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(回答先: 生活保護、120万世帯超に=過去最多を更新−厚労省 投稿者 gikou89 日時 2009 年 8 月 06 日 13:53:23)
http://diamond.jp/series/money_market/10091/
「日本のデフレは悪い結果をもたらしたが、私を含むわれわれが予想していたほど有害ではなかったと述べなければならない」
イングランド銀行の金融政策委員会(MPC)メンバーに任命された米国の経済学者アダム・S・ポーゼン氏は、7月7日の英議会財務委員会でそう証言した。
ポーゼン氏といえば、かつて日銀のデフレ対策は手ぬるいと激しく批判していた急先鋒の1人である。2001年出版の『日本の金融危機』では、「金融政策の面では、日本銀行が中央銀行の行動規範に反した政策を取ってきたという考え方は共通している」と述べていた。
上記の先日の証言でポーゼン氏は、次のように“懺悔”している。
「日本のデフレは約マイナス1%まで下がったが、決して加速しなかった」
「こういった事実は、いくつかの含意を示している。第一に、どんな緩和策でもデフレは素早く取り除けなかった。第二に、デフレは有害だが、われわれが想定していたほど破壊的ではなかった。第三に、われわれはシンプルにデフレをよくわかっていなかった」。
一時期、米国の経済学者が激しく日銀を批判していた背景には、1930年代の米国のような破壊的なデフレになったら大変だというトラウマが存在していたように思われる
しかし、現在のポーゼン氏のデフレの認識は、BISのエコノミストなどがかなり前から盛んに主張していたことではある。
ポーゼン氏は前述の証言で、イングランド銀行が現在行なっている量的緩和策は、方向性は正しいが、「非常に機械的なマネタリズム(マネタリーベースの増加が経済・物価を刺激するという考え)からは離れているべきだ」「日本の量的緩和策は正しいサインを送ったが、それだけで高いインフレは起こせなかった」と述べた。
各国が現在行なっている拡張的な財政政策に関しては、景気刺激策を使い果たすまでのあいだに銀行システムを修復しないと民間需要は持ち上がらないため、「英、米、ユーロ圏では、時計が時間を刻んでいる」と彼は警告していた。
これについては、日銀も同様の警戒を示している。米国を中心に楽観論が株価を押し上げているが、日銀の景気見通しは非常に慎重だ。7月22日に山口広秀副総裁は、金融機関が財務内容を改善しないと、「金融と実体経済の負の相乗作用」が起きうると懸念していた。
なお、ポーゼン氏は、金融政策の効果には限りがあるので、政策運営においては「いくらかの謙虚さが必要だ」と証言していた。発言の変わり様に驚いた日銀マンはおそらく多かっただろう。
(東短リサーチ取締役 加藤 出)