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株式日記と経済展望
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軍に匹敵する独自の支持基盤を築こうとすれば、相当な時間がかかる。
28歳の金正恩のお坊ちゃんの後継者が果たして軍を掌握できるのか?
2011年12月23日 金曜日
◆北朝鮮のような3代世襲がアラブで難しかった理由 12月22日 酒井啓子
http://www.newsweekjapan.jp/column/sakai/2011/12/post-434.php
大統領制、一党独裁制を問わず、息子に跡を継がせたいと思うのは、何も最近指導者が急逝した隣国だけに限ったことではない。
「共和制なのに王政みたいに世襲する」パターンを揶揄的に「ジュムルーキーヤ」と呼ぶ、と紹介したのは、現代シリア研究の第一人者、青山弘之氏である。アラビア語で共和制を表わすジュムフーリーヤと、王制を表わすマラキーヤを合わせた造語だが、11年前に30年間の治世の後逝去した父ハーフェズのあとを継いで大統領に就任した、シリアのバッシャール・アサド政権の誕生が、アラブ世界では最初だ。
金日成の死後、金正日へと正式に引き継がれたのがその四年前だから、北朝鮮のほうがアラブに少し先だって「ジュムルーキーヤ」が成立している。しかも、北朝鮮では三代目にまで引き継がれたというのに、アラブでは今年、二代目がバタバタと倒れた。エジプトではムバーラク大統領が息子ガマールを、リビアではカッザーフィ大佐がセイフルイスラームを、イエメンではサーリフ大統領がアフマドを、後継者に目論んでいたのが、いずれも父親と没落の運命を共にした。唯一、二代目の地位を維持して長いシリアのバッシャールも、国内各地での反乱と鎮圧、国際社会からの非難と、窮地に立たされている。
身内への継承が躓くのは、多くの場合、体制内の権力関係に原因がある。ムバーラクがその典型で、52年の共和制革命以来の軍とアラブ民族主義政党の二人三脚体制に、軍と縁がなく新興財閥の支持を背景とする息子を押し込もうとしたところが、軍がムバーラク親子を見限った。それが、今年二月のエジプトでの「アラブの春」の真因である。
そもそも二代目に跡を継がそうと思っても、お坊ちゃまはなかなか軍に縁がない。過酷な軍事訓練なんてと、兵役だの訓練だのをスキップするが、軍での肩書だけは欲しい。夏休みの学生向け軍事キャンプだけ参加しただけで、いきなり二段階も三段階も特昇したりするので、それがまた、地道に階段を上って将校にまでなった軍幹部には、面白くない。
特に、親自身が軍に基盤を持たない場合は、自分の地位保全も考えて、息子には軍とは別の支持基盤を持たそうとするケースが少なくない。イラク戦争で殺害、処刑されたイラクのサッダーム・フセイン一家の場合、生前フセインは軍のクーデターを恐れて、長男ウダイに民兵と青年層を支持基盤として与えた。オリンピック委員会の委員長と新聞の主幹の地位を得て、スポーツとメディアを牛耳ったのである。ムバーラクの息子ガマールが財閥をバックにしたのも、軍への対抗できる後ろ盾を、との意味があった。
しかし強大な軍に匹敵する独自の支持基盤を築こうとすれば、相当な時間がかかる。ガマールもウダイも、10年以上かけて模索しながら、実現できなかった。バッシャールは、就任直後は軍や古参党員と距離をおいて民主化を進めるのでは、と期待されていたが、形だけの自由化は一年続いて終わった。現在の反乱鎮圧状況を見れば、先代同様に軍、党と大統領が強固なタッグを維持していることがわかる。
十年近くかけても、息子に新しい地盤を準備、与えられる親はなかなかいない。さて、隣国の新指導者は、エジプト型になるのか、はたまたシリア型になるのだろうか。
(私のコメント)
金正日の死によって、アラブで起きた民主化運動が北朝鮮に飛び火するのか注目されますが、軍の動向がカギを握っています。金正日は国民が300万に餓死させようが平気な人物だったから軍部への粛清も強力に行なわれたのだろう。少しでも疑いをもたれれば直ぐに処刑して軍部を恐怖に陥れて、協力的な軍幹部には恩賞を与えて抜擢をする。
独裁政権を維持するにはスターリン的なやり方しか通用しないのであり、金正日は多くの党や軍の幹部を処刑することで独裁体制を維持してきた。スターリンも毛沢東もそのようなやり方で独裁を維持してきましたが、独裁者が死ねば誰もがこのような恐怖政治には止めたいと思うだろう。軍の幹部の粛清されることを恐れるから金正恩がそのような動きに出れば軍の中でも動きが出るだろう。
中国から見ても金正日はなかなか中国の思い通りには動かなかった。まだまだ北朝鮮のこれからの動きを予想することは難しいですが、当面は体制維持が最優先されるだろう。しかし権力闘争の芽がすでに出ており、金正恩ではダメだとなれば軍部の中にクーデターを仕掛ける動きが出るだろう。もちろん背後には中国の支援がある事が前提になる。
そうなれば軍部による軍事政権で北朝鮮が動くことになりますが、軍内部の動向がまるで分からない。金正恩が表舞台に出てきたのは一年前のことであり、権力基盤を築くにはあまりにも短すぎるし若すぎるし人脈も出来ていないだろう。アラブの独裁国家でも息子に権力の継承が試みられていましたが、軍の支持が得られず失脚した。シリアのバッシャールはまだがんばっていますが、いずれ失脚するだろう。
驚くべきことは世界のどの国も金正日の死を察知できなかったことであり、世界各国の情報部はいったい何のために活動しているのあろうか? 平城には多くの外国の大使館もあり情報の収集に当たっているはずですが、どこも察知することに失敗している。葬儀などを見てもかなり前から準備されていたようですが、どこも察知できなかったのだろうか?
北朝鮮の防諜はかなり厳密であり、スパイが入り込む余地がないことは独裁国家だから仕方ありませんが、指揮していた金正日が亡くなったのだから、誰が動き出すのか疑心暗鬼のはずだ。一番のポイントは軍の最高幹部の動きですが、これも情報がなくて分からない。韓国のように軍事クーデターが起きて軍が政権をとった軍事政権になるだろうと予想しています。
もし金王朝が続けば軍部はまた粛清に怯えなければなりませんが、そんな事は避けるはずだ。90年代にも軍部にクーデターの動きがあったようですが、軍部にしても数月内に動かなければクーデターも難しくなるだろう。問題は国民の動向ですが、地方で暴動が起きてそれが全国に広がる可能性がある。政府や軍がそれにどう対処できるかが注目点ですが、そうなれば動きは一気に体制崩壊に繋がることになる。
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