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今日、4月15日、NHKの「クローズアップ現代」で地熱発電の特集をやっていた。やっと取り上げてもらえたかと思うと共に、多少、疑問点もある。あまりにも初期費用が高いとされているからだ。
1.地熱井戸2000m級を4本掘るのに、25億円かかるとしていた。しかし、純粋に掘削費用だけなら、多分、その2分の1もかからないと思う。山中の掘削地点に機械を運ぶための道路建設などの初期費用も含まれているのではないだろうか?つまり、平坦な場所なら、ずっと費用は安くなるということではないだろうか?また、地盤の状況によっても、費用はかなり変わるはずだ。
2.基幹送電線建設に20億円かかるとしていた。確か距離は5kmかそのぐらいだったと思う。これも、疑問だ。そもそも、日本で作る地熱発電所は、2万キロワットから4万キロワットぐらいのものになるはずで、原子力発電所のように数十万キロワットから100万キロワットを超すような規模ではない。だから、基幹送電線と言っても、大電力量を送電するためのものというより、立ち木などを避けるための送電線が必要なだけで、そんなに規模の大きな送電線が必要なわけではない。
3.4万キロワット、10万世帯分の地熱発電所の建設に150億円かかるとしていた。これもよく分からない。自分の感覚でしかないが、半分以下の金額で十分に作れる場所が日本には多くあるように思う。
4.費用対効果の問題があるのは確かだが、それを言うなら、原子力発電所のほうがもっと問題で、原子力発電のコストは、未だに確定していない。つまり、原子力発電所の建設や運転のコストがある程度定まっているだけで、高レベル廃棄物の処分に付いては、そもそも処分方法自体が決定出来ていない。青森の六ヶ所村にある再処理工場も、最終処分が出来る場所ではなく、現在は、日本中にある原子力発電所の構内や、六ヶ所村の再処理施設内のプールに溜め込んでいるというのが現状だ。また、耐震設備をどの程度のものにすればいいかも、現実には分かっていず、単に机上の理論によって、この程度の頑丈さで大丈夫だとしているに過ぎない。本当に大きな地震に襲われた経験がないので、実証ができないのだ。事実、2007年夏の新潟県中越沖地震により、東京電力柏崎刈羽原子力発電所はかなり大きな被害を受け、そのため、東京電力は、耐震指針の見直しに踏み切った。しかし、中越沖地震は、日本で起こると言われる本当に大きな地震に比べたら数十分の一の規模でしかなく、津波の被害もなかった。つまり、原子力発電のコストは、大規模災害のことを考えなくても、多分、今言われているコストの数倍から10数倍になることが予想できるのだ。
ただ、NHKで、地熱発電のことを取り上げたのは、非常に評価する。出来れば、原子力発電を取り止めて地熱発電に切り替えるという政策変更がされれば、非常に喜ばしいと考える。地熱発電技術は既に商用化されているし、しかも、まだまだ発展、画期的な発電方法の開発の余地があるのだ。日本が地熱発電技術を引っさげて、世界の桧舞台に登る日が来ることを期待してやまない。