http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/273.html
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理由は簡単だ。東芝は原子炉建設大手のウェスティングハウスを買収し、子会社化した。日立、三菱も欧米の原子炉建設大手に資本参加している。どれも、2001年の当時のアメリカ大統領ブッシュによる原子力ルネッサンス宣言で原子炉新規建設ラッシュが来ると当て込んでのものだ。しかし、みずから原子力ルネッサンスを宣言したアメリカではたった一基しか、原発の建設に踏み切っていない。そのたった一基も本当に建設が進んでいるかと言ったら、途中で止まったままだ。計画中というプロジェクトは確かに30ほどあるようだが、こんなもの、あと10年たっても着工できるかどうかわかったものではない。もともと、アメリカでは1979年のスリーマイル島原発事故以来、原子炉の新規建設を一つもやってこなかった。
そして、1960年代に建設した多くの原発の耐用年数が限界にきつつあったときにブッシュが原子炉ルネッサンスを宣言したのだ。石油資源の枯渇、地球温暖化など様々な問題が誇張して語られ、いかにも原子力産業の未来がバラ色であるかのような幻想が駆り立てられた。しかし、実態は、核融合炉の開発をアメリカ政府は断念し、ユッカマウンテンに予定していた使用済み核燃料の処分場も開発中止になってしまうのだ。つまり、核に関する基本的な問題はどれも解決されていないままなのだ。
そして、原子炉は一種の時限爆弾として、主にアジアの国々へ建設されていくのだろう。その時、日本企業も参加して、その時限爆弾の仕込みを担当することになる。ベトナムでは一期工事をロシアが担当し、その後の工事を日本企業が落札したが、地盤等に何らかの細工がされていて、原子炉完成後の運転中に地盤がらみの大事故が起こっても原子炉の性格上、事故原因を調べるのは無理だろう。結果的に、原子炉そのものの設置を担当した会社の責任が問われることになるはずだ。
また更に、アメリカ国内で老朽化する原子炉の廃炉という問題も大きな問題だ。高レベル核廃棄物の処分は世界中でどの国もうまくできていない。残る選択肢は国際的にある地域を決めて、その地域に全世界の廃棄物を集積すると言うことだ。将来、大地震で国土の大部分を高レベルの放射能汚染された日本が、東芝、日立、三菱といった会社がアメリカで事業継続すると言う口実で、日本の国土を高レベル放射性廃棄物処分場にしようと言うことになるのではないかと、いつも危惧している。
間違えなく、日本には地熱発電が最も適していて、経済的でもある。しかし、東芝、日立、三菱といった企業がアメリカなどの原子力建設大手と深く手を握ってしまったことが、原子力からの決別と地熱開発を大規模に進めることに大きな障害になりつつある。
しかし、現実の問題として、日本の原子炉が、そして、世界中の原子炉も、大規模な地震に対する安全性はないのだ。そして、廃炉の問題、高レベル放射性廃棄物の問題など今後、アメリカ国内で発生する困難も大きなものがある。だから、これらのことを素直に正直に指摘をし、日本企業がそのことに対する対処を率先してやろうと言えばいいのだ。少なくとも、世界中の多くの国々の理性的な人々は日本のそのような動きに感謝するだろう。彼らの協力も得られるはずだ。このようにしても、高レベル核廃棄物をどこに処分するかという問題は残る。しかし、少なくとも、人々の理性によってその問題を対処できる。誰かの悪巧みによって無知の市民を陥れることを避けることが出来るのだ。
また、以下の記事を読んでいただきたい。
今、日本のリーダーたちがやるべきは、地震と原発の関係を考えて、原発廃止と地熱開発を進めることだ。
http://www.asyura2.com/11/senkyo106/msg/162.html
投稿者 taked4700 日時 2011 年 1 月 31 日 20:54:33: 9XFNe/BiX575U
*6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<323>>
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