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(回答先: Re: 米銀のストレステスト(健全性審査)は安心とストレスの何れをもたらすか? その3 投稿者 新世紀人 日時 2009 年 4 月 30 日 15:56:24)
http://diamond.jp/series/yamazaki/10077/?page=4
ただ、その過程の中で日本の銀行が取った行動が、「貸し渋り」だった。彼らは、リスクウェートを下げるために、リスクにつながるような融資をできるだけ減らしていったのだった。
加えて、米銀の場合には、公的資金を受けたままでは、彼らにとっては命の次に大切であるボーナスを自由に貰えないという問題がある。そのため見栄を張って公的資金を返して、薄い資本でごまかしごまかし次のストレステストにひっかからないようにするという状況があり得る。ストレステストが制度化することによって、アメリカ版の貸し渋りが今年後半に起きて、今後何年間にも渡って景気を圧迫する可能性もあるのではないか。
現実は、このプラスとマイナスのシナリオの中間のどこかにあるだろうが、何がポイントで、いいシナリオに近づくのか、あるいは悪いシナリオに近づくのかというと、それは情報公開の度合い、損失の見積もり具合にかかっているといえそうだ。
この点について、筆者は、今回は、過度の期待は禁物だと思っている。ノーベル賞経済学者のポール・クルーグマン氏が最近言っているように、どうもかつて日本の当局がやっていたこととアメリカの当局が最近やっていることは悪い意味で似てきている。そう考えると、アメリカの当局がストレステストの結果を大胆かつ詳細に公開するような「正解」を一発で出してくることは望み薄だ。情報公開の不足感が残って、まだしばらくグズグズするのではないか。その中で、場合によってはアメリカ版の貸し渋りのような状況が起こり、再び抜本的な対策をマーケットから要求されるような状況が生まれる可能性がある。
しかし、仮に中途半端な情報公開になった場合でも、いずれそれに対する対応を政府は取らなければならないわけで、大局的に相場を見る際には、景気は遠からず底を打ち、回復に向かうといった見方を持っておくほうが良さそうだ。(加えて5月の材料としては、非伝統的な金融政策に踏み出すと言っているECBが、国債を買う単なる「量的緩和」だけでなく、社債などのリスク資産の購入による「信用の緩和」にまで踏み出すのかどうかも見極めたい)。
いずれにせよ、今年前半の一番重要な材料が、このストレステストの審査内容の発表だと思う。それは、我々に、安心をもたらすものだろうか、それとも、追加のストレスをもたらすのだろうか。
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