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(回答先: 未来に美しい海浜を残したい! 〜 「万葉集、国見の歌」 と 「TUBEの海の歌」 の共振 〜 【神州の泉−高橋博彦】 投稿者 弥太郎 日時 2009 年 8 月 22 日 06:09:22)
万葉集巻一(雑歌)の詠われた舞台は奈良ではなく、古田武彦氏の指摘するように北九州であったろう。この歌に詠まれている天の香具山は、佐賀県の天山であるとこの書評氏は考えているようである。
因みに一歌では「山跡乃国」という表記が使われている。文字通りこれを素直に解読するならば、「やま」国の跡、つまり巷間議論されている「邪馬台国」の跡地と解読できる。
以下に紹介する二歌でも、原文には、「海」、「かもめ」が露わに読み込まれているのに、国文学者はこの歌の舞台が奈良である事にとらわれる。奈良盆地からは逆立ちしても海は見えないので、「海」は[湖」(みずうみ)などとこじつけ解釈をしてきたのである。
以下引用:
Translation into other language is tough., 2009/7/8
By 万葉オタク "オタク" (茨城県つくば) - レビューをすべて見る
例えば二歌は次のように英訳されている:
Many are the mountains in Yamato, but I climb heavenly Kagu hill
that is cloaked in foliage, and stand on the summit to view the land,
On the plain of land smoke from the hearths rises, rises.
On the plain of waters, gulls rise one after another.
A splendid land is the dragonfly island, the land of Yamato.
比較のために原文を下記:
山常庭 村山有等 取與呂布 天乃香具山 騰立 國見乎為者 國原波 煙立龍 海原波 加萬目立多都 怜A國曽 蜻嶋 八間跡能國者
万葉集の英訳の難しさをはっきりと見せ付けられる。ケチを付ける訳ではないが、ニー三書きとめておきたい:
(1)「山常庭 村山有等 取與呂布」における、朝廷を意味する「庭」と、「大王」と思われる「取」との関係が見えてこない;
(2)「天乃香具山」は、大王にとって特別な山であるが、英語訳では、その思いが伝わらない。そこいらの山のなかでやや目立つ程度の山という表現になっている。
(3)「煙立龍」は竈からの煙が龍が天に登るような形状であることを詠っているが、rise で置き換わってしまったため、煙の「もくもく」という情景が思い浮かばない。
(4)「蜻嶋」は、現在の杵嶋山と勇猛山だ。これらの山は当時は有明海の干潟にあったはず。この二つの南北に並んだ丘を天山から眺めると、それは羽を広げたトンボに見えた。こうした情景も、英語訳からは浮かび上がってこない。
(5)「八間跡能國」には、詠み手の多様な思いが込められている:「やま」国の「跡」であり、「八」(多分八幡神か)に関わる神への思い等などである。
(6) そして、なによりも「やまと」を多様な漢字で表記する事に込められた意味と、その歌の興趣が完全に失われてしまっている。
(7)万葉集は「漢字」を巧みに使うことで、耳だけでなく、目でも詠み手の心を聴衆に訴えている。そして、これを外国語で、外国人に伝えるには高度でかつ丁寧な表現が求められると思う。
2〜3なぞと言いながら7点も書いてしまった。
+++引用終わり
参考ブログ: http://hyoutanjima-ab3.blog.drecom.jp/