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(回答先: 投資家の米債券に対する弱気な見方強まる=JPモルガン週間調査 投稿者 gikou89 日時 2009 年 8 月 05 日 02:16:41)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003001&sid=aP3RhjI4d9zg&refer=commentary
7月28日(ブルームバーグ):米エール大学を卒業し、金融サービス会社ゴールドマン・サックスで働き始めた瞬間から、私は外部の人たちと付き合うことに居心地の悪さを感じてきている。
ゴールドマンに入社する前に比べて、部外者だと感じる度合いが低下したからではない。ただ、他の人たちから羨望(せんぼう)を受け、どう行動しても、何を言っても、自分はただの人間にすぎないと納得してもらえないと感じるのだ。
だから他の同僚の多くと同様、外部の人たちが「愛」とか、「愛の営み」などと呼ぶつかの間の激情的な行為の一部は別として、私は絶対にゴールドマンから離れないという戦略をとっている。
最近では、メディアによる膨大な無責任コメントがゴールドマンに広報戦略の見直しを促している。ゴールドマンの株価が上昇するたび、内部の人間は外部の人間と対話を開かなければならないことが一層明確になりつつある。内部の人間のためでなく、外部の人の利益のためにだ。
米国は現在、岐路にあり、ゴールドマンはその両方の道を保有している。どちらの道を選択するかに当たり、一般市民は料金所の係員に無益な怒りをぶつけて取り乱すべきではない。そのためにも、ゴールドマンは誤った陰湿な幾つかのうわさについて、疑いを晴らしたいと思う。
◎うわさ、その1:「ゴールドマンは米国政府を牛耳っている」
「ゴールドマン・サックス合衆国」という言葉を耳にするたびに、驚きのあまり頭を振ってしまう。米国が三権分立であることは、中学校を卒業した人なら誰でも知っているはずだ。ゴールドマンが明確に人材を送り込んでいるのは行政部門だけだ。司法にいたっては関心もない(注:最高裁判所に君臨したゴールドマンの元従業員は1人もいない)。
米国政府についてわれわれが抱いている少しの関心は、公共の利益だ。当社にとって現在の金融危機は、ただ外部の人間がゴールドマンに抱いている羨望に根差しているものだと容易に説明できる。
メリルリンチとシティグループ、リーマン・ブラザーズの一部従業員、そしてアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の元経営幹部ジョゼフ・カッサーノ氏は愚かにも、ゴールドマンと同じ様なリターンを得たいという衝動に駆られ、外部の人間なら絶対にとるべきでないリスクを引き受けたのだ。
ゴールドマンは、他社が同社をまねようとする行為を余りにも長い間容認し過ぎた。現在はガイトナー米財務長官や米議会との間で、金融システムを破壊しかねない類のリスクについては同社だけが取り扱いを認められることを目指し、建設的に作業を進めている。
◎うわさ、その2:「米国政府はAIG救済に向け同社の不良債権返済を支援したが、それはAIGではなく、ゴールドマン・サックスを救った」
この指摘は無礼であるだけでなく、無知でもある。責任感に欠けるジャーナリストたちは、ゴールドマンがAIGから受け取った129億ドル(約1兆2260億円)を、あたかもゴールドマンにとって重大事であるかのように指摘し続けている。しかし、ゴールドマンのデービッド・ビニアー最高財務責任者(CFO)が3月に説明したように、同社はヘッジをかけており、AIGからの利益は「ほぼゼロ」だった。
ゴールドマンの社員でない人はもちろん、そんな話は信じ難いと思うだろう。どうしたら129億ドルがほぼゼロになるのか、と。落ち着いてほしい。まず、数学を理解する必要がある。
AIGとの取引に伴い、128億8056万250ドル34セントの公的資金がゴールドマンに流れ込んだと仮定しよう。外部の人は1ドル以下を四捨五入し128億8056万250ドルと呼ぶべきだと指摘するかもしれない。しかしそれは、ゴールドマンの流儀ではない。ゴールドマンでは常に500億ドル内外で「四捨五入」するのであり、それ以下はゼロに丸められる。
この方法で考えれば、128億8056万250ドル34セントはゼロに丸められる理屈が分かるだろう。
◎うわさ、その3:「ゴールドマンが破たんすれば、政府がその損失を補てんすることになるため、ゴールドマンに対し巨額の金融投資の継続を容認すべきではない。ゴールドマンが利益を求めて行う投資に関して米国の納税者は大きなリスクを背負わされているなかで、同社が今年の従業員報酬として1−6月の段階で既に114億ドル(1人当たり38万6429ドル)を引き当てていることは不公正だ」
このうわさについては、どこから説明すべきか分からない。多くの点で間違った考えだ。まず、納税者がゴールドマン内部の人間以上に高いリスクを背負っているという点から検証しよう。納税者が数十億ドルを失う立場に置かれているという点は、取るに足らない。結局、「ゴールドマン流の四捨五入」ならゼロに丸められるからだ。
真のリスクは、ゴールドマンが取る方のリスクだ。つまり、ゴールドマンが存続しなくなり、ゴールドマンの従業員がいなくなることだ。そうした悲劇が起きないよう、ゴールドマンは巨額の報酬を支払う必要があるのは明らかだ。
◎うわさ、その4:「ゴールドマンの従業員は皆似通っている」
最近新聞に掲載された複数の写真は、驚くほど多くのゴールドマン従業員が白人男性で頭髪がないことを明らかにしている。外部の人たちはそれを見て、「見た目もそっくりだな」と考える。米国民の間で「反ゴールドマン」の偏狭な考えが浸透していることを浮き彫りにしている。
ゴールドマンの従業員には特別なDNAがある。従業員が互いに似通った外見を持ち、それが24世紀からやってきた生物のようだとすれば、それはただ卓越した思考能力ゆえに、従業員全員が全く同時に、心の中で同じ考えを導き出しているからだ。
頭髪を伸ばすことに関心がないという点で一致していることを例に挙げれば、それは性質が似ているというよりは、情熱といったものの健全な表現だ。頭髪のないゴールドマンの最高経営責任者(CEO)は従業員相手に「世界はビリヤード台である」とたとえるのが好きで、「その上に存在する人間は皆、ストライプ(ハイボール)か、ソリッド(ローボール)のいずれかだ。諸君だけが突き玉だ」と語るのだ。
◎うわさ、その5:ゴールドマンは「人間の顔にまとわりついた巨大吸血コウモリダコで、カネの臭いのする物すべてに容赦なく吸血触手を伸ばす」
こうした言葉はもちろん、「ローリング・ストーン」誌の最新号に取り上げられた記事が出所で、明らかに間違いだ。まず、コウモリダコは人間の生き血を吸わない。だから偶然でもない限り人間の顔にまとわりついたりしないはずだ。ゴールドマンでは決してそんなことは起こらない。ゴールドマンでは考えもしないし、感じもしないし、行動に移すこともない。(マイケル・ルイス)