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http://vetweb.agri.kagoshima-u.ac.jp/vetpub/Dr_Okamoto/Animal%20Health/Veterinary%20Legislation.htmよりこぴー:
獣医療法令に関するOIE世界会議
OIE Global Conference on Veterinary Legislation
Djerba Tunisia on 7-9 December 2010
(仮訳) 鹿児島大学 岡本嘉六
今回の口蹄疫流行では、具体的措置について知事と大臣の不一致が目立った。5月初旬の補償交渉による殺処分の遅れは、児湯郡における爆発的拡大を招いたが、迅速な対処が必要な初動体制に不可欠の獣医学的考え方はほとんど取り入れられなかった。
FAOが2002年に出した「口蹄疫緊急時対策の準備」は、獣医学関係者には常識となっているものであるが、とくに「第8章 口蹄疫の緊急事態対策行動期間中の組織配置」は行政を含めて広く読んでいただきたい。緊急時対応の責任と命令系統が明確になっていないと現場で混乱が生じる。さらに、防疫対策の専門家が指揮を執らないと、的外れの対応となってしまう。FAOは、所轄大臣に、勿論、最終責任があるが、主席獣医官(CVO: chief veterinary officer)が総合的な技術的責任を持たなければならないとしている。先進諸国では獣医庁が置かれており、その主席獣医官が指揮を執ることになっているが、日本ではそのような仕組みは存在しない。
様々な海外伝染病が侵入するリスクが高まっており、日本の獣医療行政を整備する必要性が今回の口蹄疫流行で明らかになったのではないだろうか? これに関して、OIEが表記の国際会議を準備しており、日本がどのように対応するのか注目していきたい。日本の獣医療の仕組みは、欧米から眺めると本文の発展途上国の一つに過ぎないことを理解しなければならない。
歓迎の言葉
世界獣疫局(OIE)は、<良好な統治のための獣医療法令の現代化(Modernising Veterinary Legislation for Good Governance)>のテーマを掲げた最初の「獣医療法令に関するOIE世界会議」を2010年12月7日から9日にチュニジアのDjerbaで開催することを発表できることを嬉しく思う。この会議は、国際化、気候変動、バイオテロ、ならびに、人間、動物および野生生物生態系の接点における新興・再興感染症に関連した脅威に直面して重要性を増している課題について時宜を得た世界的議論を提供するものである。
チュニジアの政府の好意的な承諾によって、OIEはチュニジアでこの重要な催しを開催する。このことは、獣医療法令の意義を強調するため、ならびに、政府と供与者が、発展途上国における良好な統治の法令とその他の重要要素の調和を図り、強化するために、役立つであろう。
国際的な基準と指針に沿って獣医療法令を実施することは、各国が国際的な責務を満たす手助けとなると共に、動物衛生、食品の安全性および家畜生産を改善し、その結果、食糧安全保障を向上させて、貧困を軽減するのに役立つだろう。
獣医療法令は、人畜共通感染症、家畜生産における食品の安全性、動物福祉および輸出用動物と動物由来製品の証明を含む動物疾病の発生に係る疫学的発生動向調査、早期発見、報告、迅速な対処、予防ならびに制御を含め、獣医療組織がその主要な機能を効率的に遂行することを可能にする国の構造基盤の実際に不可欠な要素である。国際貿易の増大、気候変動、ならびに、国境を越えて急速に広がり得る新興・再興感染症に直面して、獣医療組織は、新たな脅威に立向かい、その基本的機能の品質と実績に関するOIE基準を満たすために、効果的かつ現代的な法令によって支えられなければならない。
OIEは、多くの発展途上国の獣医療法令が現在および将来の課題に取組むためには時代遅れで不適切であることに気付いている。加盟国の要請を受けて、OIEは、獣医療法令が網羅すべき基本的要素に関する指針を策定した。OIE PVS Toolを使用して獣医療組織の実績評価を追跡調査し、加盟国の要請時に、国の獣医療法令を現代化しようとする政府を手助けし、それによって獣医療組織がOIE基準を満たすのを助けるための任務を遂行する。
この会議は、法令(一般法令と獣医療法令)に関して国際機関、ならびに、国の獣医療組織と専門家を代表する発表者によるプレゼンテーションを特徴とし、現代的で効果的な法令に基く獣医療組織の良好な統治に関して助言を行うものである。対話集会を通して、参加者は経験を分かち合い、OIEが取組むべき将来の課題と優先事項を特定するために招かれるだろう。
約300人の参加者がこの会議に出席すると予想され、それには以下の関係者が含まれる。
● 各国のOIE代表
● その他の政府代表と議員
● OIEと公的協定を結んでいる国際機関の代表
● その他の国際機関/民間部門の代表および専門家
会議は2日半に亘って行われ、初日には事務局声明と基調講演者が発表し、1、2、および3日目には技術的なプレゼンテーションが、3日目には公開討論会と会議による勧告が行われる。すべての本会議を通して、発言者は、英語/フランス語/スペイン語およびアラブ語による同時通訳が付けられる。
訳注: 上記の内容に関連してOIE等の国際機関が発行した出版物の翻訳を以下にリンクしますので、参考にしてください。
● テロリストの食への脅威
● 「世界は一つ、健康は一つ」への貢献: 動物・人間・生態系の接点における感染症のリスクを低減するための戦略的枠組み
● 獣医療組織の実績評価のためのOIE手法(OIE PVS手法)
● PVS手法
● 世界の動物衛生と公衆衛生のための獣医学教育
目的とテーマ
この会議の目的は、各国の特殊性(文化的、宗教的、経済的および政治的)と関連地域の活動に配慮し、以下の通りとする。
● 衛生要件と動物福祉を含めて、効果的な獣医療法令の要件、OIE指令の下で含まれる全ての事柄に係る認識を高めること。
● 国際基準と指針を国の獣医療法令に組み込むために必要な課題と手法に関して率直に話し合うこと。
● OIE加盟国(とくに発展途上国)が国際基準と指針に沿って国の獣医療法令を現代化する目標を持って政府と供与者を動かす方法に関する実務的指針を規定すること。
この会議は、以下の話題を取上げるだろう。
● 獣医公衆衛生を含む獣医療法令に関する国際的状況を解析する。
● 獣医療法令に関連する一般的法律原理の情報を提供する。
● 獣医療組織の品質と実績についてのOIE国際基準に関して国際的認識を高める。
● 獣医療法令を現代化し、その法的枠組みに従って公衆衛生部門と民間部門の獣医師にその役割と責任について関心を高め、教育するための方法に関して、情報と実務的助言を与える。
● 発展途上国の課題と優先事項を含めて、獣医療法令分野におけるOIE加盟国の経験を総括する。
● OIE加盟国が、OIE PVSの枠組み(最初のPVS評価、PVSギャップ解析、獣医療法令制定を含むPVS追跡調査)、および獣医療法令のためのOIE指針を用いてどのように統治を改善するかを討議する。
● 発展途上国における国の獣医療組織に提供可能な、それらの必要性に見合ったOIE PVSの枠組み内にある手法と支援を特定する。
● 獣医療組織を強化するための将来の必要性と優先事項についての討議を行う。これには、獣医療法令の強化を支える活動、ならびに、公衆衛生部門と民間部門の獣医師の適切な学部教育と生涯教育に係る規定に関するOIEへの勧告を含む。
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