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上の記事はエネルギー問題をほとんど理解していない人が書いたのか、または、世論誘導のためのものだ。
http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/266.html
投稿者 taked4700 日時 2011 年 1 月 11 日 20:38:46: 9XFNe/BiX575U
 

(回答先: 石油を「代替」できるエネルギーなど存在しない 原発も自然エネルギーも魔法の解決法ではない|山本達也 投稿者 上葉 日時 2010 年 3 月 16 日 22:48:16)

読んでびっくりした。とんだ誤解というか、世論誘導というか、または、物事の理解力がない方の論文だ。

まず、
>EPRの評価は、これらをすべて「エネルギーを生み出すために必要なエネルギー」として考慮に入れた上で試算が試みられている

というようにEPRの説明をしている。まあ、一般市民用の論文だからこんなものでいいのだろう。しかし、それを使って何を説明しようとしているかというと、とんでもないことを言っている。まず、その「とんでもない」部分を引用する。少し長いが我慢して読んでいただきたい。

>■自然エネルギーを利用するには、莫大なエネルギーが必要

> 期待される再生可能エネルギーであるが、残念ながらその数値は概して低い。天野氏の試算によると、水力発電の場合、ダム建設に入力エネルギーの48%、コンクリートなどの素材に26%、運用や補修に23%が使われている。
> 地熱発電の場合、素材に必要なエネルギーは全体の20%だが、運用に72%が使われる。風力発電の場合、素材に48%、運用や補修に36%、製造に10%のエネルギーが使われる。太陽光発電でも、パーツの製造に61%、モジュールの組み立てに23%、据え付ける架台に8%のエネルギーが使われる計算だ。
> 再生可能エネルギーは、その装置が電力を生み出す姿だけを見れば「クリーン」なイメージがあるかもしれないが、装置自体が「工業製品」であることを忘れてはいけない。原料に希少資源が使われる場合は、現地住民の間に紛争の原因を植え付けることにもなる。
> 農作物に「フェアトレード」という概念を持ち込んだことの功績の1つは、我々に製品の裏側への想像力を思い出させてくれたことにある。エネルギーについても同様に、それぞれのエネルギーが生み出されるまでの過程への想像力を失ってはならない。
> 太陽光も風力も地熱も、「量」だけなら膨大に存在する。しかし、電力など我々が実際に利用できる形に変換するには、様々な形で入力エネルギーが必要なのである。
> 最近では、世界各地で、再生可能エネルギーを用いて水素を取り出す試みも行われているが、これは、2次エネルギーをさらに変換して3次エネルギーとしているようなものである。ただでさえ低い再生可能エネルギーのEPRをさらに低下させるだけの結果となる可能性が高い。

引用を読んでどう思われただろうか?問題点は次のようなものだ。

1.EPRのことが全く取り上げられていない。つまり、上の部分で10%とか60%と言っているのは、全く何もEPRとは関係ないのだ。では何を表しているかというと、一定期間運転した場合の投入エネルギーのフェーズ別割合を表しているにすぎないのだ。つまり、地熱発電施設を作って12年間運転したとすると、作り始めてから12年後までの全てに必要としたエネルギーの内、建設や材料の分が**%で、運転に**%かかり、それを合計すると100%になるということなのだ。だから、この数値を並べても、そのエネルギーが効率的なものかどうかは不明なのだ。言ってみれば、東京から大阪に行くのに、飛行機、電車、自動車、自転車、徒歩という様々な方法があり、それらで、移動の運賃、食費、宿泊費などの割合をくらべたものだ。飛行機なら運賃だけかかり食費も宿泊費もかからないだろう。そして、宿泊費0%だから飛行機が有利だとさえ言えない。
2.元々、EPRとはhttp://unit.aist.go.jp/rcpv/ci/about_pv/supplement/EPTdefinition.html
に説明があり、投入エネルギーと産出エネルギーの比であり、この数値が大きくなればなるほど優秀なエネルギー源だということなのだ。1以下なら、投入エネルギーよりも産出エネルギーの方が少なくて、割に合わないということになる。つまり、元々、EPRはパーセントであらわせない。

3.更に上の記事中の表(この記事の上の方にも引用してある)にEPRの表が載っている。この表だけ見ればダントツに原子力が有利だということになる。しかし、現実には、多くのコストが原子力では未だに算定不可能であり、そう言ったコストが非常に少なめに見積もられているので、こういった数値になっている。また、自然エネルギーで比べると、地熱がもっとも有利だということがわかるだろう。

4.なお、「水力発電の場合、ダム建設に入力エネルギーの48%、コンクリートなどの素材に26%、運用や補修に23%が使われている。地熱発電の場合、素材に必要なエネルギーは全体の20%だが、運用に72%が使われる。風力発電の場合、素材に48%、運用や補修に36%、製造に10%のエネルギーが使われる。太陽光発電でも、パーツの製造に61%、モジュールの組み立てに23%、据え付ける架台に8%のエネルギーが使われる計算だ。」というのは、あまりに恣意的な説明だ。ダムも地熱発電も場所によってまったくコストは異なるからだ。地熱発電の場合、地熱井戸の深さは数百メートルから2000メートルを超える場合もある。更に、風力にしても日本のように台風がくる地方は風車を頑丈に作らなければならず、また、運用に費用がかさむので、北欧の国々とは全くコストが異なる。


是非、引用元の記事を皆さん読まれて、その論理のおかしさ、不合理さに気付いて頂きたい。  

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