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(回答先: 東工大と三菱商事の「マルチコラボレーター研究プログラム」の第一彈である「エントロピア・レーザー・イニシアテイブ」 投稿者 石工の都仙臺市 日時 2009 年 9 月 28 日 21:57:48)
此處の部分が非常に重要。
畢竟、聯中は此の技術の重要性を當然認識してをり、
此の技術を掠め取る積もりだと云ふ事。
日本人に開發させ、其の上がり、上前を撥ねやうと。
別のところでは其の金額が二百億圓出資すると云ふ情報があつた。
一寸其の企業が何處の國の何と云ふ企業なのかは調べ切れなかつた。
「ある外國の企業が出資して呉れる事に成り、此の資金を使つて今年中には沖繩の宮古島に實驗施設を作ります。此の施設では、海水の淡水化からレーザーによるマグネシウムの精錬まで全サイクルの實驗を行ひます。投資を得られたので、政府からの補助金も必要なくなりました。」
研究者プロフイール
矢部 孝(やべ たかし)
1999年の英國王立研究所200周年記念招待講演を行ふなど、數多くの賞を受賞。
山路達也の「エコ技術者に訊く」
地球と我々の未來の行方を左右するかもしれない、環境系技術研究の現場を訪ねる。
世界は、石油文明からマグネシウム文明へ(1)(2)(3) | WIRED VISION
http://wiredvision.jp/blog/yamaji/200907/200907031401.html
http://wiredvision.jp/blog/yamaji/200907/200907031402.html
http://wiredvision.jp/blog/yamaji/200907/200907031403.html
世界は、石油文明からマグネシウム文明へ(1)
2009年7月3日
化石燃料の涸渇が迫つてゐるが、自然エネルギーだけで今の世界經濟を支へる事は出來ない。理想のエネルギーと言はれる核融合への道もまだ遠い……。だが今、エネルギーや資源の問題を一舉に解決するかもしれない研究が進んでゐる。其の鍵はマグネシウム。海水に無盡藏に含まれるマグネシウムを取り出し、エネルギー源として利用。生じた酸化マグネシウムは、太陽光レーザーを使つてマグネシウムに精錬する。此の壯大な計劃に取り組むのが、東京工業大學の矢部孝教授である。
マグネシウムを燃やして、エネルギー源にする
──次世代エネルギーとして、マグネシウムを用ゐる研究を進めてゐるとお聞きしました。マグネシウムがよく燃えるのは知られてゐますが、何故今までエネルギー源として使はれてこなかつたのでせうか?
殆どの金屬は粉末にすればよく燃えて、燃料として使ふことが出來ます。昔から、金屬燃料エンジンの研究はどの自動車會社もやつてきてゐますし、實際にマグネシウムを配合したロケツト燃料も作られてゐます。
では、何故マグネシウムが一般的なエネルギー源として使はれてゐないかと云へば、マグネシウムを作るのに莫大なエネルギーをかけなければならないからです。觸媒を使ふ今までの技術だと、マグネシウム1トンを作るために石炭が10トンも必要に成ります。石炭の發熱量が30MJ/kg、マグネシウムは25.5MJ/kgとほぼ同じ。此れでは誰もマグネシウムをエネルギー源に使ふ筈がありません。
其れならば、自然エネルギー、例へば太陽光を集める太陽爐を使つて酸化マグネシウムや鹽化マグネシウムからマグネシウムを直接精錬してはどうかと云ふことに成るわけですが、此れも困難でした。酸化マグネシウムからマグネシウムを精錬するには2萬℃と云ふ超高温に相當するエネルギーが必要で、假に太陽光を集めて其れだけの温度にできたとしても、爐が耐へられません。製鐵爐の耐熱温度が千數百℃ですから。
マグネシウムをエネルギー源に出來るなど、誰も考へてゐなかつたのです。
太陽光を直接レーザーに變換する「太陽光勵起レーザー」
──其れなのに、何故マグネシウムをエネルギー源に出來ると思はれたのですか?
きつかけに成つたのは、7年前です。私は30年以上レーザー核融合を研究してゐるのですが、其れを應用して、飛行機を飛ばす實驗を行ひました。
──レーザー核融合と飛行機にどう云ふ關係があるのでせうか?
レーザー核融合では、レーザーを使つて數千萬度の超高温を作り出します。レーザーがすごいのは、時間的にも空間的にもエネルギーを集中出來ると云ふこと。詰り、少ないエネルギーであつても、一瞬だけ一點に集中させる事で、大きな效果を得る事が出來るのです。私たちは、長さ5cmくらゐの小さな模型飛行機に水タンクを載せ、外からレーザーを照射しました。水は一瞬で水蒸氣に變はつて飛行機の後方へ吹き出し、其の反作用で飛行機が進みます。詰り、水蒸氣ロケットができたと云ふことに成ります。此の實驗で使用したレーザーの出力はたつたの5W。5Wなんて懐中電燈竝みですが、レーザーにすれば模型飛行機を飛ばすことも出來るのです。
では、人が乘れるやうな飛行機を飛ばすには、どれだけの出力を持つたレーザーがあればよいのか。計算してみたところ、1GW(1ギガワツト=100萬キロワツト)と云ふ答へが出ました。此れは大規模發電所の出力に相當しますから、こんなレーザーを電氣で作る事は出來ません。
どうしたらよいかと考へた時に思ひ當たつたのが、太陽光を其のままレーザーに變換する、太陽光勵起レーザーです。1995年、我々のグループの一人、吉田國雄特任教授がクロムとネオジムからレーザー媒質を開發してゐました。日本のある會社は此れを更に改良し、2005年には效率が42%のレーザー媒質を作る事に成功しました。太陽光を此のレーザー媒質に當てると、レーザー光線が出ます。
──此のレーザー媒質は大量生産出來るのですか?
クロムとネオジムを混ぜて燒き固めるだけですから、大量生産するのは簡單です。
ただ、レーザーで飛行機を飛ばすと云つても、そんな實驗にはどこもお金を出して呉れないので、別の應用を考へました。其れが次世代エネルギー、レーザーによる酸化マグネシウムの還元だつたのです。尤も、今ではこちらが本命に成つてしまひましたが(笑)。
世界は、石油文明からマグネシウム文明へ(2)
2009年7月3日
海水中には無盡藏のマグネシウムが含まれてゐる
──マグネシウムを燃やしてエネルギーを生み出し、できた酸化マグネシウムは太陽光勵起レーザーで還元して、またマグネシウムに戻すわけですね。然し、リサイクルを綿密にやつたとしても、エネルギー源に成るほどの量があるのでせうか?
此の地球上には、マグネシウムが無盡藏と云つてよいほどあります。海水中には石油30萬年分に匹敵するマグネシウムが含まれてゐます。
──ですが、海水からマグネシウムを取り出すにもエネルギーが必要に成るでせう?
さう思ふでせう(笑)。此處にもう1つのポイント「淡水化」があります。
2025年には、30億人分の淡水が不足すると言はれてゐます。尤も廣く使はれてゐる逆滲透膜方式で30億人分の淡水を作つたとすると、現在世界で使はれてゐる電氣の半分が必要に成ります。
其處で、太陽光を使つた淡水化裝置を作り、特許を取りました。私たちは「エレクトラ」と云ふベンチヤー企業を興し、此の裝置を海外に販賣してゐます。現在、亞細亞の二カ國から國家レベルの發注が來てゐます。
──太陽光を使つて淡水化すると云ふことは、光を集めて水を蒸發させると云ふことですか?
さう云ふことです。然し、單純に熱を加へて蒸發させようとすると大量のエネルギーを消費します。
みんな、水は100℃に成らないと蒸發しないと思つてゐますが、私たちが汗をかいたら自然に乾きますね。洗濯物も自然に乾きます。
──濕度が關係してゐるのですか?
はい。濕度のバランスをうまく調整する事で、エネルギーを殆ど使ふことなく淡水を作る事が出來ます。
現在の逆滲透膜方式は、裝置コストを1とすると、20年使つた場合のランニングコストは20。
此れに對して、私たちの裝置は裝置自體のコストも1桁安いですし、エネルギーも殆ど必要としません。スピードも速く、1臺當たり1日10トンの淡水を作れます。2Lのペツトボトルなら5000本分です。
──あとには、鹽や其の他の物質が殘ると云ふわけですね。マグネシウムはどう取り出すのでせう?
淡水を取つたら、あとには鹽(鹽化ナトリウム)と、にがり(鹽化マグネシウム)が殘ります。鹽とにがりを分離するのは、エネルギーが不要な昔乍らの方法を使ひます。
鹽化ナトリウムと鹽化マグネシウムの混合物に、上から少し水を掛けると、ぽたぽたと液體がしたたつてくるのですが、此れが殆ど鹽化マグネシウムなのです。鹽化マグネシウムは鹽化ナトリウムより水に溶けやすく、此の性質を利用するだけで簡單に鹽化マグネシウムだけを取り出せます。
マグネシウムがエネルギー源に成ると、世の中はどう變はる?
──あとは、太陽光勵起レーザーで鹽化マグネシウムをマグネシウムに精錬すると云ふわけですね。其れでは、マグネシウムは世の中でどう使はれるのでせうか?
まづ、火力發電所です。現在の火力發電所では、石油や石炭で湯を沸かし、其の蒸氣でタービンを囘して發電してゐます。マグネシウムの場合、水と反應させる事で水素が發生し、此の水素を燃やせば高温高壓の水蒸氣が發生します。此れでタービンを囘して發電すればよいのです。此れまでの火力發電所の設備は、タービンも含めて殆ど其のまま流用出來ます。發生した水素と酸素を反應させれば水に成りますから、二酸化炭素も出ません。
自動車用の燃料電池も研究が進んでゐます。例へば、米國のベンチヤー企業は亞鉛燃料電池で動く自動車を2003年に開發しました。此の自動車は百數十kg弱の亞鉛を積み、走行距離は600kmです。マグネシウムなら亞鉛に比べて3倍のエネルギー密度がありますから、10kgあれば200kmは走れるでせう。燃料と成るマグネシウムは、コンビニで賣る事を想定してゐます。爆發もしませんし、少々水がかかつても大丈夫です。マグネシウムの價格は現在kg當たり300〜400圓ですが、太陽光勵起レーザーによる精錬で價格が下がれば、マグネシウム燃料電池自動車以外はすべて消える事に成るでせう。
──マグネシウム燃料電池も水と反應させるのですか?
火力發電の場合は水と反應させますが、燃料電池の場合は酸素と反應させます。酸素と反應させると水素が發生しないため、安全だからです。水素は輕いために自動車のどこかに貯まる可能性があり、引火すると爆發してしまひます。また、燃料電池の電極に水素が附くと、電極の性能が著しく低下します。現在の燃料電池は、高價な白金で水素を吸着しようとしてゐますが、其れくらゐなら最初から水素が發生しない反應を使へばよいのです。
マグネシウム燃料電池の技術的課題は殆ど解決されてをり、今は燃料待ちの段階。マグネシウムの價格が安くなれば一舉に實用化が進むでせう。燃料電池を使つて生じた酸化マグネシウムは、矢張り太陽光勵起レーザーを使つてマグネシウムに精錬出來ます。
400Wの太陽光勵起レーザーを今年中に實現
──太陽光勵起レーザーを使つて、如何に低コストでマグネシウムを精錬出來るかにかかつてゐるのですね。
2007年に北海道の千歳にレーザーの實驗施設を作り、實驗を重ねてきました。現在4uのレンズで集めた太陽光をレーザー媒質に當て、80Wのレーザーを出力出來てゐます。80Wのレーザーでもステンレス板に一瞬で穴を開けるほどの威力があります。然し、4uに當たる太陽光は4kWですから、80Wと云ふのは2%の變換效率でしかなく、此のままでは商用化出來ません。目標の出力は400Wですが、既に目處はついてをり、今年中には達成出來る筈です。
──5倍の出力アツプをそんなに簡單に實現出來るものなのですか?
まづ、レーザー媒質に混ぜるクロムの割合を増やします。理論的には、此れだけで變換效率を3倍に出來ます。
また、太陽光勵起レーザーではかう云ふプラスチツクレンズを使つてゐるのですが、此の設計を改良します。
──えつ、こんなプラスチツクレンズなんですか?
はい、此れのサイズを大きくしたものを使つてゐます。金型でどんどん作れますから、大量生産すれば製造コストはタダみたいなものですよ。
ただし、現在のレンズは氣泡が混じつてゐたりして、太陽光を半分くらゐしか集められてゐません。金型を作り直してレンズの精度を上げれば、太陽光の透過率は2倍にはなるでせう。
レーザー媒質とレンズの改良を合はせれば、5倍の出力アツプは其れほど難しくないと考へてゐます。
世界は、石油文明からマグネシウム文明へ(3)
2009年7月3日
太陽光勵起レーザーの發生裝置は1臺50萬圓
──酸化マグネシウムからマグネシウムを精錬するには2萬℃の超高温が必要に成るとおつしやつてゐました。此れに耐へられる爐は實現出來るのでせうか?
其處でレーザーの長所が發揮されます。レーザーなら、1mmのスポツトだけ2萬℃にすると云ふことが可能です。其の周邊はすぐに冷えますから、爐全體が2萬℃に耐へる必要はありません。
──細いレーザー1本では、大量の精錬が難しいのでは?
だからこそ、太陽光勵起レーザーの裝置をたくさん作るのです。何百臺と云ふ裝置を竝べてレーザーを作り、各裝置から光フアイバーで精錬所に傳へます。酸化マグネシウムにレーザーが當たると、0コンマ數秒でマグネシウムを精錬出來ます。
──レーザーの發生裝置は高價に成りませんか?
現在東工大の屋上で實驗裝置を稼働させてをり、太陽の位置を自動追尾して最適な出力を得る事が出來ます。水道用のパイプなどを利用して組み立てたら、1基當たり50萬圓ほどで制作出來ました。
──太陽光がいつもあるところでないと、精錬は出來ませんね。
アリゾナやモンゴルの砂漠など、1年中雲のない地域は世界中どこにでもあります。かう云ふ地域でマグネシウムを精錬して、日本に持つて呉ればよいでせう。
淡水化事業からスタートし、マグネシウム循環社會へ
──マグネシウムの循環社會は、どう云ふステツプを經て實現すると考へてゐますか?
まづは、海水を淡水化する事業で利益を上げます。先に述べたとほり、既に海外から淡水化裝置の發注が來てをり、此の事業だけでも十分に利益を出せます。今後、世界の淡水ビジネスは年間150兆圓規模に成ると言はれてゐます。
次は、マグネシウムの精錬ですが、最初はエネルギー源としてではなく、資源としてマグネシウムを賣ればよいでせう。携帶電話のボデイなど、マグネシウムの需要は幾らでもあります。マグネシウムは今1kg當たり400圓と高價ですから此處でも利益を得られ、さうすれば太陽光勵起レーザーの裝置をもつとたくさん作れるやうに成ります。因に、マグネシウムに限らず、鐵やアルミ、シリコンも、レーザーを使つて同樣に精錬可能です。金屬産業の構造を根本的に變へてしまふ可能性もあると思つてゐます。
さうして十分にマグネシウムの値段を下げられるやうに成つたら、エネルギー源として、發電所や家庭、自動車に使へばよいでせう。燃料として使つた後に出來る酸化マグネシウムは、太陽光勵起レーザーで精錬してマグネシウムに戻します。
──此れからのロードマップはどうなつてゐますか?
ある外國の企業が出資して呉れる事に成り、此の資金を使つて今年中には沖繩の宮古島に實驗施設を作ります。此の施設では、海水の淡水化からレーザーによるマグネシウムの精錬まで全サイクルの實驗を行ひます。投資を得られたので、政府からの補助金も必要なくなりました。
マグネシウム循環社會は、2025年に實現する
──エネルギー生産から、産業利用、リサイクルまで、1つの街で完結するんですね!
はい。宮古島の施設が成功したら、東南亞細亞の各所に同じやうな施設を作り、もつと大規模な實驗を行ふ豫定です。
うまく行けば、2025年頃にはマグネシウムをエネルギー源とした社會を實現出來るのではないでせうか。みなさんが考へるより、早いペースで進むと思つてゐます。
──少し前には、水素社會と云ふ言葉がもてはやされました。マグネシウムではなく、水素をエネルギー源にしてもよいのではないでせうか?
水素は、保管場所が問題に成ります。700氣壓で保管すれば場所を取らないと云ふ人がゐますが、700氣壓に耐へられるタンクはごくごく小さいものしか作れず、結局は1氣壓で保管するしかありません。日本が必要とするエネルギーをすべて水素にしたとすれば、日本中の地下が水素タンクに成るでせう。
──マグネシウム循環社會の實現可能性をどう見てゐますか?
私は30年間レーザー核融合の研究をしてきました。レーザーを出す、金屬を溶かして反應させる、さうした研究はマグネシウムの精錬や淡水化にすべて活かされてゐます。そして、吉田國雄特任教授によるレーザー媒質。かうした要素が今此の時期にすべて合はさつたのは迚も不思議で、自分は此れをやるために生まれてきたのではないだらうかと云ふ氣すらします。實驗を繰り返して實證データも蓄積されてをり、實現には絶對的な自信がありますよ。
研究者プロフイール
矢部 孝(やべ たかし)
現職は、東京工業大學・大學院理工學研究科・教授。1973年、東京工業大學工學部を卒業後、同大學助手に就任。其の後、1981年に大阪大學・レーザー核融合研究センター講師、85年に同助教授、1995年には東京工業大學・教授と成り現在に至る。また大學發ベンチヤー「株式會社エレクトラ」の代表取締役も兼任。1999年の英國王立研究所200周年記念招待講演を行ふなど、數多くの賞を受賞。現在、國際數値流體學會の名譽フエロー、計算力學國際聯合の理事など。
株式會社エレクトラ
http://www.electra-mg.com/
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