http://www.asyura2.com/09/dispute30/msg/509.html
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(回答先: 世界権力に抗する民衆の側の世界戦略の第一環は、「核廃絶」。そして次の手は…? 投稿者 仁王像 日時 2011 年 10 月 26 日 20:32:51)
(長々とはやらない、前稿とも密接に関連)
日本が核兵器を保有するようになれば、アジア地域での地政学上の大きな変化が起きる。まず隣国の韓国が核衝動にかられる公算が大。大国インドネシアはどうか。これから、中国との熾烈な関係を深めていくと考えられるフィリピンやベトナムも刺激するだろう。
日本に続いて、これらの国の一国や二国が核保有をするようになると、今までより一層危険なステージでの地政学上でのバランスに苦慮することになるのは火を見るより明らかである。
やがては中東以西にも波及していく可能性もある。これは愚かな道である。「核廃絶」ではなく、まったく正反対の道を突っ走っていくことになる。
アジアには第二次大戦での対日トラウマを持つ諸国があることを忘れてはならない。アジアから始まる核拡散を世界権力(国際金融マフィア)はどう捉えるだろうか。日本が核を保有するということは、(冷戦時代に逆戻りしたかのような緊迫感を蘇らせ)世界権力による核の恐怖による世界支配に加担することになると言ってよい。
次に「核」というものの価値について。すくなくとも実戦的な価値はほとんどなく、恐怖を演出するという効果のみなのではないのか(そして彼らの支配下にある軍産複合体を大儲けさせる)。
米国の第一線に立つ軍事専門家でさえ、実戦には核は無用の長物であり、高度に発達した通常兵器で十分だという認識を持っている。ここには深い意味があると考えられる。さらに、相手国が核を持っていたとしても、こちらが一方的に核を廃棄した方が安全だ、とも証言している。なにかに迎合して発言しているとは思えない(文末→【参考】参照)。
日本は、二つの原爆に見舞われても力強く立ち直ってきた歴史経験がある。今、未曽有の原発事故にも遭遇してしまった。この意味を深く捉える必要がある。義命の存するところ(天の命令)と解し、脱核宣言をしていくのが天から賦与された日本国の使命と考えるべきではないだろうか。
日本人はもっと精神的に強くならなければならないと思う。精神的強靭さに裏打ちされた国防論でなければならない。安直に核に頼るなどというのは軟弱な精神構造の裏返しの反映としか思えない。戦後60年数年間「ピンフボケ」生活のなかで、精神が軟弱になってきたのは分かる。そのことをまず自覚し、日本発の「脱核思想」を練り上げて行くべきであると考える。
世界から核が廃絶されるならば、人類史の大きな転換点になる。
【参考】
@ チャルマーズ・ジョンソンは証言する。
・アメリカの冷戦戦略家の中でも最も老練な専門家の一人であるポール・H・ニッチェは、『アメリカが核兵器を使用するのが最良の選択になる状況をわたしは一つも想定できない。たとえ,相手方が最初にわれわれに対して核攻撃を仕掛け、その報復として使用するとしても、である。…核兵器の存在それ自体が、われわれの生存を脅かしている。 …いま、一方的にわが国の核兵器を処分してしまう方が安全だ』と断言している。 精密に標的を攻撃できる通常兵器が開発されてきたので、核兵器はもはや時代遅れの長物になったとニッチェは言うのである。
戦略空軍司令官をつとめたジョージ・バトラー将軍も『共産主義の崩壊を目のあたりにしながら、それでも核兵器のない世界を描けない時代が来ようとは』と嘆く。バトラー将軍は、…戦略空軍の廃止を主張しているほどだ。
(チャルマーズ・ジョンソン「アメリカ帝国と日本〜武力依存の構造」集英社新書‘04年)
A 水爆開発に反対してロスアラモスを追われたオッペンハイマーは指摘する。
・物理学者たちは罪を知っている。我々は自分の手を汚した。原爆は麻薬だ。原爆は軍事的に意味のない兵器だ。それは大爆発―非常な大爆発―を起こすだろうが、戦争では役に立つ兵器ではない。
(鬼塚英昭「黒い絆 ロスチャイルドと原発マフィア」成甲書房'11年)
B http://www.asyura2.com/10/senkyo89/msg/804.html#c2
02. 2010年7月05日 08:09:37: zqw7Lv8Ckk
奥山氏の二番目の選択肢で日本が「核武装」するというのは賛成できない。だからこの部分はこれまで引用を避けてきた。核兵器は今や武器としては無用の長物に化しつつある。
私見では、日本は中武装国家ぐらいで生きる道を探るべきと思う。そしてこれらの課題こそ日本の戦略家たちが研究していく課題でもある。(仁)
(関連)
・Re: (日本は)率先して脱原発社会、脱原爆社会を宣言し、そのモデルを世界に示すべきであろう/山本義隆
http://www.asyura2.com/11/genpatu17/msg/738.html
(補足)
核兵器は、自然劣化するので、一定期間ごとに廃棄し新しいものを作り補充していかなくてはならないという。また核兵器製造過程では、大量の核廃棄物としての劣化ウランが発生する(環境を汚染し原爆作業員を被爆させるのも原発と同じ。核爆弾は爆発しなくても非人道的な存在)。これを使って劣化ウラン弾を作りたくなる誘惑を「断ち切る」ことができるだろうか。地球人類はいつまで、こんなバカげたことをやり続けるのであろうか。こうした連鎖はどこかで断ち切っていかなくてはならない。
唯一の被爆国でありまた未曽有の原発事故に見舞った日本が、世界から核を廃絶していくという日本発の政治理念を打ち立てていく。この点では日本民族が大きくまとまれる条件を世界で一番備えているところであり、民族の強い願い・遺産ではないのか。退嬰的でなく、力強く気宇の大きな問題の建て方をしていきたいものと思う。
原発事故で国が破滅するかも知れない瀬戸際にあるとき、「核廃絶」は、せめてこの民族に天から賦与された使命ぐらいに捉えないとやりきれないではないか。
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