★阿修羅♪ > 原発・フッ素6 > 184.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
http://sensouhantai.blog25.fc2.com/blog-entry-753.html
なかなか報道されない浜岡原発の地震被害
震度6弱のまっただ中に、中部電力・浜岡原子力発電所はある。
ホンモノの東海地震が来てもビクともしないと言い張って、巨大地震の震源域の真上で稼働し続けている、恐怖の大魔王のような代物だ。
今回の静岡の地震は、東海地震の震源よりもずっと遠く、マグニチュードも小さかった。エネルギーにして100分の1。
産経にわかりやすい図があったので引用させてもらう
これでも、浜岡原発は震度6弱で揺れた。5号機は、震度7相当だった。
いろんな単位が出てくるから、専門でない人はわかりにくいかもしれない。
マグニチュードというのは、地震の起きる地下深くで、どのくらい岩盤がずれたかということ。発生源のエネルギーの大きさ。
震度は、実際に建物がある場所で、どのくらい大きく揺れたか。だから、同じ地震でも、震源が遠かったり深かったりすると、震度は小さくなる。また、すぐ近くでも地盤によって震度は大きくなったり小さくなったりする。
その震度を、もっと詳しく測定したのがガルという単位。加速度なのだが、おおざっぱに言えば、揺れの大きさを精密に測った数字と思えばいい。
で、浜岡原発では、どのくらいのガルで揺れたのか。
1、2号機が109ガル、3号機が147ガル、4号機が163ガル、5号機が426ガル。
5号機だけが異常に揺れている原因は、わからないようである。
それでは、震源域の真上に建つこの浜岡原発は、どのくらいの揺れに耐えられるように作られたのかというと、原子炉本体は600ガル、非常用冷却装置などは450ガルだ。
それも、450ガルは「将来起こりうる最強の地震」、600ガルは「およそ現実的でないと考えられる限界的な地震」として想定されている。
中部電力ホームページ 設計用最強地震(S1)と設計用限界地震(S
東海地震よりもず〜と小さな今回の地震で、ギリギリセーフだったのに、「将来起こりうる最強の地震」ってどうなんだろうか??
新聞では、設計通り自動停止して、何も問題なかったことだけがわずかに報道され、テレビなどでは浜岡の「は」の字も言わないが、実際は結構壊れている。
浜岡原発5号機で制御棒駆動装置が一部故障
毎日新聞 2009年8月11日
中電によると、地震後、5号機原子炉建屋内で約250本ある制御棒のうち約30本の駆動装置が故障していた。使用済み燃料を入れた貯水槽の放射能濃度が通常の50倍に上昇し、主タービン軸受け部の摩耗を示す警報装置が作動したことも判明。タービン建屋壁面のひび割れも見つかった。自動停止した4号機でも原子炉内の中性子測定装置の一部が動作不能だったほか、廃炉の1、2号機周辺で最大約20センチの地盤隆起や沈下が見つかった。
中部電力地震も、ホームページを掘り返していくと、被害を発表している
地震発生による浜岡原子力発電所の主なプラント状況
今回の地震でこれだけ壊れていて、しかも426ガルで揺れているのに、「無事に停止してよかったよかった」で済ましていいのか?
およそ現実的でない600ガルについては、実は中部電力も不安だったらしく、こそこそと1000ガルに対応できるように改修を進めてきた。一昨年に工事は終わっている。
ところが、その工事は、見たところ付属物の補強に過ぎない。
耐震裕度向上工事の状況
(ページの下半分)
だからかどうか、新聞でも1000ガルに耐える、とは書いていない。わざと800ガルと書いたり、縦揺れの場合の701ガルと書いたりしている。
1000ガルに耐える建物が、426ガルであっちこっち痛んでいるようでは、格好が付かないからだ。
しかし、はしなくもこのことは、浜岡原発の危険性を自白してしまったことにもなる。
1000ガルが、およそ現実的でない600ガルの3割り増しだ、と自慢しているが、阪神淡路のときで818ガル、柏崎刈羽原発では、なんと2058ガルを記録している。
これらは、断層型の地震であって、今回の静岡の地震とほぼ同じ仕組みの地震だ。東海地震はプレート型であって、まったく規模が違う。しかも、普通はプレート型は海の沖で発生するので、陸地からはやや距離が遠いのだけれども、浜岡原発のある御前崎は、なんとなんと発生源であるプレート境界の真上に乗ってしまっている。
(最初に引用した産経の図を参照)
この状況で、1000ガルで絶対に大丈夫なんて、どうして言えるのだろうか。
内閣府の中央防災会議にいたっては、395ガルでOKと言っているだ。
今回の地震ですでにアウトだ。
中央防災会議の会長である麻生太郎は、土下座して謝らなくてはなるまい。
こうした、原発に関わる地震の話は、もう真っ暗闇の伏魔殿だ。
元北大教授にして元国立極地研究所所長の島村英紀さんは、原発を建てるための大前提である「地震予知」を、真っ向から、しかも的確に否定したためにえん罪をかぶせられ、社会的に抹殺された。
島村英紀のホームページ
その島村先生の対極にいるのが、東京工業大学にいる、衣笠善博センセである。
ありとあらゆる原発の審査会に名を連ね、というより取り仕切り、反論をねじ伏せ、活断層の疑いがあるから調査しましょうという提案にも、「(一度決めたことだから)到底受け入れられない」と一切耳を貸さず、各電力会社からの感謝状が山と積み上がっているという。
いざ地震が来たときに、感謝状の山の下敷きになってケガされないように、充分に気をつけていただきたい。
ストップ浜岡原発@ブログ
日本中の原発が、こういうセンセによって「安全」だと「証明」されて建てられている現実に、戦慄する。
そして、もっとも危険な浜岡原発では、とっても危険なプルサーマルが来年から始まる。
使用済み核燃料から、原爆(ゲンバク)の原料であるプルトニウムを取り出して燃料にするのである。
どこで取り出すのかというと、六ヶ所村の再処理工場だ。
核燃料の再処理とプルサーマルの危険性については、また別の機会にしたいが、日本の、あるいは日米の「核政策」と切り離せないことは間違いない。
簡単に言えば、日本の核武装の技術的な準備ということだ。
こんな政治的、軍事的な思惑の中で原発の安全性が、政産学の癒着で恣意的に左右され、そうこうしているうちに、能登半島地震の志賀原発、中越沖の柏崎刈羽、今回の浜岡と2年間に3回も原発直撃の地震が起きた。志賀と柏崎刈羽では「想定」をはるかに上回る揺れになっている。
この地震の前触れかのように日本をおそった台風9号。
豪雨で娘と孫を亡くしたおじいさんが、「自然災害なんて他人事と思っていたのに、こんな近くでおきるなんて・・・」と涙していた。
確実におきると言われている巨大地震の震源の真上に原発がある。
どう考えても他人事じゃない。