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地熱発電ルネサンス  ブームと低迷の歴史
http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/640.html
投稿者 taked4700 日時 2012 年 2 月 01 日 00:20:23: 9XFNe/BiX575U
 

(回答先: 地熱発電ルネサンス  「蒸気が出ない」乱開発が窮地を招いた 投稿者 taked4700 日時 2012 年 2 月 01 日 00:11:47)

http://globe.asahi.com/feature/111002/04_1.html

[Part1] 「温泉」「国立公園」開発に課題多く

日本の地熱発電建設には、これまで2度のピークがあった。現在、3度目のブームが到来する気配が漂っている。


日本で地熱発電所が建設されるきっかけとなったのは、戦後の電力不足だといわれる。これを受けて1966年、日本初の本格的な地熱発電所となる松川(岩手県)が発電を始めた。翌年には大岳(大分県)が続く。この第1次ブームは、世界の地熱先進国に比べてもそれほど後れを取っていない。


第2次ブームは70年代の石油危機。三菱マテリアルや出光興産といった企業が参入し、国も代替エネルギー開発の「サンシャイン計画」で後押しした。その結果、90年代に9基計32万キロワットが加わる「地熱ラッシュ」を迎えた。


ただ、温暖化対策や国産エネルギー確保を求める声を背景に開発が続いた海外とは、その後が異なった。国内では99年に東京電力が運転を始めた八丈島(東京都)を最後に新規立地がない。
いくつかの理由が指摘されてきた。


1.初期の開発費用がかさむ
地熱発電は、いったん発電所ができれば燃料代がほとんどかからず、うまくやれば資源を長期利用できる。一方で、井戸1本の掘削費用は数億円。掘削しても地熱貯留層に当たらないリスクも伴う。出力5万キロワットの標準的な発電所で建設費約300億円、事業費約350億円もかかる。環境調査などの手続きも多く、計画から発電まで10〜15年かかるのが一般的だ。発電所が完成するころにはブームが去っている。


2.国立公園内の開発ができない
1972年、当時の通産省公益事業局長と環境庁自然保護局長とのあいだで「地熱発電の開発に関する了解事項」がかわされた。国立公園や国定公園での地熱発電所の建設を、既存と計画済みの6カ所に当面限る内容。地熱発電が見込める地域の約8割はこの区域内といわれ「了解事項がある限り地熱発電は進まない」(自民党衆院議員の河野太郎)と受け止められた。


当時、地熱発電を推進する側の通産省が強大な権限を持っていたのに対し、国立公園保護を担う環境庁は前年に発足したばかり。なのに新興官庁の環境庁の主張が通ったのは、当時進んでいた東北電力の葛根田地熱発電所(岩手県)などの建設計画を通そうと焦った通産省が「妥協して手打ちを図ったから」と、環境庁OBは回想する。


通産省OBは「環境庁がウンと言わなければ、発電所の建設計画が通らなかった」と振り返る。以後、地熱開発に消極的な環境庁はこの合意を盾に、ことあるごとに反対。通産省側も、省を挙げて合意をあえて覆す熱意を持っていなかったと見られる。


3.温泉業者の反対
一部の温泉業者の間で、地熱開発に対して「温泉の湯の量が減る」との懸念は根強い。熊本、大分県境で計画された小国地熱発電所は「温泉が枯れる」との反対で用地取得ができず、2002年に計画中止に追い込まれた。


ただ、これらの理由に対しては「地熱開発に不熱心なことの言い訳」との説も根強い。水力や火力、原子力などの開発は、様々な反対を押し切って進められてきたからだ。地熱開発に携わる企業幹部は「一番の問題は、反対が強かったことでなく、地熱発電を推進する側の力不足。原発担当者のように、きっちり計画を立てて金を注ぎ込むノウハウを持たなかった」と語る。


変化はある。環境省が自然保護だけでなくCO2排出を抑える業務も担うようになり、地熱反対一辺倒ではなくなった。原発事故以後、環境省が開く検討委員会では地熱と温泉の関係者が同席し、両者の対話のきっかけともなっている。


地熱発電の第3次ブームを期待する声の背景には、こうした状況がある。ただ、関係者の一人はこれを最後のチャンスと受け止める。「今回波に乗らないと、日本で地熱は二度と日の目を見ないでしょう」  

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コメント
 
01. taked4700 2012年2月01日 00:22:22 : 9XFNe/BiX575U : GAEKjTCJZE
http://globe.asahi.com/feature/111002/04_2.html

[Part2] 「原子力のライバルになる」 作家・真山仁が語る

地熱発電をテーマとした小説がある。真山仁著「マグマ」(2006年)。原発全廃を迫られた日本が、数々の困難を乗り越えて地熱発電計画を再始動させる物語だ。原発事故という想定ではないが、今の日本の状況を予見するかのような設定。著者に聞いた。

真山仁 氏

アイスランドやフィリピンで地熱が普及したのは、原発を造ったり、外国からふんだんに石油を買ったりできるほどの大国でないからでは。

だからこそ、再生可能エネルギーをどう活用すべきか、知恵を絞った。逆に日本で地熱が顧みられなかったのは、経済的に豊かだったからでしょう。


日本でも、70年代の石油危機でいったん地熱開発が始まったものの、新たに登場した原子力に負けてしまった。危機が過ぎると「中東から石油を買えば済むのに、初期投資コストのかかる地熱なんて」と思われた。

「マグマ」を書くための取材をした時、地熱業界の人々さえ「やめたらどうか。地熱の小説なんて誰も読まないから」と言ったほどです。


でも、地熱は温暖化ガスの排出が少ないし、原発のような大事故の心配もない。社会や政治が変われば普及する可能性がある。では、どう変わればいいのか。そのシミュレーションを小説で試そうと考えました。


小説の冒頭、日本は欧米から原発全廃を迫られます。発表当時これは「ナンセンス」と考えられました。私も実は、本当に原発が止まるなんて考えもしなかった。東日本大震災が起きるまでは。


再生可能エネルギーでは、地熱より太陽光の方に関心が集まっていますが、天候に左右されやすく、原発の代替となり得ません。地熱に関心がいかないことを内心最も喜んでいるのは、実は原発推進派でないでしょうか。

地熱には多額の初期投資が必要ですが、だからこそ、国家プロジェクトと位置付けて進めれば、安定性は高い。私が取材した電力会社の関係者は「太陽光と風力だけなら原発が楽勝。でも地熱は厄介だ」と言っていました。地熱は原子力のライバルになり得るのです。(談)


02. 2012年2月01日 13:34:54 : xpiNIaZEis
温泉に悪影響なく発電可能、福島で地熱利用の試み (1/2)
2012年02月01日
日本は世界第3位の地熱資源国だ。しかし、地熱の利用がほとんど進んでいない。さまざまな理由があり、1つは既存の温泉地との調整が難しいためだ。国内でも導入が進み始めたバイナリー発電は、温泉の源泉には手を加えない。ボーリングも必要ない。既存の設備に後付けで導入できる。このため、地熱発電を補う方式として、今後大きく伸びる可能性がある。
[畑陽一郎,@IT MONOist]
温泉に悪影響なく発電可能、福島で地熱利用の試み 土湯温泉の源泉

 日本は地熱資源が豊富だ。世界3位(2340万kw、23.4GW)を誇る。しかし、実際の発電容量では55万2010kW(552MW、2010年)にとどまっている*1)。資源量の40分の1以下しか利用できていない。さらに1996年以降は発電容量が頭打ちになっており、新規導入量はほぼゼロだ。なぜだろうか。

*1) 火力原子力発電技術協会が2011年11月に公開した「平成21,22年度地熱発電所運転状況(速報値)」(PDF)による。

 資源の大半が国立公園内にあることも一因だ。さらに実現にあたって大きな制約となるのが周囲の温泉地との共存だ。温泉地は湯が命である。地熱発電のためにボーリングを施し、もし湯量が減ったり、湯の温度が下がってしまったらどうなるのか……。

 このような不安を拭い去るのが「バイナリー発電」だ。バイナリー(binary)とは「2つのものからなる」という意味。高温流体(温泉)と低沸点媒体という2系統の液体を使うため、バイナリー発電と呼ばれる(図1)。従来の地熱発電とは異なり、既存の源泉の井戸を使い、温泉発電ユニットを追加する*2)。井戸の新規掘削は必要ない。

*2) バイナリー発電は熱源さえあれば、温泉とは無関係に導入できる。例えば、工場の排熱を利用したバイナリー発電の導入も試みられている。

 国内初のバイナリー発電は2004年、地熱発電所である九州電力八丁原発電所(大分県九重町)に実証試験用として導入された。出力は2MW。130℃の熱水流量64.14トン/時(約1000L/分)。同社は地熱発電所である山川発電所(鹿児島県指宿市)に出力250kWのバイナリー発電設備を設置し、2012年から実証試験を開始する。この2カ所が国内で動作しているバイナリー発電設備である。
20120201TCY_binary_470px.gif 図1 バイナリー発電の原理 温泉の命である源泉と温泉井には手を加えず、発電ユニットを後付けすることが特長だ。低沸点の液体(緑の点線)にはほとんどの場合、直鎖状の炭化水素であるC5H12(ペンタン)を使う。地熱発電所の付属設備として導入することもできる。出典:JFEエンジニアリング
福島でも導入試みる

 被災地である福島県でもバイナリー発電の導入を試みる。湯遊つちゆ温泉協同組合と宝輪プラント工業、JFEエンジニアリングは2012年1月27日、福島市土湯温泉町における温泉バイナリー発電の事業化へ向けた調査業務に着手した*3)。

 2014年に500kW級の発電事業の開始を目指す。その後、1MW級に拡大することで土湯温泉の電力需要を全て賄うことを目標としている。

*3) 環境省が2011年11月に公募した「平成23年度再生可能エネルギー事業のための緊急検討委託業務」を受託したもの。2012年1月13日に44の提案のうち、8件(太陽光3、風力4、地熱1)が採択された(うち、太陽光発電について触れた関連記事:南相馬市に国内最大級のメガソーラー、東芝など3社が取り組む)。

 湯遊つちゆ温泉協同組合が所有する源泉(図2)から噴出する「湯」は約150℃もある。「このままでは温泉として利用できないので、65℃に冷やして分配している。つまり熱エネルギーが無駄になっている」(JFEエンジニアリング)。「地熱発電については反対する声も聞こえるが、バイナリー発電では1つもない。源泉の配管に熱交換機を付けて、40℃以下で沸騰する液体を湯とは別に循環させ、タービンを回したあとで冷却して液体に戻す。このような仕組みであるため、温泉自体には何の影響もないからだ」(湯遊つちゆ温泉協同組合)。
20120201TCY_well_470px.jpg 図2 源泉の様子 従来の源泉をそのまま使い、バイナリー発電設備を後付けにする。出典:JFEエンジニアリング

 事業の分担は次の通り。湯遊つちゆ温泉共同組合は、委託業務全体の取りまとめと、地域社会との調整を担当する。宝輪プラント工業は坑井利用計画と資源量調査を担う。新規の温泉井の掘削などは行わない。JFEエンジニアリングは温泉発電設備の設計、検討を進める。

 JFEエンジニアリングは2002年に土湯温泉の配管を施工した経験がある。2010年6月に米Ormat International(米Ormat Technologyの100%子会社)と地熱バイナリー発電設備の業務提携を締結しており、ターンキーで提供することも発表している。「当社として現時点では国内初のバイナリー発電導入の事例になる予定だ」*4)。

*4) 同社は2011年7月に岩手県で地熱発電の事業化検討に合意しており、2015年には7MW級の送電を開始する予定だ。岩手県でもバイナリー発電を導入する可能性があるという。
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1202/01/news019.html


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