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中央政府は、太陽光発電システムを2022年までに2200万kW導入する目標を掲げる。恵まれた自然条件を生かし急拡大させる。無電化地域の分散電源としても期待が高い。
インド北西部のグジャラート州に、世界の太陽電池関連企業が熱い視線を送っている。州都のガンジーナガルから車で約3時間の所にあるチャランカで、大規模な太陽光発電システムの導入計画が進む。
同州の電力公社が所有する2500haの用地に、「ソーラーパーク」を建設する。総発電容量は59万kW。ここだけで、日本国内の住宅用太陽電池の年間出荷量を上回る。
日射量が豊富など地利的条件に恵まれるグジャラート州の太陽光発電システム(上)チャランカでは総発電設備容量59万kWという壮大な「ソーラーパーク」建設計画が進む(下)
写真提供/アジア開発銀行
電力公社が、電力、水、道路などのインフラを整備、区分した敷地を約70の事業者に割り当てる。既に、土地のリース契約を結んだ事業者の発電容量は合計30万kWに達した。年内には一部の事業者が運転を開始する見通しである。
事業者が発電した電力は、グジャラート州の固定価格買い取り制度(フィード・イン・タリフ=FIT)に基づいて、各地域の電力会社が1kWh当たり13ルピー(約24円)で12年間、買い取る。13年目以降も同9ルピー(約17円)で買い取り、合計25年間にわたって割高な固定価格での買い取りを保証する。
グジャラート州は日射量が豊富な広い砂漠地帯があり、太陽光発電に適する。チャランカのソーラーパークで発電した電力は近隣の都市へ供給する。事業を支援するアジア開発銀行(ADB)は、ソーラーパークから送電網までの送電線建設に1億ドルを融資する予定である。
2022年までに2200万kW開発
ソーラーパークのほかにも、グジャラート州で太陽光発電による電力の売買契約が成立している案件が合計60万kWあるという。ADBなどが協力し、隣のラジャスタン州でも同様のソーラーパーク建設計画が動き出した。
日本の大手太陽電池メーカー幹部は、「2011年度に太陽光パネルを3〜4社に納入することが決まっている。グジャラート州とラジャスタン州を合わせると、当社だけでも10万kWぐらいの規模になりそうな勢いで商談がある」と明かす。
インドは、州ごとにFITなどを設けて再生可能エネルギーの導入を推進してきた。
1次エネルギー供給量に占める太陽光や風力などの割合は0.2%にとどまるが、地理的な条件にも恵まれており、これから飛躍的に伸びる可能性を秘める。
●1次エネルギー供給構成(2008年)
田舎の無電化地域で多く利用する薪や動物のフンなどのバイオマス(生物資源)が1次エネルギー供給量の4分の1を占める
出所:国際エネルギー機関
●発電電力量構成(2008年)
石炭・石油・天然ガスによる火力発電が発電電力量の約8割を占める。電力不足が深刻なインドでは今後も火力発電が主力になる見通しだ
出所:国際エネルギー機関
日本エネルギー経済研究所の予測によると、2035年には技術進展があった場合、発電量に占める再生可能エネルギーの割合が約12%に高まる。
中央政府は昨年1月、「ジャワハルラル・ネール・ナショナル・ソーラー・ミッション(JNNSM)」を始動させた。2008年6月に策定した「気候変動に関する行動計画」の一環で、2022年までに太陽光・太陽熱発電システムを2200万kW導入する。2020年までに設置する原子力発電の発電容量に匹敵する大規模な計画だ。
●「ジャワハルラル・ネール・ナショナル・ソーラー・ミッション(JNNSM)」の目標
中央政府は「ジャワハルラル・ネール・ナショナル・ソーラー・ミッション(JNNSM)」を始動、太陽光発電システムの導入を促進する。固定価格買い取り制度などを活用して2022年までに2000万kW(系統連系)を導入するのが目標である
導入目標は3段階に分かれる。2010〜13年までの第1段階では、電力会社の電力網に接続する「系統連系」で110万kW、「非系統連系」の分散電源で20万kWを開発。太陽熱パネルは700万m2を設置する。2013年度までに433億7000万ルピー(約800億円)を投じる方針である。
既に、30件の太陽光発電事業を選定した。発電容量は1件当たり5000kW、合計で15万kWである。系統連系の場合、発電した電力を政府系電力会社の子会社が1kWh当たり平均12ルピー(約22円)で買い取る。太陽熱発電については、7件の事業を選定済み。買い取り価格は平均15ルピー(約28円)だ。
成長が著しく広大な土地を持つインドの市場は巨大である。昨年、完成したデリーの競技場にも1000kWの太陽光発電システムを導入。発電容量が4kW前後の住宅用が国内出荷量の約9割を占める日本に対して、インドは「メガソーラー」といわれる1000kW以上の大規模な設備の導入が目に付く。
http://eco.nikkeibp.co.jp/article/report/20110613/106663/?ST=print
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