★阿修羅♪ > 議論30 > 189.html ★阿修羅♪ |
|
誤りの可塑性 http://www.asyura2.com/09/dispute30/msg/189.html
(回答先: エコナチズム! −”グローバリズム”と”文明の衝突”の現在形 投稿者 影の闇 日時 2010 年 3 月 14 日 16:41:25) 俗悪風俗としての理性主義が未だ安易に西側世界を席巻しているのは事実。 制度と自然を峻別するのは、恣意と宇宙論が対立するメインカルチャーを基礎とする真に普遍的な物象批判なので、絶対領域で担保されている。歴史上知られている範囲で説明すれば、ヴェーダ、儒学(儒教とは対極)、アヴェスタを始めとする古代精神と先住民族の伝統を起源としているので、決して遊牧・牧畜風俗と浅薄に捉えられるものではない。逆に日本には宇宙論を起源とするメインカルチャーが無いので(これは、権力・経済・階級制以前の社会起源を持たないことが原因)、民族風土の精神的欠落を超えられないと上記が判別できない。兆民はこれを称して理学的伝統が無いと言ったが、ルソーのように典型的な超歴史的伝統主義者(一般意思を定義せよ。この伝統は人間社会を起源としていない。)に対して、俗悪理性主義を当てはめるのは筋違い。ここにもルソーとボルテールの混同を見るようで、典型的な誤りの一つ。例えば二人の社会契約概念の極限の対立は何を原因とするかを説明できないと、西洋の捉え方が一面化してしまう。 物事は深く正確に理解しないと、かえって独善の幻想を強化してしまうから心しなければならない。 近代的生産システムとアメリカ的ライフスタイル、消費主義と功利性は、世界の中でも日本が最も明治以降追求してきたことなので、それを等閑視することには無理がある。現風俗としての状況は、欧州と比べても日本のそれは特異な消費社会を形成してきたと言え(大概の日本人はヨーロッパ人の生活振りを知ると、その質素と堅実さに驚く。)、この国をもって対決の先鞭には成り得ないとの自覚が欲しい。 グロテスクな転向の例を挙げるなら、鬼畜米英の唱道者が「西側の一員」という極端を見てきた国民にしては、過敏すぎるのではなかろうか。自己への不感と他者への過敏は、普遍性の無い正義ほど腐敗した不義はないという典型。 思うに、君の不幸は生まれる場所を誤った事にあるように思われる。例えば、ヴェーダ=アヴェスタの伝統を引き継ぐペルシャ人に生まれて敬虔なシーア派イスラム教徒としてイスラム法学の真髄を極め、西洋的覇権主義・植民主義・差別的ダブルスタンダードと闘えば、整合性と高い精神性を同時に満たせて幸福だったろう。 そうすれば、真に宇宙のメーノーグ的現実を知ることもできて、間違っても「関係性が本質なのだから。」などと嘯く民族的知性の限界に縛られることもなかったことだろう。 日本人は、倫理的かつ正統性の点でこの上ないハンディがあることを自覚せねばならない。八紘一宇、大東亜共栄圏、亜細亜開放の聖戦、五族協和、王道楽土、これらは植民主義的欲望の下に行われた凄惨な強制労働と阿片利権を蔽うスローガンだった。 上滑りするご都合主義に、また同種の相似を見る思いがする。将来、皇国史観の轍を踏むことだけは決してするな。暗い情念に囚われていると霊魂が闇に落ちるから。 儒学者の荻生徂徠は言い残している。「たかが侍のちゃんばら如きを道と称すのは以ての外。道とは先王の道ぞ。」 最初に米国の限界はどこにあるかの問いに答えられないのが君の限界と知らしたかったのだが、それに真摯に答えようとしなかったことが、今日の低迷を招いているように思われる。米国の限界は政治力学や国際関係には無く、偏に歴史的経済体制の終焉にある。もっとも、それはこの国の終わりとも重なるのだが。その先の未来を見てはどうだろうか。 一つ、世間の感覚・常識と現実が如何に乖離しているか分かり易い実例を挙げよう。日本と米国と北朝鮮のなかで、国家体制が滅びる順を示せ。答えは、日本、米国の順。北朝鮮はずっと先まで存続する。先の北朝鮮の貨幣政策が懸案だった不確定要因を除いたので、今では明瞭になっている。この事を確認するのは遠い将来ではない。大半の人は生きて確認することになる。 人の考えの数ほど現実があるのではない。事実は一つしかない。問題は、何故その一つの現実が解らないかだ。 どこで、何が、どれほど誤ってしまったのか、考えるべき時だと思うが、果たしてそれは可能なのだろうか。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/
since 1995
▲このページのTOPへ
★阿修羅♪ > 議論30掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。 すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。 |