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(回答先: 鹿児島大学、岡本教授の口蹄疫関連のホームページ:獣医療法令に関するOIE世界会議 投稿者 taked4700 日時 2010 年 7 月 14 日 13:45:02)
http://vetweb.agri.kagoshima-u.ac.jp/vetpub/Dr_Okamoto/Animal%20Health/Cull%20out.htm よりコピー:
知事は法に則って口蹄疫撲滅に努めるべきである
鹿児島大学 岡本嘉六
「政治の世界は一寸先が闇」とは良く言ったものであり、「埋却地が見つからない」と発言していた某知事の真意が某大臣によって明かされた。「(殺処分した牛や豚の)埋却地についても、こちらは『とにかく早く埋めさせて』と求めたが(県などは)『(土地使用の対価となる)金の問題が片づくまで』と、少し認識が違っていた」と毎日新聞は伝えている。拡大防止よりも政府からどれだけ金を引き出すかに某知事は腐心してきたのであり、その様は某国が核開発停止の見返りに最大限の国際援助を引き出そうとした姿と二重写しになる。一方は核、一方は口蹄疫を武器に戦っていたのである。某国特有の手法だと思っていたが、某県知事も危険な脅しのテクニックを駆使していたようである。「何故擬似患畜の処分が進まないのか?」と怪訝に思っていたが、埋却地の借り上げ金額だったとは恐れ入った。それによる処分の遅れによって、どれだけ感染が広がり、どれだけの損失がでたのか?
処分の遅れを覆い隠すために「種牛49頭の処分回避要請へ」と国民の視線を逸らす作戦に出た。そのことでメディアは一斉に取材を始め、賛否両論が紙面を埋めた。一旦殺処分と決まったことを蒸し返す意図は、「処分の遅れ」を隠蔽するためとしか考えられない。新聞社、ラジオ、テレビの数社から電話取材を受けた際、兎も角、処分されたと思っていた私は、素直に「驚いた」とコメントし、「家畜伝染病予防法」ならびに「国際法規(陸生動物衛生規約)」で口蹄疫の場合は患畜と擬似患畜が判った時点で殺処分と定められていること、ならびにその科学的根拠を説明した。
その記事を読んだ動物愛好者から抗議の電話が入った。下記の記事は私が話した全文ではないものの主な論点は伝えており、掲載記事について間違いはないことを伝えたら、怒りの言葉が返ってきた。それから約40分、何とか理解していただけるよう説明し、最後は「分かりました。時間をとらせて済みませんでした」という返事で1件落着した。某県知事は、口蹄疫撲滅よりか口蹄疫対策本部長としての権限で某大臣と対決するために一般市民を巻き添えにしており、その余波が私まで押し寄せてきた。順法精神どころが、某県は日本国の法令が及ばない特別地区であるかのように、特例措置(違法行為)を主張して止まない。動物愛好者に説明した要点を整理し、無法行為に同調することがないよう一般市民の理解をお願いしたい。
「あなたは血も涙もないのですか! どうして殺すんですか!」
それしか蔓延を防ぐ手段がないからです。誰でも、生き物を好んで殺そうとは思いません。
「種牛49頭が全て感染していないかも知れないじゃないですか。感染しているかどうかを調べて、別の安全な場所に移せば良いじゃないですか。」
それが可能ならば、そうしたいです。感染していないことを確認するのは容易ではありません。臨床症状が現れる数日前からウイルスを排出しますが、感染してからそれまでに数日を要します。ウイルス排出前に血液中にウイルスが確認できますが(ウイルス血症)、それもある程度の量にならないと検出できません(検出限界)。臨床症状が現れるのはそれよりも遅れるので、臨床症状が確認された時点では、既にウイルスを排出し、周囲の動物は感染しています。
さらに複雑なことに、潜伏期間は個体の年齢や健康状態によって幅があります。国際基準では3週間とされていますので、A個体が発症していてもB個体は一見無症状なので肉眼的に分かりませんし、血中にもウイルスが出ていないので確認の仕様がありません。
このように潜伏期に幅があり、体内のウイルスを検出できるまでの感染後の日数が大きく異なることから、感染していないことを確認するのは容易ではありません(電話でこれを説明するのは至難の業であり、何度も同じことを繰返した)。
「それでも3週間すれば感染していないことが確認できるのでしょう?」
そのとおりです。しかし、家畜は集団で飼育されていますが、同時に感染が起きるとは限りません。仮にA個体が感染してからウイルスを排出までに3日、B個体が感染してからウイルスを排出までに7日を要したとすれば、次の個体の感染が確認されるまで10日掛かります。これが49頭に順番に起きた場合、490日しないと判定できないことになりますが、その半分以下だとしても数ヶ月間検査を続けなければなりません。集団飼育されていることから様々な場合が想定され、単純計算はできません。
「分かりました。それでは感染を抑えるためにインターフェロンなどでウイルスをやっつければ良いでしょう!」
そういうことも考えられますネ。しかし、だれがその経費を負担するのですか? 経費よりも問題なのは、仮にそれで発症しなかったからといって、持続感染状態(キャリアー)になっていないという保証はありません。現在ワクチン接種が行われていますが、発症しなくてもキャリアーになる恐れがあり、次の感染源となるために殺処分が前提とされています(食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会牛豚等疾病小委員会 第13回:平成22年5月18日)。口蹄疫ウイルスは精液にも排出されるので、仮に発症を抑えることができても<種牛>としてはもはや使えません。
「それでも、処分を最後に回して検査を続ければ良いじゃありませんか?」
5月16日に西都市に移動したスーパー種牛6頭の中で既に1頭の感染疑いが起きています。それからだいぶ経過しており、高鍋町の家畜改良事業団ではさらに感染が広がっているでしょう。スーパー種牛の現時点における1/6よりもかなり高い確率で感染しています。
今問題なのは、これ以上広げないために何をすべきかであって、燃え盛る火事現場の対応も大事ですが、その火の粉がどこまで飛んでいるか分からない状況で49頭の種牛問題を取上げている某県知事は口蹄疫対策本部長としての職責を果していると思いますか? 擬似患畜として殺処分が決定しているウシやブタ数万頭が10日以上放置されているのですよ。ウイルスが刻一刻と増殖し、排出されているのです。さらに、初期は水泡などから排出されているのですが、肺に達すると呼気にもウイルスが出てきます。そうなるとインフルエンザと同様に空気感染するので消毒では間に合わなくなります。数万頭の擬似患畜がどのような状態になっているのか一切公表されていないので判りませんが、きわめて危険な状態にあると私は思います。
「どうして感染した個体を処分しないのですが? 発症したものから順番に処分すれば良いのじゃないですか?」
それは私ができることではなく、某県知事の専権事項ですから。私は自衛隊にお願いして一刻も早く処分していただきたいと言い続けているのですが、某県知事はまだその時期ではないと判断しているようです。
家畜伝染病予防法や陸生動物衛生規約の説明を含め、こうした内容で何とかご理解をいただいたが、冒頭にある金銭問題が殺処分の遅れの原因だとしたら、何おか言わんやである。銭ゲバ知事は口蹄疫でひと稼ぎしようとしているのか?
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