★阿修羅♪ > 国家破産64 > 188.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
(回答先: 減税は本当に金持ち優遇だけなのか? 投稿者 gikou89 日時 2009 年 8 月 07 日 13:48:11)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090805-00000607-san-pol
今度の衆議院議員選挙は戦後政治の中でも、政権交代があるのかどうか、政治の流れの転換が行われるかどうかをめぐる重要な選挙になった。左派社会党と右派社会党が統一したことに対抗して、昭和30年に保守合同があった。あのとき以来の政治の変革が来るのか、来ないのか。人心は変革を望んでいるように見える。民主党は活気づいているし、自民党は防戦に努めている。
だが、昔の統一社会党と比べると、今の野党は与党が緊張するほど強いものではない。小沢君(小沢一郎民主党代表代行)が首領(党代表)だったときは、自民党との差異を非常に強調する場面があった。鳩山君(鳩山由紀夫民主党代表)になってからは、小沢的なえげつなさ、鋭さは鈍ってきている。それで自民党の方もだれてきた。選挙前であるにもかかわらず、政界に緩(ゆる)みをもたらしている。
自民、民主両党とも、政党としてのオリジナリティーがそれほど明確でなくなっている。両方が影響しあって立党の精神、個性が薄れた。むしろ(有権者の)現実的利益ばかりを追求して動いてしまっている。
民主党の政権公約(マニフェスト)は自民党の政治に足りないところや、民主党の主張をある程度表現してはいる。だが、自民党の対抗政党としての個性はあまりない。言い換えれば、自民党の弱点を克服しようという面はまだまだ弱い。
もっと抉(えぐ)るような主張があっていいはずだ。昔の社会党にはそれがあった。
民主党も自民党と同じ保守党だ。だから、なかなか個性を強く出せない。政策は自民党と大同小異、多少の修正という感じだ。これが昔の社会党だったら、もっとえげつない攻撃の仕方や何かがあった。
構造改革は小泉君(小泉純一郎元首相)が言い出したが、社会政策や教育、財政の面でやるべきことは探せばたくさんある。だが自民党もそうだが、民主党もそれを剔抉(てつけつ)していない。
民主党が外交、安全保障の問題で多少修正を行ってきている。これは自民、民主両党(の主張)が接近してきて、政権交代の可能性が出てきた一つの兆候だ。
野党は通常、与党との差を大いに強調するものだ。だが、政権が取れそうになると、マニフェストは与党とさほど落差がなくなり、安心感を与えようとする。民主党はそういう段階に来ているんじゃないか。
民主党のマニフェストを見ると、自民党との競争はある程度意識しているものの、質的に大きな相違があるとは思えない。民主党に同じようなことを言って来られているから、逆に自民党は困っている。
翻(ひるがえ)って自民党だが、麻生内閣はちょっと迫力不足だ。政権を担う政党の党首はそばへ寄ったら吹き倒されるような迫力を持っているべきだが、そういう点が割合弱い。ど根性で(進路を)開拓してきた「一世」と、既存勢力に乗って出てきた「二世」という差があるんだろう。開拓者としての迫力が足りない気がする。
解散総選挙というものは、首相が野党に挑むものだ。言い換えれば戦争を仕掛けるようなものだ。だから、半年前の解散だったら迫力があった。ところが、あえて挑戦する場面をとり得なかった。これは与党として残念な点だろう。要するに、解散の大義名分があまりない。政治がマンネリ化している。
私は衆院議員として、吉田茂(元首相)と鳩山一郎(元首相)の対決を目の当たりにした。彼らの孫にあたる麻生太郎首相と鳩山代表は、祖父たちの対抗を再現するかと思ったが、そういう基本的性格もないようだ。「二世」になると、親の基本的精神やスタイルは消えてしまう。しかし、日本の進歩のためにはいいことかもしれない。
私が、衆院選で自民党が負ける場合のことに言及するのは穏当ではないが、仮に民主党が第一党になっても自民党との差が10議席や20議席なら、ある程度の期間を経て、(民主党と自民党は)連立を組まざるを得なくなる。民主党左派の連中もやむを得ないと観念するだろう。
自民党が大いに勝てば別だが、負け具合によっては党の刷新・改革の運動が起こる。上へ新しい人を立てて、体制を一新しないといけない。昔の顔で出ています、では駄目だろう。(榊原智)