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(回答先: 国家経営の「制度設計」が必要−雨宮処凛『”生きづらさ”…』を読んで 投稿者 仁王像 日時 2009 年 3 月 19 日 20:08:26)
『格付け洗脳とアメリカ支配の終わり』本山美彦/ビジネス社‘08年から抜粋
・ハイリスクとは、借金している貧乏人が最終的に破産してしまい、貸したカネが返ってこないというリスクである。ハイリターンとは、貧乏人からむしり取る高利のことである。その逆の「ローリスク・ローリターン」というのは、金持ちに貸し付ける場合、金利が安くなければ借りてくれないので返済は安全だが、受け取る利益は少ないということだ。P6
・一般の生産物では、その生産に要したコスト・プラス・若干の利益が価格を構成するが、金融商品はそうではない。危険な金融商品の価格は安く、安全な金融商品の価格は高い。変な価格設定である。こんなわかりずらい価格など、他にない。需要と供給で価格は決められると…金融商品にはそうした価格決定方式はない。P46
・格付け会社は、組織や人の生き死を左右する現代の閻魔大王である。市場参加者の全員が、閻魔大王の顔白をうかがう。事実上、その閻魔大王は、スタンダード&プアーズ(S&P)とムーディーズの二者である。しかも両者は、米国政府の強い後押しを受けている。他ならない米国政府が、格付けの寡占体制を支えているのだ。P66
・世界的に「信用インフレ」が拡大してしまったこと、そして急激な信用の収縮があったことの原因の多くは、FRB議長だったグリーンスパンの低金利政策と短期金融の超緩和政策にあるという説は、ポール・クルーグマンをはじめとして、根強く主張され続けている。P78
<SACが生み出した認証制度という名の詐欺>
・1975年、SAC(米証券取引委員会)は「純資本ルール」という新たな制度を導入した。証券会社が扱う証券の一定額を、準備資金として維持しなければならないという精度である。
ところが、NRSRO(米国において広く認知された格付け機関)として認可された格付け会社の、少なくとも二社から投資適格とされた証券については、準備金を置かなくても良いという優遇措置が導入された。
このNRSROが、実はくせ者である。NRSROはSECが作り出した「認証制度」である。それは純資本ルールが導入された同じ1975年、突然SECによって主張された制度だった。全米において、格付けぶりが広く承認され、投資家、起債者、市場において長らく信頼されている格付け会社が、NRSROとして認定されるという仕組みである。
これは一種の詐欺である。
全米で広く知られ、長年にわたる信頼を得るということが認定基準になっているのなら、新参者は排除される。P101-2