていない事実」をひけらかすのではなく、皆が新聞・テレビに出てくるエコノミストや評論家のなまぬるい解説で分かったような気になっていることを丹念に正していく、すなわち「政治家や金持ちの太鼓持ち」のために誤解している事実を指摘する形をとっている。解説の水先案内にニューヨーク・タイムズなどの「ひとコマ漫画」をあしらい、米国の大衆意識を軸に展開しているのも本書の特徴だ。
では、著者が「金融危機」とか「世界同時不況」といった現象追認的な言葉ではなく、「金融腐敗」と言い切るのは、どういう理由からなのか。
たとえば、原油や穀物価格の高騰が投機マネーに起因しているのは疑いの余地がない。投機事業の逃げ場に「金(ゴールド)市場」が使われているのも察しがつく。しかし、原油、穀物、金に為替を加えた4つの先物取引が、「シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)」グループ1社で行われるようになった経緯を知る人は、金融関係者の他は少ないのではないか。先物取引所の大合同は次の手順で行われたという。
◇1994年8月3日 原油取引所であるニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)が金の先物取引所(COMEX)を買収合併。
◇2006年10月17日 為替取引所(CME)が穀物取引所(CBOT)を買収すると発表(正式合併は2007年7月21日)。両者はCMEグループとなる。
◇2008年3月17日 為替・穀物取引所(CMEグループ)が原油・金取引所(NYMEX〜COMEX)を買収(合併完了は8月22日)。
先物市場が統合された背景
世界経済に多大な影響を与える4つの先物取引が、利益競争に走る、ひとつの企業グループのなかに投げ込まれてしまったのである。
〈アメリカでは、不正をおこなう人間を「腐ったりんご」と呼びますが、一つのりんご箱に、為替、穀物、原油、金のりんごを入れたらどうなるでしょう。(中略)これらのりんご箱の中で腐敗が広がらないはずがない。こうして、ディーラーの一人ずつが腐ったりんごになる〉
と著者は記す。しかも、
〈アメリカ政府は、これを野放しにしてきました。犯罪が、犯罪にならないように制度を定めているのが、現在のアメリカと世界の金融システムです。これを犯罪とする認識が、全世界のエコノミストと政治家にまったくない。その精神的な腐敗こそが、金融腐敗の源であります〉
ならば、最初の「腐ったりんご」は誰だったのか? 著者は、サブプライムローンなどのスーパーバブルによる金融崩壊の最大の責任者は、「財務長官ロバート・ルービン」と名指しする。
ルービンは、先物取引所の理事として国家の命運を左右する穀物や石油、為替などをギャンブルに似た先物取引の対象にして、投機を煽り立てた。そして、ウォール街の金融を規制する証券取引委員会(SEC)の顧問と連邦準備制度理事会(FRB)の国際資本市場顧問委員を兼務しながら、規制をどんどん緩め、1990年にはゴールドマン・サックスの共同会長に就任し、米国内の投機事業をリードした。
また、エリツィン大統領に頼まれて、じぶんの息がかかった投機屋をロシアに送り込み、同国の経済を大混乱に導いた。さらには財務副長官のローレンス・サマーズと組んで銀行と証券会社の兼業禁止(グラス・スティーガル法)を撤廃させたばかりか、シティグループの経営委員会議長としてハイリスク金融商品への投資拡大を唱え続け、2008年11月、経営破たんを招いた……と、延々と罪状が並べられている。
二番目の責任者はルービンの片腕だったサマーズ。ケネディ大統領の経済顧問だった経済学者ポール・サミュエルソンの甥であるサマーズは、一貫して自由貿易とグローバリズムの拡大を主張してきたという。
87年から18年以上も連邦準備制度理事会議長を務めたアラン・グリーンスパンもリーマン・ブラザースのCEOリチャード・ファルドたちと組んで金融腐敗を放任した、と著者は糾弾する。ここで紹介されるニューヨーク・タイムズ08年10月27日付のひとコマ漫画が、じつに秀逸だ。荷馬車に乗せられたグリーンスパンが、フランス革命時代の断頭台に送られていくシーンが描かれている。以下、少し長くなるが、本書の解説を引用しよう。
〈……グリーンスパンが、言っています。「わしは規制に反対してきたとも。そうだとも。だがわしは、強欲なウォール街の豚どもが、このように強欲なウォール街の豚のように行動するとは想像もしなかったんだ。ショックだ! ショックだ!」と。後ろ手に縛られたグリーンスパンが乗った囚人護送の馬車に向かって、群集(全米)が激怒のこぶしを振り上げ、「ようやく奴もお縄頂戴だ」といったような文句も見えますが、よく見ると、左端の間抜けのような小男が、「馬車に乗ってるのは誰だい」と尋ねています。大きな男が「アラン・グリーンスパンだ。奴がおれたちをこんな目にあわせたんだ」と答えて、「ところで、お前は誰だ」と訊いています。この小男は、きっと、グリーンスパンを重用してきた、かの大統領ブッシュでしょう。そのやりとりを、まわりの男たちがギロリとにらみつけています〉
「腐ったりんご」が経済ブレーンのオバマ政権
金融腐敗と資本主義の崩壊は、これからどうなるのだろう。前述の4大取引所の総本山シカゴから「チェンジ!」と叫んで飛び出てきたのがバラク・オバマである。昨年の大統領選挙後、新政権の経済ブレーンを固める要職についたのはルービンとサマーズ。そしてクリントン政権時代、この二人のもとで財務次官、つまり官僚のトップを務めたティモシー・ガイトナーが、いまオバマ政権の財務長官を務めている。
昔、「責任者出て来い!」とやたらと叫ぶ漫才師がいた。本書には金融腐敗の責任者の顔がずらりと並んでいる。それで溜飲を下げることはできる。しかし……では、今後、日本で生きるわれわれはどこを目指せばいいのか……。
〈日本人は、今まで通り黙々と勤勉に働いて、必要なものはできるだけ日本国内でつくり、安全な食べ物と製品を買うように心がけ、その上でゆとりがあれば、決してアメリカではなく、アジア・アフリカ・中南米・東ヨーロッパなどの苦しい国々に援助してゆくように、羅針盤の針を大きく切り換えるべき時代が到来したのです〉
たしかにそういう考え方もあるだろうが、反米を唱えれば、すべて解決するほど単純でもあるまい。わたしたちが、従米でも反米でもなく、対等な関係を望むのなら、日米関係についてもっと知らなければならないことが、たくさんありそうだ。その意味では本書は、貴重なガイドブックになるだろう。
(文/山岡 淳一郎、企画・編集/須藤 輝&連結社)
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コメント
公務員10万人削減を公約にしたみんなの党の公約が発表されました。パスの運転手で年収一千万円といった待遇に批判もあるが、派遣などの非正社員が増えた現状、もう正社員優遇、年功序列というのも廃止する時代にきているのではないでしょうか。
しかし、10万人削減するのもいいが、その10万人をどこで雇用させるのでしょうか。
今苦境にあっている非正社員労働者、障害者労働者などの受け皿さえなくなりつつあるのにそのうえ公務員までもが職に迷うということになると町中に失業者があふれる日本となるような気がします。
本来は正社員と非正社員の格差をなくし、非正社員でも優秀な人材であるならば登用し、一定レベルの時点で年功賃金を廃止することです。
昭和の時代の課長レベルと今の課長レベルの能力差というのは、時代の変化もありますが、普通の社員と管理職の間にある程度の能力差がありました。
しかし、今や非正社員の年齢も高くなり、管理職と非正社員の一部の業務経験者の能力の差が、管理職以上であったりと職場でも変化が見えています。
しかし、正社員という壁が、能力のないにもかかわらず業務上で防御となっているようです。
民主党もマニュフェストを発表してから、内輪でもめているようです。これはいたしかたないのかもしれません。政権をとっていないために現実政治の流れをつかめていない議員が国および地方議員にも多く、今後も後先も考えずに言いたいことしか言ってこなかった骨抜き議員が、内輪もめをするのかもしれません。
しかし、そういう現象をあぶりだすのが政権交代でもあるということです。民主党の議員の力で今の民主党有利の選挙になっているとしたら大間違いであるということに気づくことが大切です。
よって民主党が官僚組織に何人送り込もうとしても、官僚を使うという奢った考えを捨てまずは、今の日本の仕組みを官僚から習い、そこで国民目線で改革をしていけばいいと感じます。
官僚の世界からみれば、自民党の一部の政治家には、恐怖心を一部与えますが、民主党の多くの議員は、恐怖心さえ与えません。ただし、民主党が政権をとれば市民の動向に官僚は、恐怖心をもちます。
そのことを民主党の議員は、よく理解し、民主主義というのは、現実路線にもどることでもあるのですから、今回は政権獲得に結集してもらいたいものです。
といってやはり与党政権は、このまま民主党の弱点をついてくるでしょう。これは、民主党が政権をとっても同様であり、それが戦いです。
ただ、政権与党には、人材がいない。やはり100年に一度の人材危機なのかもしれません。
今日の東京市場は、NYの雇用統計発表待ちか膠着状態が予想され、昨日の上昇分下落しそうな状況です。また、カカクコム、日本電波などの上方修正発表した企業の株も織り込み済み若しくは利益確定売りか下落しています。来週日本が夏休みでひるんでいる間にNY市場が大きく動くか。
ただ、日本電波などの水晶を扱う部品企業および積層セラミックコンデンサの技術などは、今後世界が経済回復していく過程では、必要であり、かつ日本企業のこの部分の技術は、他国を圧倒しています。
経済産業省がユビキタス社会実現と発表しましたが、それこそこのような分野の企業が活躍するようにしなければいけないですし、株式市場も盛りたてるべきかとも感じます。
オバマ政権内の主要外国記事をここ二日位調べようかと考えていますが、控えめな発言が増えていれば今回の調整は、下落余地ありとみるべきか、それとも選挙日まで一進一退が続くのかなとも感じます。
どの政党が政権を取るかわかりませんが、政権後オバマ大統領が、いくつかの注文を次の日本政府にしてくるかもしれません。それをうまく乗り切れば次の政権も安泰するかもしれませんが、多分今の自民党が政権をとったならば、どれだけ交渉できるのでしょうか。民主党であれば、裏か表か、取引することを知っている議員が処理すればうまくいくかもしれません。
幹部が青臭い社民系列の議員の意見を聞き入れないことです。