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【経済コラム】ソロス氏は「売り」、世界銀行は「買い」−Wペセック
http://www.asyura2.com/09/hasan63/msg/372.html
投稿者 gikou89 日時 2009 年 6 月 28 日 23:16:24: xbuVR8gI6Txyk
 

(回答先: 怒りの個人株主“直談判” 総会ピーク、1321社が開催 投稿者 gikou89 日時 2009 年 6 月 28 日 23:14:29)

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003001&sid=avymoidwSImk&refer=commentary

6月26日(ブルームバーグ):米著名投資家ジョージ・ソロス氏と正反対の見方では、市場で多額の利益を得ることは難しい。

ヘッジファンドを運用してきたソロス氏は、市場でこれまで巨大な利益を稼いできた。このため多くの人々は、同氏が今月20日にポーランドのテレビ局で世界の金融危機の「最悪期は確実に去った」と発言したことに安堵(あんど)した。市場の有名人が世界の景気回復に賭け始めた兆しに思えたためだ。

でもわたしは、世界銀行の見方に賭ける。景気回復の兆しが世界各地に出始めているとして楽観主義者が主張する「グリーンシュート(新芽)」論とは逆の見方を世銀は取っているようだ。今月22日の発表では、リセッション(景気後退)が3月時点の見込みより深刻化するとし、今年の世界成長率予想をマイナス2.9%と、3月時点のマイナス1.7%から下方修正した。

この見通し以上に事態は悪化するかもしれない。なぜなら、現在でも成長が続く途上国から資本が逃避しており、貧困層や失業者が拡大する可能性があるためだ。今回の危機から派生する最もありがたくない影響は貧しい国々での生活水準が一段と落ちることだ。

ウォール街で始まった信用危機で、欧米や日本といった規模の大きい経済には厳しい影響が速いペースで到達したが、そう豊かではない国々が受ける影響は十分に注目されていない。途上国では、危機がスローモーションで進んでいるのだ。

資金の流れ

資金は間違った方向に流れており、これが投資家や企業が成長を期待する地域の経済を抑制してしまうリスクとなっている。世界経済が今年、回復し始めたとしても、貧しい国々は豊かな国々に後れを取る。急速な成長を必要とする途上国経済が向こう数年間は景気が弱いままとなる恐れがある。

世銀は、途上国経済が輸出や外国からの送金、直接投資による資本流入の減少を受けて「大幅に悪化する」見通しがあると警告している。今年の資本流入は3630億ドルと、2007年に記録したピークの1兆 2000億ドルを大幅に下回る水準に減少する公算だという。

途上国経済に見切りをつけた投資家が新たな低迷の種をまく結果となり、自力で成長する重要性を無視するアジアの各国政府は、向こう数年続く困難な状況への下地をつくっているようなものだ。

1997年のアジア危機は進行スピードも速く、猛烈で深刻だった。それでもこの地域が迅速に回復できたのは、米経済が拡大していたからだ。グリーンスパン米連邦準備制度理事会(FRB)議長(当時)は、米国を「繁栄のオアシス」と呼んだ。

もうオアシスは存在しない

そのようなオアシスはもはや存在しない。中国も経済規模や影響力の点でそこまで達していないし、インドやブラジルもまだだ。途上国は輸出に頼るのではなく、自国の力で成長せねばならない。韓国からベトナムまで、真剣な政策変更が求められている。

良いニュースはアジアの多くの国々で、政府に支出を増やせる余裕があり、中銀に利下げの余地があるということだ。一方で、国内に大きな消費市場がないため、政府支出や利下げ効果が薄れるという問題がある。輸出主導の回復以上にアジア経済を迅速に健全化してくれるものはないだろうが、それはすぐに起こりそうもない。

途上国は国債増発もうまくいかないだろう。危機が各国政府の財政に大打撃を与えており、欧米も日本も巨額の国債を発行しているからだ。主要7カ国(G7)であれば、国債増発はそう難しくはないはずだが、世界中が起債している状況では、インドネシアやフィリピンなどの政府は国債の買い手を見つけることが困難だ。

ソロス氏(78)は20日のインタビューで、今回の危機が生涯で最も深刻だとした上で、「1つの時代が終わる。問題は、ここから将来どうなるかだ」と指摘している。

答えは世銀に

その答えは世銀の報告書の中に見いだせるかもしれない。1つの新たな要因は財政が逼迫(ひっぱく)する先進国からの支援が減ること。もう1つは、景気刺激を通じて内需を回復させるための国際的な協調体制の必要性だ。

G7は最近、かなり役立たずの存在だ。だから、20カ国・地域(G 20)の会合が一段の注目を集めている。

株式市場が多少落ち着いても、信用危機は経済に影響を与え続けるだろう。各国がさらに被る影響に対応する際の困難な状況は、市場に跳ね返ってくる可能性が高い。

こうした悪循環の中では、前線に立つ投資家よりも、ワシントンに本拠を置く世銀の方が鋭い洞察力を示してくれるのではないか。(ウィリアム・ペセック
 

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