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(回答先: 政府は「景気後退保険」をつくれ(ロバート・シラーの「21世紀の新・金融秩序」) 投稿者 そのまんま西 日時 2009 年 1 月 23 日 01:22:14)
昨年12月の米住宅着工件数、過去最低を更新=前月比15.5%減(Klug)
2009/01/23 (金) 23:22
−雇用悪化や貸し渋りで回復見込めず−
【2009年1月23日(金)】 − 前日(22日)、米商務省が発表した昨年12月の住宅着工件数は前月比15.5%減と、昨年7月以来6カ月連続の減少となった。これは1991年のリセッション(景気失速)時より悪く、1959年の統計開始以降で過去最低の水準となった11月統計からさらに悪化している。
ここ数カ月の住宅着工件数を見ると、昨年6月は、前月比10.4%増(改定前は9.1%増)となり、新築住宅と中古住宅のいずれも底打ちの兆しが見られた。しかし、その後の金融危機の再燃で、7月は同12.9%減、8月も同8.1%減、9月は同3.5%減、10月は同6.4%減、そして、11月は同15.5%減と崖を転がり落ちる勢いだ。
もともと、昨年6月の急増はニューヨーク市が同7月からアパート建築基準を改定したことから、アパート建築の駆け込み需要が起きたためだった。この特殊要因を除いた実質の着工件数は、依然、減少していたので、7月以降、その反動減が現れると予想されていた。
それにしても、昨年後半の急減をすさまじく、昨年6月時点との比較では、下落幅は49%。3年前の住宅着工のピーク時に比べると、実に76%減という落ち込みようだ。
2008年全体の着工件数も過去最低水準に
12月の住宅着工件数(季節調整値)は、前月比15.5%減(前年比45%減)の年率換算55万戸で、市場予想のコンセンサスである同3.2%減の60万戸を大幅に下回った。これは、リセッションとなった1991年1月の79万8000戸をさらに下回るもので、11月に記録した過去最低を更新した。
12月までのデータが出揃ったことから、2008年全体の着工件数は前年比33%減の90万4000戸となった。これも1959年以降では過去最低の水準だ。従来の過去最低は1991年の101万4000戸だった。ちなみに2007年の着工件数は135万5000戸、2006年は180万戸でこの2年間で半減している。
ただ、ここ数カ月の着工件数の急減に対するエコノミストの見方は、悲観論と楽観論に分かれている。楽観論は、新築住宅の急減が売れ残り住宅(在庫)件数の減少に寄与、住宅価格の下落に歯止めがかかると見ているからだ。
また、住宅価格が消費者にとって買いやすい価格にまで低下していることから、住宅市場はすでに底打ちし始めたと見て、今後は住宅投資が拡大し景気を押し上げることが期待できるとしている。
しかし、悲観派は、現状では住宅市場の底打ちの兆しはほとんどないと指摘。また、先行きについても、たとえ住宅価格がかなり買いごろにまで低下していても、それ以上に銀行の貸し出し基準が依然厳しいことや雇用悪化が続いているため、当面は市場の回復は見込み薄だとしている。
米労働省が22日に発表した17日で終わった週の新規失業保険申請件数は、前週比6万2000件増の58万9000件と、1982年以来26年ぶりの高水準となっている。これは2月6日に発表される1月の雇用統計がさらに悪化することを示しているといえる。
昨年12月の雇用統計は、新規雇用者数(非農業部門で軍人除く、季節調整済み)が前月比52万4000人減となり、2008年全体で260万人が失業したことが明らかになった。失業率も16年ぶりの高水準の7.2%に達しており、今後も上昇する見通しだ。
住宅着工、主力の一戸建ては前月比13.5%減
内訳は、主力の一戸建てが前月比13.5%減の年率換算39万8000戸と、11月の同11.9%減をさらに上回る大幅下落で、依然、1982年のリセッション以来26年ぶりの低水準となり、全体の足を引っ張っている。
一戸建ては前年比でも49.2%減と依然、大幅な減少傾向を示している。特に中西部の一戸建て着工件数は前年比22.4%減と落ち込みが著しい。
また、アパートや分譲マンション、タウンハウスなど5世帯以上の集合住宅の着工件数も同5.8%減の17万戸と、昨年7月以来6カ月連続の減少、前年比も50.1%減と半減している。
住宅着工が不振なのは、新築住宅の販売低迷が原因だ。住宅市場の低迷で住宅価格の低下が続いており、消費者は一段の価格下落を期待して買い控えていることや、クレジット市場危機による銀行の貸し渋りで、フォークロージャー(住宅不動産の差し押さえ=競売)手続きが急増。その結果、住宅在庫が増加し、在庫減らしのため着工が抑制されている。
新築住宅販売は、昨年11月の統計(季節調整値)で見ると、市場予想の41万5000戸を下回り、1991年1月以来17年10カ月ぶりの低水準となっている。また、前年比も35.3%減と、依然、大幅悪化が続いている。
12月の建築許可件数、前月比10.7%減=一戸建ては同12.3%減
他方、この日同時に発表された建築業界のマインドを示す12月の建築許可件数(季節調整値)も前月比10.7%減の年率換算54万9000戸と、過去最低水準となった。市場予想の同2.6%減の4倍という大幅な下落となり、予想の60万戸を大幅に下回っている。
このうち、一戸建ての建築許可件数は前月比12.3%減の36万3000戸と、これも過去最低水準となった。また、2008年全体では、前年比36%減の89万2500戸となっている。
1月の建築業界の業況判断指数、過去最低に=期待指数はやや改善
また、この着工統計の前日(21日)に発表された、住宅業界の業況判断を示す1月のNAHB(全米住宅建設業者協会)/ウエルズ・ファーゴ住宅建設業者指数は、前月より1ポイント低下の8となった。
これは1985年1月の同調査開始以来の過去最低水準で、12社の建築業者のうち、住宅市場は堅調だと感じているのは1社しかいないことを示している。住宅販売は依然、厳しい状況が続いていることが分かる。
同指数は50を下回ると、大半が業況の悪化を感じていることを示す。同指数のピークは2005年6月の72だが、昨年4月以降、20を割っており、50割れは2006年5月以来2年8カ月連続。また、20割れは2008年4月以来9カ月連続だ。
ただ、サブ指数のうち、向こう半年先の販売見通しを示す期待指数は昨年12月の過去最低の16から17に上昇、また、一戸建て住宅の現況指数も12月の過去最低の6から8に持ち直している。さらに、住宅訪問者指数も12月の過去最低の7から8に上昇している。
NAHBのサンディ・ダン氏は、「住宅市場の状況は良くなっておらず、政府が相当な住宅市場回復策を打つまでは市場の回復は望めないだろう」と指摘。NAHBでは議会とオバマ政権に対し、住宅取得減税と住宅ローンの利子補填で新築住宅の需要を喚起するよう求めていく方針だ。
2008年のフォークロージャー件数、前年比81%増=過去最高の316万件に
また、米不動産調査会社リアルティトラックが15日に発表した昨年12月のフォークロージャー件数(デフォルト通知や競売通知、銀行差し押さえ件数の合計)は前月比17%増(前年比41%増)の30万3410件となった。
この結果、2008年全体のフォークロージャー件数は前年比81%増の約315万8000件に達し、2005年1月の同統計開始以来の過去最高となった。これは2006年に比べて225%増(約3.2倍)となるもので、米国の住宅所有者の54世帯につき1世帯の割合で住宅を失っている厳しい状況を示す。
ただ、フォークロージャー件数は12月が大幅増となったものの、昨年第4四半期(10-12月)では前期比4%減となった。これについて、リアルティトラックのCEO(最高経営責任者)のジェームズ・サカシオ氏は、「政府のフォークロージャー対策の効果が第4四半期(10-12月)中に現れたが、12月までにその効果は薄れた結果だ。明らかに、これまでに実施されたフォークロージャー対策は実質的に成功しているとはいえない」と分析している。(了)
http://www.gci-klug.jp/masutani/2009/01/23/004414.php