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ドラード博士の1980年製カローラはデロリアンだった!?:「フリーエネルギーヒューズボックス」搭載!(井口ブログ)
http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/886.html
投稿者 ∞X∞ 日時 2013 年 6 月 20 日 20:55:07: LYaHKqEqiM3gU
 

http://quasimoto.exblog.jp/20678958/

みなさん、こんにちは。

いやはや、エリック・ドラード博士には恐れ入る。さすがに「テスラの実験を全部再現した男」である。

ちょっと前に、私は

「キャパシタ電気自動車」:もっともニコラ・テスラの技術に近いもの!?


に以下のようなことをメモしていた。

さて、今回は、私が思うに、もっともニコラ・テスラの「フリーエネルギー発電」に近い、既存の科学技術のことをメモしておこう。その名も「キャパシタ電気自動車」。今日偶然にインターネット内で見つけたものだが、結構前の記事である。ちなみに、「キャパシタ」とは、日本では「コンデンサー」ともいうが、同じものである。

実は、世紀の天才ニコラ・テスラが、本当にやりたかったこと、やろうとしていたこととは、これである。この宇宙から直接にキャパシタに充電することである。

上のキャパシタ自動車の場合は、それを外部からインバータで充電する。

パソコンにおいて、ハードディスクメモリよりフラッシュメモリが、大容量かつ高速で動くことはよく知られている。その理由は、このキャパシタメモリだからである。まあ、半導体技術を学んだことがない人にはまったくわからないだろうがナ。

「キャパシタ充電」というのは、まさに”巨大な”フラッシュメモリのようなものである。コンデンサー=キャパシタをLCR回路を用いてあっという間に充電する。つまり、電荷を帯びさせる。すなわち、チャージするのである。一旦チャージしたら、それをちょぼちょぼとモーターに回してモーターを回転させる。すると、まるで電解液を使った従来の電池(といっても、ファラデーよりずっと前のボルタが発明した電解質電池)よりずっと高速に充電でき、ずっと効率よくモーターを回転できるということになる。

もし「キャパシタ自動車」のキャパシタを我々が宇宙から、太陽から、地球から直接チャージできるとしたらどうだろうか?

まるでバックツーザフューチャーのデロリアン


デロリアン売ります

のように「フラックスジェネレーター」をにょきっと立たせたキャパシタエンジン搭載の自動車を作ることになるだろう。

実は、日本でこれにもっとも近いことを行なっているのが、井出治氏やその関連技術を研究している人たちなのである。

「永久機関に挑む人たち」:末席ながら、この俺もナー!
ENN・「いま知って欲しいこと」 井出治
フリーエネルギーに挑戦する現代の平賀源内たち:エマモーターの衝撃


アメリカでは、ユタ州ソルトレークにヘンリー・モーレイという発明家がいて、すでにキャパシタ発電機(充電器)を発明し実用化していた。以下のものである。

空間からエネルギーを取り出すモレイ・コンバータ

この充電器をキャパシタ自動車に搭載させれば、もはや石油要らずとなる。

かつてバックミンスター・フラーはこういった。

魚は海に使用料を払わない。


同様に、我々は

人類は地球に使用料を払わない。人類は宇宙に使用料を払わない。

ということができる。もちろん、魚が海から酸素を吸えるように、我々がこの宇宙からエネルギーを吸えるようになれば、の話だが。


ところが、ドラード博士はすでに「自家製フラックスキャパシタを発明し自分の自動車に搭載していた」のである。すなわち「フリーエネルギー自動車」である。空中からエネルギーを取る自動車である。以下のものである。


Eric’s Car & Flux Capacitor (VIDEO)


ところで、ドラード博士絶賛の自動車は、「1980年製トヨタカローラ」だという。これが世界最高の車だとドラード博士はいっている。

このドラード博士は1980年代RCAの極秘研究所で入り浸って研究していたせいか、映画のバックトゥザフューチャーを知らなかった。だから、もちろん「フラックスキャパシタ」という単語をご存じなかった。

ドラード博士は、それを「フリーエネルギーヒューズボックス」と呼んでいた。つまり、「自由エネルギーを得るためのヒューズ箱」という意味である。どうやらすべてはこのヒューズにあるようである。

このヒューズ

は第二次世界大戦中に米軍が開発したもので、RCAでそれを使っていた時の最後の残りだという。しかし、その時の研究室は破壊されたためにこれ一個しかないという。

このヒューズは別名「振動子」だという。12ボルトと24ボルトの2つの電源の間でヒューズが振動して切れたり点いたりする間に2つのバッテリーがお互いにリチャージしあい、結局ずっと使えるのだというのである。

これは

「テスラスイッチ」
(科学、特に電気回路をよく知らないアマチュアはよくこれを偽物だといって間違う。)


の一種だとも言っている。

テスラスイッチ


どうやらドラード博士は、ジョン・べディーニ(John Bedini)が紹介したテスラスイッチの真ん中の「トランジスタースイッチ」という部分を米軍のヒューズに置き換えたようである。

すると、摩訶不思議。どこからともなく電気が湧いてくる。というより、バッテリー同士がお互いにお互いを充電しあって減ることがない。そういうタイプの発電機ができるらしい。

ドラード博士はそれをすでに自分のカローラに搭載していたのである。

いや〜〜、素晴らしい!

世の始まりですナ。


∞X∞

キャパシター(=コンデンサー)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%B3%E3%82%B5

「コンデンサ(蓄電器、羅: condensare、英: capacitor)は、静電容量(キャパシタンス http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%99%E9%9B%BB%E5%AE%B9%E9%87%8F )により電荷(電気エネルギー)を蓄えたり、放出したりする受動素子である。

静電容量の単位はF(ファラド)が使われる。通常使われるコンデンサは数pF - 数万μF程度であるが、電気二重層コンデンサなどでは数千Fオーバーの大容量な物もある。両端の端子に印加できる電圧(耐圧)は、2.5V - 10kV程度までさまざまである。

なお、現代において、英語圏では、コンデンサと言った場合、復水器などの熱交換により高温で気体になった物質を液体に戻す装置を指すことがもっぱらで、蓄電器を指してはキャパシタの語が主として用いられている(コンデンサマイクなどコンデンサで定着してしまっているものもある)。」

歴史
「1745年10月にポメラニア出身のエドワード・ジョージ・クライストは、手で持ったガラス瓶の中に満たされた水へ高圧静電発電機を導線でつなぐと電荷が蓄えられる事を発見した。クライストの手と瓶の中の水が導電体として働き、かつガラス瓶が誘電体として働いたのである(当時は詳細な原理は間違って理解されていた)。クライストは、発電機を外したあとに、(ガラス瓶の中の水に浸した)導線に触ると激痛を伴う火花が起きることを見出した。」

「後年、オランダの物理学者ピーテル・ファン・ミュッセンブルークは同様なコンデンサを発明し、彼が勤務していたライデン大学に因んでライデン瓶と名付けた。」

「グダニスクのDaniel Gralathは電荷容量を増やすため、初めていくつかの瓶を並列に結合し"battery(意:砲兵中隊)"を作った。」

「ベンジャミン・フランクリンはライデン瓶は想定されていた手と水ではなく、ガラスが電荷を蓄える効果を増している事を追試し証明した。」

「後にライデン瓶は金属箔で瓶の外側と内側を覆い、2つの箔が放電しないよう瓶の口から2つの箔の縁までの距離をあけて作られるようになった。」

「最も初期のコンデンサの単位は「jar(瓶)」であり、1jarはおおよそ1nF程度である。 このようなライデン瓶や導電箔を板ガラスに対向せたより強力なコンデンサは、無線電気通信の発明により規格化された容量が要求され、また高周波への移行によりインダクタンスの低いコンデンサが必要になるまで、1900年頃まで専ら使われ続けた。」

アナログ電子回路での用途
「直流の電流を通さないことからカップリングコンデンサに利用されたり、デカップリング用のコンデンサに利用される。その他、平滑回路や、共振回路、フィルタなどにも利用される。実際の電子回路では、同じく受動素子の一つである抵抗器やコイルとともに用いられることが多く、前者はR、後者はLと表現されることが多い。要求される周波数帯域、容量や精度、温度に対する容量変化、耐圧など回路の目的、用途、環境、コスト、大きさに合わせて各種の形状、材質の物が幅広く用いられる。低コスト化、小型化の要求の強い民生用小型機器では、チップ積層セラミックコンデンサが幅広く使われている。」

電源そのものとしての用途
「近年、後述の電気二重層コンデンサをはじめとした1F以上の大容量のものが開発され、蓄電装置として利用されることが多くなりつつある。たとえばノートパソコンの電源としての利用、ハイブリッドカーや電気自動車の始動用電源など。最近では電気自動車の走行用電源そのものとしても使用可能となってきている。」

電気二重層コンデンサ
「電気二重層キャパシタ、ウルトラキャパシタ(主に米国で用いられる用語)、スーパーキャパシタ(日本電気の商標)、ゴールドキャパシタ(パナソニックの商標)、電気化学キャパシタ、あるいは単にキャパシタと称される。電解液-電極界面において電解液中のイオン及び電極中の電荷担体(電子またはホール)が互いに引き合う格好で整列する現象(電気二重層)を用いて蓄電するコンデンサ。イオンと電荷担体が互いに隔てられた部分(ナノオーダーの距離)が誘電体に相当する。また、電気二重層コンデンサの静電容量は理想的には電極の表面積に比例すると共に電極間の距離に反比例する。そのため、非常に大きい静電容量を実現することが可能である。」

静電容量(キャパシタンス)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%99%E9%9B%BB%E5%AE%B9%E9%87%8F

「静電容量(せいでんようりょう、electrostatic capacity または capacitance)は、コンデンサなどの絶縁された導体において、どのくらい電荷が蓄えられるかを表す量である。 電気容量(でんきようりょう)、またはキャパシタンスとも呼ばれる。」

定義
「静電容量は単位電圧あたりの蓄えられた電荷として与えられる。量記号は C 、単位はファラド [F] を用いる。ある物体に 1 ボルトの電圧を与えたとき、1 クーロンの電荷を蓄えたならば、その物体の静電容量は 1 ファラドである。

1Fという静電容量は非常に大きなものである。 通常、我々の周囲で用いられる電子部品としてのコンデンサでは、1Fの100万分の1 (10-6) のマイクロファラド [μF] や、1兆分の1 (10-12) のピコファラド [pF] が多く用いられる。」

静電発電機
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%99%E9%9B%BB%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%A9%9F

電気伝導体
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8E%E9%9B%BB%E4%BD%93
***ドラード博士によると、これは真逆。伝導率が最も優れているのは”絶縁体”。***
「腐食し難いことから、金は高品質な接触型端子などで使われている。」

「超伝導体以外の材料には電気抵抗があり、電流を流すと熱を発生する。従って電気伝導体として物質を使用する場合は、損傷を受けずに長持ちする温度や電流の量を考慮しなければならない。電荷が移動すると電気伝導体の周囲で電磁場が発生し、電気伝導体に放射状の力学的な力を及ぼす。この力に耐え、抵抗損失によって発生した熱を除去する限り、材質や体積(長さ×断面積)によらず電気伝導体に流せる電流の量に限界はない。」

誘電体(ダイエレクトリック)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%98%E9%9B%BB%E4%BD%93

「導電性よりも誘電性が優位な物質である。広いバンドギャップを有し、直流電圧に対しては電気を通さない絶縁体としてふるまう。」

=最も伝導率が高い(ドラード/テスラによると)。

インダクタンス
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%80%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%B9

「インダクタンス(inductance)は、コイルなどにおいて電流の変化が誘導起電力となって現れる性質である。誘導係数、誘導子とも言う。インダクタンスを目的とするコイルをインダクタといい、それに使用する導線を巻線という。」

「インダクタに流れる電流 I が時間変化すると電磁誘導により磁場が発生し、さらにその磁場がインダクタに起電力 V を誘導する。I の変化が起こったインダクタと起電力 V が生じたインダクタが同一であるケースにおけるこの現象の事を自己誘導と呼び、 そうでないケースにおけるこの現象の事を相互誘導と呼ぶ。」

「またこの際 I の変化率と V とは適切な条件下近似的に比例する事が知られており、この際の比例係数をインダクタンスという。ここで「適切な条件」とは以下を指す。」

電場(電界)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E5%A0%B4

「時間によって変化しない電場を静電場(せいでんば)または静電界(せいでんかい)とよぶ。」

=ダイエレクトリック・フィールドか???

誘電率
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%98%E9%9B%BB%E7%8E%87

「真空は誘電体ではない。」

だがエーテルは誘電体である?

放電容量
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BE%E9%9B%BB%E5%AE%B9%E9%87%8F

「放電容量(ほうでんようりょう)は、電池の容量である。

電池は、その使い始めには起電力として公称電圧よりやや高めの電圧(初期電圧)を出力し、放電を行うにつれて電圧は徐々に降下し公称電圧より低めになる。やがてある電圧を境にその低下の度合いが急激なものとなり、電池を電源として動作していた機器は停止に至る。このときの電圧を終止電圧(しゅうしでんあつ)といい、これに達した時点で電池は使い切られたものとみなされる。」

=エーテルの放電容量は無限である?(ドラードのよると、反空間は、尺度の単位が小さくなればなるほど、その容量は増すという特質を備えている。i.e.アインシュタイン以後の現代物理学では理解不能。)

電荷
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E8%8D%B7

電子(エレクトロン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E5%AD%90  

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コメント
 
01. 2013年6月24日 23:25:24 : 7oSKGju5kA
カタカナってこういう文体には便利だな(笑

02. 2013年7月10日 13:52:55 : niiL5nr8dQ
JBpress>イノベーション>技術立国・日本論 [技術立国・日本論]
CVTへの強烈なアンチテーゼ?
独ZFの新型トランスミッション「9HP」の洗練ぶり
2013年07月10日(Wed) 両角 岳彦
 トランスミッションから駆動系全般、ダンパーやステアリングなどサスペンション関係など走行機能要素を幅広く手がけるサプライヤー(部品メーカー)の独ZFが、その最新技術を紹介し、試乗体験も行う報道関係者向けワークショップを開催。そこに出席してきたので、今回はそこで見聞きし、体験した内容を取り上げることにした。


世界各国から集まった自動車分野のジャーナリストたちがまずはZFの技術ビジョンと最新技術のプレゼンテーションを受ける。この日は日本を含めてアジア・パシフィック地域から集まったメンバーが主体だった。(写真提供:ZF)
 このコラムに書いてきたように、今年はドイツ訪問が続いている。世界の自動車産業のパラダイムが変化している中で、これからの時代をいかに生き抜いてゆくかについて、日本よりも格段に明確なコンセプトを形作り、しかもそれを企業単独としてではなく一国の産業界全体でかなりのところまで意識を共有しつつ現実のものにしようと動いているのが今のドイツなのであって、そこにはきっと日本の明日にとっても参考になることが多々あるはず。そう思って機会があるたびに現地を訪れているのである。

 今回、ZFが世界のジャーナリスト向けに用意した「最新技術群」は、今秋9月に開催されるフランクフルト・モーターショー(正式呼称はIAA:国際自動車展示会)に同社が出展する内容、それも含めて直近の生産車(今回は乗用車のみ)に採用されている、あるいは間もなく導入される走行機能要素がほとんどだった。

 その中からいくつか「これは」と私自身が注目したものをピックアップして紹介してゆこう。


ジャーナリストに向けて総合的なビジョンと、背景に映る9HPをはじめとする技術群の概要を語るZFの経営会議メンバー7人の1人、ミヒャエル・ハンケル工学博士。パワートレインとシャシー全体の責任者でもある。(写真提供:ZF)
オートマチックトランスミッションの技術課題とは

 まず、「エンジンを横置きするレイアウトに対応した9速オートマチックトランスミッション」。ZFでは「9HP」(9速・流体利用発進デバイス、すなわちトルクコンバーターを組み込んだオートマチックトランスミッション)と呼称しているものだ。

 これが2013年末にマイナーチェンジを行うレンジローバー・イヴォークと、2014モデルのジープ・チェロキーに搭載され市場展開が始まることになっており、現行イヴォークで開発を進めている車両そのものが我々の試乗用に用意されていた。

 最近はオートマチックトランスミッション(AT)の多段化が1つのトレンドだ。これまでに市販化された7速、8速のATは、エンジンをフロントに縦に置き、後輪を駆動する形態に対応したもので、エンジン後面から左右前席の間に延びるセンタートンネルまでの長い空間に収まる。したがってトランスミッションとしては軸方向の空間が少し長くなっても構わない。

 これに対して、今、製造販売されている乗用車の4分の3を占める、エンジンとトランスミッションを一体(ほぼ同軸配置)にして、そのパワーパッケージ全体を車両前部に横向きに置くレイアウトの場合は、トランスミッションにとっては軸方向、車体搭載時には車幅方向の空間が限られている。

 車体の左右を前後に延びる骨格材(前面衝突の衝撃を受け止める役割も大きい)の間に、パワーパッケージを収めるのが今日の定型なので、その寸法的制約はかなり厳しい。そのために横置き前輪駆動レイアウトに搭載できるATとしては、できるだけ少ない歯車組(ATの場合は「プラネタリーギア(遊星歯車)」が主流)で実現できる4速、多くても6速が現状では定番である。

 この「軸方向長さが制約されている中でのさらなる多段化」という技術課題に対して、そしてトランスミッションとしては「エンジンが燃費良く走る運転領域を緻密に使う」ことと「駆動機構そのものの内部損失を小さくする」ことの両方を高い次元で実現する。すなわちクルマを走らせ、使う中で消費するエネルギーの利用効率をどこまで高めることができるか。これが今日の自動車走行機能要素にとって最も重要な命題なのは言うまでもないだろう。

爪ではなく細かい溝同士が噛み合うドグクラッチ

 これらのテーマに対するZFの技術解は、まず機構学の観点からして非常に興味深いものだ。遊星歯車4組で9ステップの変速段を実現。そのうち2組は小径の遊星歯車の最外側を回るリングギアの外周面に歯を切り、その外側にもう1組、大径の遊星歯車が噛み合うという内外2連の構成にした。これによって4組の遊星歯車が3組分の幅の中に収まっている。


まもなく市販車に搭載されて市場に現れるエンジン一体横置きするレイアウトに対応した9速オートマチックトランスミッション「9HP」。内部構造を示すための断面透視図である。図の左手前がエンジンとの結合面で、円環状の空間を持つ大きな部品がトルクコンバーター。そこから右奥に向けて4組の遊星歯車とそこに回転を伝えたり、固定したり、開放したりする変速機構(多板クラッチなど)がびっしりと組み込まれている。手前側の断面に小径の歯車が3つ見えているが、これらは内外に組み合わされるギアセットの中間位置にあって自転と公転の両方を行う「プラネタリーギア」。図の左手前側に張り出している部分が最終減速ギアとデファレンシャルギアを一体化した駆動軸出力部分。(図版提供:ZF)
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9HPの変速を作り出すプラネタリーギア(遊星歯車)4組を取り出した展示。おそらく今回のワークショップが世界初公開。この写真では右手がエンジン側となる。遊星歯車組を分離しているので、右側に2組、同じサイズのプラネタリーギアが見えている。それぞれ左側に見えるリングギアの中に組み込まれる。この連星系のような歯車組が相互に回転したり、一体に回転したりすることで異なる変速比が得られる。中央あたりに見える比較的大きな歯車は、内側に小さな遊星歯車組が組み込まれていて、外周に切られた歯車が左端の大きなプラネタリーギアの内側に組み込まれるサンギアとなり、内外二重の遊星歯車組を形成する。その手前に置かれている小さめの円筒形部品は、チェーンで駆動されるオイルポンプ。これも内部損失を減らす設計手法の1つ。(写真:筆者)
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 この歯車組(歯車要素としては11組ある)の中をどういう経路で回転を伝えるか、つまりどの歯車をどう回転させるか、あるいは固定するかで、変速機の入り口(エンジン側)から出口(駆動輪側)までの回転比が決まる。つまり何段かの変速ができる。

 この伝達経路を選ぶ機構にも新しい発想が組み込まれている。変速を行うメカニズムは、円盤状の摩擦材を複数並べて押し付け、離す多板クラッチ(伝達の断続)やブレーキ(外郭に固定して回転を止める)を使うのが通例であって、もちろん9HPにも4組の多板クラッチが組み込まれている。

 9HPではそれ以外に、主な伝達経路を切り換える部分に「ドグクラッチ」を使っている。これは片面に爪を設けた円盤同士を噛み合わせて回転を伝える機構で、しばしばモーターサイクルや、4輪車でも競技用車両の変速機などに使われている。乗用車用の変速機ではマニュアルトランスミッションで昔は使われていたが、手動で変速する操作が難しいために姿を消した。それをATの主要部分に組み込んだ例は少なくとも近年はない。回転伝達経路を滑らかに切り換えるのが難しいからだ。

 その反面、ドグクラッチは伝達を切り離している状態では擦れ合う部分が最小になり、変速機構の中に生ずる摩擦損失を低減できる。もちろん、トランスミッションとしての伝達効率向上をテーマに掲げた開発の中で具現化されたアイデアである。

 今回、そのドグクラッチ部分まで分解したカットモデルが展示されていたのだが、そこに現れていたのは「爪」で噛み合うドグクラッチのイメージとは違い、細かい溝同士が噛み合うスプラインのような構造だった。この方がガタは格段に小さいが、瞬時に噛み合わせるのはより精密な制御が必要になる。


遊星歯車組が並ぶ主軸上に設けられたドグクラッチの噛み合い部分。軸の周上に切られた細い溝が、その上に入り込むリング状部品の内面に切られた同じ形状の溝・山と噛み合うことで回転を伝える。一般的な湿式多板クラッチはつながりはスムーズなのだが、開放状態でも摩擦面同士の間で「引きずり」が残る。これに対してこの純機械的結合機構だと、切り離した状態での引きずりを最小限に抑えられる。外側のリングが最初に接触する面(写真では左側)が斜めになっていて、接触して回転を同調させる効果を生む。(写真:筆者)
「9.81」という大きなレシオ・スプレッド

 その一方で、「変速段数は多ければ多いほど良い」とは言えない。ただ単にこれまで5か6のステップで割っていた幅をさらに細かく区切っただけでは、走行状況に応じてエンジンを上手に使い、どんな状況でも必要とされる駆動力を生み出す資質と、燃費の向上を両立することにはつながらない。

 ここで9HPはどうなっているかを読み解くと・・・。少し専門的な話になるが、このコラムの流儀として大筋の解説をしておこう。できるだけ読みやすくなるように心がけつつ書いてみるつもり。

 まず最も低い(大きく減速し、駆動力が強い)変速段と最も高い(減速が小さく、あるいは増速し、駆動力は小さいがエンジン回転も低くなる)変速段の幅(比率)、専門的には「レシオ・スプレッド」などと言うのだが、9HPはこの幅が9.81である。

 他はどの程度かというと、副変速機を組み合わせて変速幅を広げたJATCO製小型車用CVT(軽自動車やコンパクトカーに採用されている)が7.3、トヨタの後輪駆動車向け縦置き8速AT(アイシンAW製)が6.71、同じくアイシンAW製で2012年からアメリカ市場のみにレクサスRX350との組み合わせで導入された横置きFF形態対応の8速ATが7.58、というところだ(トヨタ-アイシン系の8速変速機はどちらも「ラペルティエ列」という複雑な遊星歯車組を用いている)。

 ちなみに現在、乗用車用自動変速機として最も大きなレシオ・スプレッドを持っているのはZFの7速デュアルクラッチトランスミッション(DCT)のポルシェ・パナメーラ用で、10.1となっている。ただしこの「7DT」と、そして9HPの場合、1速はトレーラーを牽引して急な登り勾配から発進する時などに使う、という設定で、通常は2速で発進するように設定してある。

9HPはCVTに対するアンチテーゼなのか

 レシオ・スプレッド以上に走りと燃費を両立させるために重要なのは、より正確に言えば「発進から中高速の加速までクルマを押してゆく駆動力をこれまでと同等かそれ以上に自在に作れて、かつ燃費を向上させる」ために重要なのは、ふつうにクルマを走らせる中で常用する変速段の数と、そのステップ(変速比の変化)をどう組み立てるか、である。

 つまり、日常的な速度領域(時速40〜130キロメートルぐらい)を維持しつつ走る状況など、力があまり要らない時にはエンジンの回転をできるだけ低くすることで燃料消費を減らし、登り勾配にかかるとか軽く加速したいなどちょっと力が欲しい状況ではそれに必要なだけエンジン回転を上げてスッと押すことができるかどうか。

 ここで9HPを「CVT」(連続可変変速機。金属ベルトなどとプーリーを組み合わせる機構が日本を席巻している)と比較してみよう。

 CVTの場合は、歯車機構で段階的に変速するトランスミッションよりも細かく変速比を変えられるのが長所とされてきた。だが、実車を走らせてみれば分かるように、ずっと連続的に変速を続けながら駆動力を変え、車速も変わる、というやり方だと、まず人間にとって「力が変化した」という実感が得られず(エンジンの音ばかり変動する)、運転がしにくく、一般的には速度のコントロールが雑になる。これを「ラバーバンドフィール(ゴムひもを引っ張っている感覚)」などと言う。

 細かく駆動力を変えたい状況では、変速している間は駆動力の変化が現れにくく、変速を止めてエンジンがある回転速度に落ち着いたところからクルマを押す力が現れるので、CVTといえどもある駆動力を作り出すのにちょうどいいエンジン回転までステップ状に変速する、というやり方をしている。

 一方、9HPのギアレシオの数値を見渡すと、2〜5速の間は、これまでのATと(MTとも)同様のステップで、つまりシフトアップした時にエンジン回転が40〜50%ほど下がるギア比に設定されている(この変化の幅のことを「ステップ比」という。9HPのステップ比は2-3速の間が1.49、3-4速と4-5速の間が1.38)。

 ところが5〜9速は、エンジン回転の変化が1段あたり20%ほど、つまりステップ比1.2を狙った設定になっている。ちなみに先ほども紹介したトヨタ-アイシンの横置きレイアウトに対応した新しい8速ATも4〜8速の間を全てステップ比およそ1.2にそろえた変速比にしてある。1〜4速の間のステップ比は9HPより少し大きい。別の技術表現をするなら「開いている」。

 こうした変速比の設定によって、走るとどうなるか。例えば既存の6速ATと同じような発進加速(全開、軽負荷とも)をするように作ったとして、時速100キロメートルでのエンジン回転は6速AT(ZFの従来品)で毎分2400回転になるあたりが一般的だとすれば、9HPでは1800回転まで下がる。つまり巡航燃費は良くなる。これはレシオ・スプレッドの効果。

 しかし、そのまま軽い登り坂にかかって速度を維持したい時など、力を増そうとしてもエンジンの回転が低すぎて反応が鈍いし、燃料消費もかえって増える。そこで8速に落とせば毎分380回転ほど上がる。7速まで一気に変速(飛ばしシフト)すれば、毎分830回転ほど上がって2630回転と、エンジンとしては十分に強い力が出るゾーンに入る。

 こうしてエンジンを使うポイントを小刻みに変えられるのが、ステップ比が細かく刻んであることの効果である。実はCVTでも、同じような状況では300〜600回転、あるいはそれ以上、まず変速してから駆動力増加が始まる。つまり9HPのステップ比設定であれば、CVTとほとんど同じようにエンジンを使うことが可能なのだ。

 その一方で、CVTは機構内部の摩擦など損失がかなり大きく、先ほども触れた「日常的な走行速度域」を巡航している時の内部損失は30%前後ほどもあると見られる。つまり常用域の「伝達効率」は70%ほど。作り、使っている企業はなかなかその実体を公表しないが、私自身が同じ車種でMTとCVTを比較実測したデータ、あるいは欧州の自動車メーカーやサプライヤーの専門家への確認、CVT開発者との雑談などで得られた情報を総合すると、そのくらい大きなロスが実存することは確実だ。

 これに対してマニュアルトランスミッションの伝達効率は同じような走行条件下で90%以上。最新の欧州製品は94〜95%に達しようというレベルだという。デュアルクラッチトランスミッションは85〜90%かもう少し良いあたり。これに対して9HPは80%台の後半のようだ。内部機構の内容から見ても従来のATよりも少し良くなる要素が様々に盛り込まれている。

 すなわち9HPは、「実用領域の伝達効率が低すぎるCVT(特にベルト+プーリー方式)に自動車用変速機としての未来はない」と言い切るZFの技術者たちによる、CVTに対する強烈なアンチテーゼでもある、と私は理解している。

 ちなみにこうしたコンセプトを、そのための変速幅やステップ比を実現するプラネタリーギアの数と配列、変速のための結合開放の組み合わせを見出すために、初期検討ではまず大規模コンピューターを駆使して基礎検討、数値シミュレーションを行うのが今日の定石だが、その段階で検討した組み合わせは数億通りに達するという。その中から使えそうな組み合わせを抽出してより具体的な機構検討に入るのだが、この段階でも数百万通りの可能性があった、とのこと。

 そしておおよその形態が固まってきたところでは8速を想定していたのだが、遊星歯車列による自動変速機のエキスパートがその構想概念をにらんで「これなら9速も複雑化させずに作れる」と看破した、という話をビールとワインのグラスが進んだところで聞いた記憶があるけれども、もちろん定かではない。

存在を意識させない変速機

 さてここからは「走らせた」話。ここまでの機構論はもう1年以上前に明らかになっていたことで、自動車とその機能要素の評価は「実物に触れ、走る中から素性と仕上がりを読み取る」ことなしには定まらない。

 最初にも書いたように最初に9HPを採用する市販モデルとなるレンジローバー・イヴォーク(2リッターのガソリンエンジン搭載)の開発車両に乗り込む。助手席には開発、特に車両との適合などを行っている担当者自身が説明員と道案内を兼ねて座ってくれた。


今回、ジャーナリストの体験試乗のために用意されていた9HPを搭載するレンジローバー・イヴォークの開発実験車が、ドイツの日常的道路環境を駆ける。2リッター・ガソリンエンジンとの組み合わせは、すでに市販車としても相当に洗練されたレベルに到達している。9速化による巡航時エンジン回転の低下、そこから細かく変速比を変えて必要な力を瞬時に引き出す能力を実際に体験した。(写真:ZF)
 いかにも開発中の試験車両らしく、その瞬間に使っているギア段、ドライバーの操作などに応じて、次に選ぶと予測して動作準備をしているギア段などが表示される試験用ディスプレイが仮設されている。このトランスミッションの振る舞いを体感しようとしているこちらとしてもありがたい。


外観、内装ともに現行イヴォークそのものだが、開発車両であることを唯一示していたのが、ダッシュボード中央に仮設されたディスプレイ。左側列の上部にエンジン回転、下部には次に選択する可能性が高いと判断して変速準備を始めたギアポジション、実際に入っているギアポジションなどが表示され、限られた時間の中での「味見」にはとても有益だった。(写真:筆者)
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 まず、通常の発進は2速から、というのを確認しながら駐車場の中を動き始めた。そのまま一般公道へ出る。試乗の舞台はドイツのカントリーロードなのだが、空いていれば普通のドライバーとクルマの巡航速度は時速100キロメートルが当たり前。緩いコーナーでもそのペースは落ちない。逆に集落の手前からはきっちり時速50キロメートル、学校などの前ではもっとゆっくり、集落を抜けて制限解除を確認してから加速、というメリハリのしっかりした走り方であり、路面も適度にうねったり、勾配の変化も続くので、新しいトランスミッションとの初対面にはもってこいの環境である。

 すぐに現れた最初の集落の中を抜けながらアクセルペダルの小さな動きや速度変化に応じたギアの選び方を確認。いいタイミングでスッと入ってくるアップ、ダウンの変速が相当に速く、しかもショックらしいショックがほとんどなくスッと入る感触、エンジン回転の切れ味の良い変化で変速を知る、というのが第一印象。

 ここからオープンロードに出て、柔らかく加速、時速60キロメートルを超えるあたりでは7〜8速へ。柔らかく加速してゆく状況(ドイツの一般ドライバーの中で元気の良い人は追いついてくるぐらい。日本ではけっこういいペース)ではエンジンが毎分2000回転を超えるあたりでスッスッとシフトアップしてゆき、今回の緩いアップダウンがある郊外路の条件だと時速95〜96キロメートルを超えるあたりで9速に入る。エヴォークの2リットル過給ガソリンエンジンとの組み合わせだと、ここでエンジンは毎分1600回転弱しか回っていない。

  こうした基本確認を進めた後は、あっけないほど「ふつう」だった。というより変速機の存在をドライバーが(私のレベルでも)意識することがない。

 発進デバイスとして組み込まれているトルクコンバーターは、まさに「停止・発進用」であって、走り出したら低速から直結されてその働きが消える。つまり、アクセルペダルに置いた右足の動きにエンジンが反応すると、それがダイレクトに身体に感じる力の変化となって現れる。しかしエンジンの力の増減がタイヤに伝わる中でぎくしゃくすることはない。回転変動を吸収する仕組み(トーショナルダンパーなど)がマニュアルトランスミッションと同じような形で組み込まれている効果だ。

 このあたり、日本のATはとかくトルクコンバーターによる額面上の駆動力増幅効果(人間にとっては「滑っている」感覚ばかりなのだが)と、変速ショックや駆動力変動を押さえ込むことばかりを優先して、人間がクルマという道具を操る時に大切な「力の実感」を作ってこなかった。

 CVTは、そして前回も書いたように「電気CVT」という性格を持つトヨタのハイブリッドシステムは、さらにこの「ルーズさ」「ラバーバンドフィール」が極端になっている。そこに疑問を抱く技術者も増えているのだが、日本の自動車工学界全体としては机上論に固執し続けていて、ここでも世界の孤児と化す危うさが高まっている。

いちばん人手と時間をかけるのは「キャリブレーション」

 せっかくの機会なので、市販間近の9HPの仕上がりをもう少し細かく観察する。走らせながら試験用ディスプレイを確認していると、ドライバーのアクセル操作から次に選択すべきギアを予測して、変速の準備をしているのも分かった。そこから外れるような運転、例えばアクセルペダルを離してスピードが落ちたところから急に右足を床いっぱいまで踏み込む、といったイジワル試験をすると、さすがに予測を切り換えて一気に3ステップぐらい低いギア段まで「飛ばしシフト」するので、ちょっと時間がかかる。しかし他のATやCVTでもこういう時には遅れが出るし、駆動力が急に強まるのでギクシャクする。それらに比べればイジワルにも平然と反応してみせる。

 逆に上り下りの勾配変化に対応して、変速段を1つか2つ落としてホールドする制御、ステアリング操作と車両運動からコーナリング中は変速を抑制する制御など、今日では一般的なものではあるが、ドライバーの走りのリズム、走っている環境などに自然な感覚で現れる。これだけでも、実は「仕込み」がなかなか難しいものなのだ。

 ドグクラッチの断続動作が入るのは4-5速の間と7-8速の間の2カ所なのだが、同時に作動する湿式多板クラッチの断続も含めて、「コツン」とか「ゴツッ」といったショックはまったく現れない。ショックや駆動力の引っかかりはほとんどなく「スパッ」とギアが入れ替わる、という感触だ。

 開発の中核メンバーに確認したところでは、ドグクラッチを噛合する時にはまず軸上で回転しているリング状の部品を油圧で押し出し、斜面になっている端面が押し付けられて噛合する2つの部品の回転が同調したところで一気に押し込む、という制御をしているという。

 もちろん、そうした機構や機能の工夫だけでこれだけ洗練された変速ができるわけではない。それぞれの車両、特にエンジンとの間で高速でデータをやりとりしつつ、エンジンとトランスミッションの両方で細かく制御を行って、何分の1秒かの短い時間の中で変速動作を進めている。この制御の統合化の作業をZFでは「キャリブレーション(較正)」と読ぶ。もちろん自動車メーカーと一体になって作業を行うわけだが、最近はこれにいちばん人手と時間が費やされているという。

 また、これまでは制御ロジックや回路設計などまでは自社で行いつつも、電子回路基板などを含む制御ユニットのハードウエアは外注していたのだが、この9HPではそれを内製化する組織と設備を整えた。情報処理と演算、制御のプロセスの複雑化が進む中で、この中核ハードウエアを社内で作れるようになったことが、開発に携わる技術者にとって進化の重要な一角を担っているという。

他メーカーは対抗製品を開発できるか

 このように、レンジローバー・イヴォークの2リッター・ガソリンエンジンと9HPの組み合わせは、走行機能に関してはもうほとんど量産準備完了という状態の仕上がりだった。ここまで説明してきたような自動車用変速機としての基本性能に加えて、変速動作と右足の動きへの追随の両面での洗練度の高さをすでに実現している。これに対抗できる製品を送り出すのは相当に大変そうである。

 9HPの生産は、今後の需要を見込んでアメリカのノースカロライナ州グレイコートに建設された新工場で行われる。エンジンから伝えられる最大トルクを受け止める容量において、大小2種類の基本仕様があり、今回試乗したのはその大きい方のバリエーションだった。

 さらに「HP」はZF社内呼称として「油圧機械方式の発進用デバイス」、つまりトルクコンバーターを組み込んでいることを示すものなのだが、これをモーターとクラッチに置き換えてハイブリッド仕様にするなど、異なる発進用デバイスをモジュール方式で組み合わせることも、あらかじめ設計に織り込まれている。

 今回の新技術展示試乗会にはこの9HPとも組み合わせることができる新しい4輪駆動システム、日本の技術トレンドとは一線を画す純EVのための電動駆動メカニズムなども用意されていて、今後の走行機能技術の動向を考えるために多くの情報が提供された。

 まずは9HPだけでもこれだけの分量になってしまったので、それ以外の注目すべき技術トピックスの紹介は次回に、ということにしたい。


03. 2013年7月14日 10:27:31 : JjNtNbJEr2
>>02さんの投稿の補足ですが、ドイツ(旧西ドイツ)の変速機メーカー、ZF(ツェット・エフ)社の自動変速機について、ウィキペディアに一覧表がありましたのでリンクします。

List of ZF transmissions
http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_ZF_transmissions

●上の文章にも書かれていますが、「HP」はZF社内名称として、トルクコンバーターを組み込んでいることを示しております。当方がオーストラリアで使用しているフランス車のシトロエンCXも、このZFの自動変速機を使用しています。当方のはマニュアル変速機ですが、自動変速機仕様は確か3HP22を使用しておりました。

このZFの自動変速機は西欧諸国で幅広く使用されており、日本に輸入された乗用車にも多数搭載されていましたが、自動車整備の現場では故障が多いとか耐久性が低いとか評価が悪いです。これが誤解であったことは外国に出て初めて分かりましたが、要は日本の輸入車ディーラーに充分な技術情報が行き渡っていなかったと。

西欧諸国の乗用車は、多くがZFの変速機とボッシュの燃料噴射装置を搭載していますが、ZFとボッシュの製品について理解しておかねばなりません。日本の感覚では部品メーカーは「下請け」企業だとして完成車メーカーより下に見ますが、本当は完成車メーカーと同格です。完成車メーカーからの技術情報だけでは分からないことが多い。

日本でCVTがこれだけ普及した理由として、ZFのトルクコンバーター式自動変速機を搭載した輸入車に故障が多かったと思い込んだからかも知れません。実のところ、日本車に多いCVTですが、フルードをきちんと交換しないと耐久性が低いです。トルクコンバーター方式であれ、フルードを交換することの認識が日本の整備業界に乏しいからだと思われます。

日本車は故障しないから世界一だと言う思い込みが日本人に蔓延してしまい、輸送機器は定期的な部品交換、油脂類交換が必要なのだと言うことを忘れてしまったのではないですか。

内燃機関を搭載している限りにおいては、アイドリング時のトルクの小ささをカバーするために変速機を搭載することは避けられません。これが電気自動車だと、超低速から大きなトルクを出しますから変速機が不要です。鉄道だと電気機関車や電車が変速機を使っていないのと同じです。

上の文章は長いので、肝心の部分を抜き出してみます。

★CVTは機構内部の摩擦など損失がかなり大きく、先ほども触れた「日常的な走行速度域」を巡航している時の内部損失は30%前後ほどもあると見られる。つまり常用域の「伝達効率」は70%ほど。★

★これに対してマニュアルトランスミッションの伝達効率は同じような走行条件下で90%以上。最新の欧州製品は94〜95%に達しようというレベルだという。デュアルクラッチトランスミッションは85〜90%かもう少し良いあたり。これに対して9HPは80%台の後半のようだ。内部機構の内容から見ても従来のATよりも少し良くなる要素が様々に盛り込まれている。★

★すなわち9HPは、「実用領域の伝達効率が低すぎるCVT(特にベルト+プーリー方式)に自動車用変速機としての未来はない」と言い切るZFの技術者たちによる、CVTに対する強烈なアンチテーゼでもある、と私は理解している。★

●日本車で全盛のCVTだが、当方は今後、技術上の伸びしろはあまりないと思っています。西欧諸国ではクリーンディーゼルやダウンサイジング・ターボが未来の進むべき方向だとしているのに対し、日本はハイブリッドやらEVを目指すのも、根本は変速機に対する認識の違いではないかと思います。


4. 2022年6月12日 22:26:09 : LY52bYZiZQ : aXZHNXJYTVV4YVE=[13738] 報告
☆CVTが分かる!CVT天国の日本になった理由[TOYOTA][SUBARU][NISSAN][HONDA]
2022/05/14
Tiger-Juice-Garage / タイガージュースガレージ
https://www.youtube.com/watch?v=CSiT479yjwQ

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