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東京電力は、4/17(日)に「福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」と題する事故収束に向けた工程表をプレスリリースしました。
このように早期に冷温停止状態に持っていけるとは、率直に言って驚いています。
その理由は、以下のとおりです。
1.東電のこれまでの発表データが正しければ、建屋近辺及びその内部で未だ高い放射線量が示され、とても人間が作業できる状態ではないこと。
2.これまでの爆発で、格納容器の一部が損傷している可能性が高く、特に格納容器の底部などケーブルや配管の入り組んだ場所で、冷却水の漏水箇所を特定し止水措置を施すことが簡単ではないこと。
3.主に事故後の放水で原子炉内の既存の冷却系統及び監視・測定系統に付属した電気機器が使用できる状態にあるとは思えないこと。
4.使用不可能な機器だけを交換することは難しいため、別系統の冷却系を新たに設置する必要があるが、原子炉格納容器への穿孔・溶接を伴う配管工事など簡単にいくとは思えないこと。
5.放水作業を続けながらの作業になるが、新たに設置する機器や補修の終えた機器に水をかけないようにうまくコントロールするのは困難に思えること。
6.放射線被爆のみならず水素爆発の危険性を常に背負った状態で、作業員の安全を保障できるとは思えないこと。
7.初期の段階で使用した海水中の塩分が析出しパイプ類が目詰まりを起こしている可能性があること。
ただ、今回こうして工程表が出てきた以上は、東電としてこれらを克服する一応の技術的な裏づけは取れたものと、まずは受け止めるべきと考えています。
こうしたことを前提に、改めて工程表の内容を検討してみますと、次のような疑問が浮かび上がってきます。
1.格納容器の補修が終了するまでの間は、窒素充填を行っても相当量が漏出してしまうことは明らかで、漏出を前提とした窒素ガスの継続的補充手順は確立できているのか?
2.格納容器の損傷を補修する前に燃料域上部まで水で満たすことは果たして可能なのか?
3.燃料ペレットの損傷状況によっては、今後も断続的に小規模な再臨界が生じ急激に放射線量が増加する可能性があるが、作業員の退避方法、再臨界の抑制手法について目処がたっているのか?
4.燃料冷却用プールに漏水箇所がある場合、原子炉格納容器と異なり外側からの補修は困難と思われるが、どのようにするのか?
5.そもそも、こうした工程表を作成するのに必要な各原子炉の損傷状況が詳細に把握できているのか?またできているとすればどのように調査したのか?
6.作業員の動員計画はできているのか?
もし、東電がこの工程表のとおりに今回の事故を収束することができれば何よりですし、また東電の対応能力も賞賛に値するものと評価してよいのではないかと思います。
ただ、工程表の中でも赤字で「リスク」として挙がっているように「密閉作業が長期化する恐れ」は十二分にあると思います。ここに列挙した課題が全て順調に消化され、たった6ヶ月で安定状態に持っていけるとはとても思えないのです。
もしこんなに順調に作業が進むのだとすれば、先日、国際原子力事象評価尺度をレベル7に敢えて上げたのは何故なのか詮索したくもなりますし、さらにいうと核兵器による人工地震の証拠(海水中のプルトニウム検出)を覆い隠すための計画的な事故偽装であったのではないかという疑いさえ浮かび上がってきます。
米国が東京からの避難勧告を解いたり、副島隆彦さんあたりが妙に自信ありげに事故は収束に向かう旨断言しているのも、こうした背景を前提にしているからなのかも知れません。
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