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(回答先: 電気自動車と燃料電池 投稿者 taked4700 日時 2009 年 6 月 08 日 21:20:22)
http://wiredvision.jp/news/200906/2009061722.html 2009年6月17日 Keith Barry
英国に本拠を置く発明家や技術者のチームが、街乗り用の水素自動車を発表した。革新的なリース体制と「オープンソース開発」で、自動車業界を根本から変える可能性がある、と期待されている。 英Riversimple社はロンドンで16日(現地時間)、超軽量の燃料電池車『Urban Car』を公開した。同社によると、最高時速は約80キロメートル、1回の水素供給による走行可能距離は約320キロメートル。燃費は、ガソリン1リットルあたり約106キロメートル相当[英ガロンで計算]。さらに、1キロメートルあたりの二酸化炭素排出量はわずか30グラムだという。 搭載されているのは6キロワットの燃料電池で、ホンダの『FCXクラリティ』(日本語版記事)に積まれている100キロワットの電池と比べると極めて小型だが、重量がわずか350キログラムの車両には十分だ、と開発者は話している。
Riversimple社の経営陣には、ドイツのPorsche(ポルシェ)一族の1人であるSebastian Piech氏が参加している。Porsche一族からの資金援助を受けているこのプロジェクトは、9年の歳月をかけ、オックスフォード大学とクランフィールド大学の協力も得て開発が進められた。 ホンダのほか、マツダ(WV記事)、独BMW社などよく知られた例外を除き、水素自動車プロジェクトは大手自動車メーカーの多くで棚上げになっている。オバマ政権も、水素自動車に関する研究開発資金の提供を削減したい考えだ。しかし、Riversimple社の創設者であり、プロジェクトを指揮するHugo Spowers氏は、水素を将来の燃料と考えている。 Spowers氏によると、問題は、すでに基本的な技術が存在するのに、自動車メーカー各社は飛躍的な大前進を求めて科学的な研究に注力しすぎていることにあるという。 Riversimple社の技術では、回生ブレーキとウルトラキャパシタを備えた4個のモーターを車輪に内蔵してエネルギーを蓄える。小型の部品と軽量の複合材料を使った車体により、重量を最小限にして効率を最大化した。 「自動車業界は水素貯蔵や燃料電池技術の基礎科学的な技術水準に多額の資金を集中させているが、われわれはそれが必要だとは考えていない」と、Spowers氏はCNNに語っている。「われわれは、既存の技術を使い、それを全体的なシステム設計に統合しようとしている」 技術面だけでも十分に興味深いが、セールストークもなかなかのものだ。「この車は英国内でのみ、さらにリースでしか利用できませんが、毎月の支払額である200ポンド[約2万7000円]には水素の費用も含まれています。これは『FCXクラリティ』のリース料金の約半分です」 Riversimple社によると、リースの売上は、地域での水素供給施設の建設資金として役立てられるという。当然のことだが、供給施設は水素車導入における大きな障害の1つだ。 同社では、英国のガス会社BOC Gases社と協定を結び、「英国の小さな街で」燃料供給の試験プログラムを進めると話している。 Riversimple社では、Urban Carの設計仕様をオープンソース方式でオンライン公開する計画だ。こうすることによって車の開発が促進され、人々が地域のニーズや要望に合わせて車をカスタマイズできるようになる、とPiech氏は述べる。 われわれとしては、トンボのような外観を少し修正して、独Porsche社の『ケイマン』のようにしたいと思うが、どうだろう?(現在の見た目は、米Converse社のスニーカー『オールスター』のように見えなくもない。)
[日本語版:ガリレオ-平井眞弓] |
街乗り用ね。文中の「FCXクラリティ」については次を。
日経Automotive Technology雑誌ブログ 燃料電池車は究極の解か http://techon.nikkeibp.co.jp/article/TOPCOL/20080620/153589/?ref=RL2 2008/06/20 18:31 鶴原 吉郎=日経Automotive Technology 先ごろ、ホンダが6月16日に開催した新型燃料電池車「FCXクラリティ」の工場ラインオフ式に出席してきました。この式典では、普段なら門外不出の燃料電池スタックの製造工程の一部や、車両組み立て工程も見学することができました。 その詳細については、7月下旬発行の日経Automotive Technology9月号をご参照いただきたいのですが、FCXクラリティの特徴の一つは、非常にコンパクト化した燃料電池スタックをフロアトンネル内に搭載したことです。フロントにエンジンがないことも相まって、これまでの燃料電池車では見られなかった低く滑らかなボディデザインを実現しました。床下に燃料電池を積むことの多いこれまでの燃料電池車とは明らかに違う感じがします。 エンジン車では実現の難しいデザインを具現化するため、3年間に世界で約200台という非常に限定された販売台数を予定しているにもかかわらず、プラットフォーム、車体ともに専用に開発しました。この点について開発担当者は「燃料電池車の魅力をアピールするには、燃料電池車だからこそ可能になるデザイン、パッケージを形にして見せる必要があった。それを上層部に提案し、受け入れられた結果」と話します。 今回のイベントでは、自分でハンドルを握る機会にも恵まれましたが、燃料電池に空気を送り込むブロワの小さな騒音とロードノイズだけが高まる中で、背中を押す強力な加速が得られる走行感覚は、エンジン車とはまったく別種の運転する楽しさを予感させるものでした。 燃料電池車は、燃料に水素を使用し、走行時に排出するのが水だけというクリーンさが最大の特徴です。そのクリーンさゆえに「究極のエコカー」と呼ばれています。しかし私たちは以前から、燃料電池車よりも電気自動車のほうが有望なのではないか、と主張してきました(関連記事1)。たしかに燃料電池車の技術は急速に進化しています。今回ホンダがFCXクラリティに搭載した燃料電池スタックは、従来のFCXに比べて容積密度は50%、質量出力密度は67%も向上し、課題とされてきた低温始動性も、−30℃でも可能にしています。 課題は製造コストですが、今回公開したステンレス製セパレータのプレス成形や、セルを積層してスタックにする工程などは自動化が進んでおり、これをスケールアップしていけばかなりのコスト削減が可能になるのではないかと思いました。そのことを認めつつも、私たちが電気自動車のほうが有望と思うその根拠は、燃料電池自体よりも、主に燃料に水素を使う、という点にあります。 水素は、単体では天然にほとんどないエネルギですから、化石エネルギなどから取り出す必要があります。現在最も低コストの方法は天然ガスから取り出すことですが、その製造・輸送段階で4割近いエネルギ損失が生じます。また水素は気体エネルギであるため輸送に大きなタンクが必要ですし、供給インフラもまだ整備されていません。これらはいずれも一朝一夕に解決できない問題ばかりです。 こうした点から、トヨタ自動車や日産自動車は、開発の力点をプラグインハイブリッド車や電気自動車に移しつつあるように見えます(関連記事2、関連記事3 )。しかしホンダは、(少なくとも表立っては)電気自動車の開発を手がけず、燃料電池車に力を注いでいます。 その理由について、ホンダの福井威夫社長は記者との質疑応答の中で、「電気自動車では十分な航続距離が確保できない」ことを挙げます。「現在のクルマと同じ実用性を確保しながらCO2発生をゼロにできる方法は今のところ燃料電池車しかない」(福井社長)。 確かに、Liイオン2次電池の性能が向上したとはいえ、航続距離が不十分なのは事実です。現状では、実用的な航続距離はせいぜい100km程度でしょう。ただ、こうした問題は、電池の改良だけでなく、社会システム全体で解決するという考え方もあります。一般的なドライバーなら、一度に100km走る機会は1年の間でもそうないのですから、普段は自宅で深夜電力で充電し、たまに長距離走行する場合のためには、急速充電ステーションをあちこちに整備すれば済む話かもしれません。 ホンダ自身、「もし画期的な性能の電池が登場した場合には、FCXクラリティの要素技術をベースに電気自動車を作ればいい」(福井社長)と、電気自動車の可能性を排除しているわけではありません。燃料電池車でも、電気自動車でも、モータで走ることに変わりはなく、今回感じたエンジン車とは異質の加速感も共通するはずです。 いずれにせよ駆動の電動化は、クルマの姿や走行性能を一変させる可能性を秘めています。日経BP社は2008年7月23〜25日に、幕張メッセで、カーエレクトロニクスが進化させる自動車技術の総合イベント「AT International 2008」を開催します(詳細は開催概要をご参照ください)。最新の電子デバイスやソフトウエア、電子部品、計測機器、材料などカーエレクトロニクスを支える最新の技術や製品が一堂に集結します。会期中は三菱自動車や富士重工業の協力を得て、電気自動車の試乗コーナーも設けます。近未来のカーエレクトロニクスの一端を、ぜひご体感ください。 |
上の文にもあるが、問題は水素らしい。
ハイブリッド車の開発が急ピッチ、燃料電池車はどこへ 【日経エレクトロニクス】 http://techon.nikkeibp.co.jp/article/TOPCOL/20060112/112274/?P=2 2006/01/12 09:41 田島 進(主任編集委員) によれば、 水素は,石油精製の脱硫工程やアンモニアの合成プロセスなど,化学プラント用の工業材料として大量に使われている。大半が天然ガスの水蒸気改質で生産されるが,このとき大量の二酸化炭素を発生している。化石燃料由来の水素を使うのでは,燃料電池車の意味がなくなる。 |
しかし自然の力にたよるのでは必要な量はなかなかできないそうである。そこで。
太陽エネルギーで水から直接水素を作る新技術、実用化目前 http://wiredvision.jp/archives/200412/2004120902.html 2004年12月 9日 John Gartner 2004年12月09日 太陽電池はもう古い。太陽光を利用する最新の技術は、ナノ物質を触媒として、光のエネルギーで水から直接水素を取り出すというものだ。 英ハイドロジェン・ソーラー社(サリー州ギルフォード)と米アルテア・ナノテクノロジーズ社は、太陽光を取り込み、そのエネルギーで水の分子を水素と酸素に分解する水素生成システムを構築している。現在は、ラスベガスの燃料補給所で水素燃料を供給するというプロジェクトに取り組んでいる。 ハイドロジェン・ソーラー社のデビッド・オーティ最高経営責任者(CEO)によると、同社の『タンデム・セル』技術は、2層の光触媒セルを使用して、紫外線を含むあらゆるスペクトルからエネルギーを取り込むという。光子が半導体物質と相互作用することによって光電気化学反応が起き、電子が励起されて水の分子が水素と酸素に分解する、とオーティCEOは説明する。 タンデム・セルは、大きさが30ナノメートルに満たない酸化金属粒子を含む層で覆われており、現在、8%の効率で太陽光エネルギーを水素燃料に変換できるとオーティCEOは説明する。業界の研究者は、化石燃料とコストで競争するには効率10%が必要と見ているが、現在でもこの技術は十分に市場で争えるとオーティCEOは言う。 オーティCEOが目指しているのは、2005年の早いうちに実用レベルのデモシステムを完成させることだ。同社の研究所にある約65平方センチメートルのセルでは、現在、1日に数キログラムの水素を生産できるという。 オーティCEOによると、この技術はスイス連邦工科大学とジュネーブ大学の研究から発展したもので、現在その一般向けと産業向けの用途を開発しているところだ。たとえば、家庭の車庫の屋根に効率10%のシステムを設置すれば、燃料電池自動車で年間約1万8000キロを走行できるだけの水素を作り出せる、とオーティCEO。「家庭向けの市場も成立するだろう。各自が専用のシステムを設置し、日中に作られる水素を使って車を走らせるようになるからだ」 ブッシュ政権も、カリフォルニア州のアーノルド・シュワルツェネッガー知事も、多くの科学者たちも、米国が2020年までに化石燃料社会から水素エネルギー社会に移行すると自信を見せているが、オーティCEOはそうなるとは考えていない。「すべての卵を1つのかごにいれることはできない」とオーティCEOが語るように、ハイドロジェン・ソーラー社では現在、産業用水素市場で競争力をもてる製品の開発に力を注いでいる。 光電気化学による水素の生産を目指しているのは、ハイドロジェン・ソーラー社だけではない。10月には米エネルギー省が、やはり太陽光からの水素製造に取り組んでいる4つの組織に合計1000万ドルの研究助成金を供与した(PDFファイル)。助成金を得たのは、米ゼネラル・エレクトリック(GE)社のグローバル・リサーチ・センター、カリフォルニア大学サンタバーバラ校、米MVシステムズ社、米ミッドウエスト・オプトエレクトロニクス社だ。 GEグローバル・リサーチ・センターと協力して水素研究に取り組んでいるカリフォルニア工科大学のネイサン・ルイス教授(化学)は、光電気化学反応を利用して太陽光エネルギーを変換する統合型システムの方が、研究が進んでいる電気分解技術で水を分解するよりも効率が高いと話す。ルイス教授によると、電気分解では2つの段階が必要だという。光電池、原子力、風力、石炭などを利用するエネルギーシステムで発電した後、その電気を使って金属ベースの触媒で水を水素と酸素に分解する。 電気分解では「プラチナやパラジウムなど、非常に高価な物質」を使う必要があり、「現行のコストとは競争にならない」とルイス教授は指摘する。ナノテクに基づく光電気化学物質は、水素生産のコストを「4分の1から10分の1の範囲で」下げることができるという。 ルイス教授は、シートや屋根の上に非常に薄い膜として塗布できる酸化金属物質を研究している。太陽光を効率10%で変換できるこのような薄い物質で、晴れの日が多い米国南西部の約15万平方キロメートルを覆うことにより、米国の建物や交通に必要なエネルギーの全量を供給できるとルイス教授は述べる。15万平方キロという数字はそれほど大きく聞こえないかもしれないが(米国の面積のわずか1.7%)、国内のすべての屋根を合わせた面積の10倍になるという。 国立リニューアブル・エネルギー研究所の主任研究員、ジョン・ターナー氏は「可視光には、水を分解するのに十分なエネルギーがある」と語る。ターナー氏は、光電気化学反応を利用して水素を作り出すためのナノ物質の特定と開発に取り組んでいる。同氏のチームでは、コンピューター・モデリングを利用して、安定状態を保ちながらスペクトル全域で光を効率的に取り込むために必要な特性を持つ物質の特定を試みている。 光電気化学反応では物質を常に水に浸しておく必要があるため、物質が腐食しやすいとターナー氏は述べる。チームがテストした初期の物質の中には、腐食のために効果が1日に満たないものもあった。最適な物質の選択で「問題になるのは安定性だ」と、ターナー氏は話す。研究チームでは、酸化金属のほかに有機化合物でもテストを行なっているという。 ターナー氏は、水素の研究を今から盛り上げることが重要だとし、「2030年になれば、エネルギーの必要量を満たすのに十分な石油や天然ガス、石炭がなくなる……水素は(代替燃料として)最良のエネルギー源だ」と語った。 [日本語版:平井眞弓/高森郁哉] WIRED NEWS 原文(English) |
NEDO海外レポート NO.961 【NEDO:新エネルギー・産業技術総合開発機構】 2005.08.17
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/961/961-06.pdf
にもこれは載っている。
ぐぐってみても後追い記事がない。うむ・・・