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李明博(イ・ミョンバク)大統領の中央アジア訪問に同行した小説家の黄ル暎(ファン・ソクヨン)氏は13日、「米国や欧州の左派も大きく変わった。古典的な左派の理論のままではいけない。諸外国の左派は、底辺からパイを大きくしていくような形に変わってきている」と述べた。
黄氏はこの日、カザフスタンで行われた記者懇談会で、これまで左派的な活動をしてきた自分が、右派の李大統領の4泊5日間にわたる外遊に同行したことについて、「(左派の市民団体から)非難を浴びる覚悟はできている。だが、大きな枠の中で(左派と右派が)共存していけるよう努力していきたい」と述べた。一方、大統領府の関係者によると、黄氏が今回の李大統領の外遊に同行したのは、李大統領の要請に基づくものだったという。黄氏は1989年から、北朝鮮に3年間滞在し、国家保安法違反の罪に問われ4年11カ月にわたって服役した。
文化人としては初めて、李大統領の外遊に同行した黄氏は、「わたしは2005年以降、中道論を主張してきた。韓国の進歩主義政党を自任する民主労働党も、非正規雇用者(パートタイマー、契約社員など)や外国人労働者の問題にまで取り組むことはできず、労働組合主義の殻に閉じこもっている。左派はリベラルでなければならないが、過去の権威主義政権下、反独裁・民主化運動が抑圧されてきた当時の慣行が残っているのだろう。ハンナラ党が嶺南(慶尚道)の土着政党、民主党が湖南(全羅道)の土着政党だった時代には、望ましい進歩派・保守派のレベルに達していなかったが、ハンナラ党がソウル市民から支持を得て、全国的な政党としての土台を築いたことは、大きな前進だ」と述べた。
また黄氏は、「竜山撤去民惨事(ソウル市竜山区の再開発地区で、商業ビルの屋上に立てこもっていた立ち退き対象住民ら5人と警察官1人が死亡した爆発・火災事故)」は、現政権の失策だ。だが、(1980年の)光州事件(光州民主化運動)のような事件は韓国だけで起きているかと思っていたが、70年代のイギリスでも市民のデモに発砲し、30−40人が死亡しているし、フランスもまた同じだ。そうした歴史を経て成熟した社会が形成されてきているのであり、韓国でも今や、大きな枠の中でどのような道を進んでいくかを考えていくべきときだ」と語った。
一方で黄氏は、「一部では現政権を保守・右翼と決めつけているが、李大統領は明らかに中道的な考えを持っていると思う。現政権は発足直後に(米国産牛肉の輸入に反対する)ろうそくデモなどに巻き込まれ、落ち着いて政策に当たる機会が与えられなかった。1年間にわたって混乱状態にあり、やることなすことうまく行かなかったようだ」と述べた。その上で「北朝鮮問題は来年上半期までに解決できなければ、現政権下で解決するのは困難だと思う。来年上半期までが勝負だ」と指摘した。
今回の李大統領の外遊に同行した理由について黄氏は「李大統領とわたしは、考えが共通しているところがあると思い、外遊に同行した」とした上で、さらに韓国・北朝鮮とモンゴルを一体化させた「モンゴル+ツー・コリア」構想を主張した。モンゴル東部の400万ヘクタールの土地で、韓国の技術と北朝鮮の労働力を活用して開発事業を行い、これを土台として、南北の「休戦体制」を「平和共存体制」に移行させようというものだ。黄氏は「昨年秋ごろから、李大統領と数回意見を交わし、“モンゴル+ツー・コリア”構想について“一度検討してみよう”ということになった」と語った。
李大統領は90年代初め、公州刑務所に服役していた黄氏と2回面会し、またソウル市長在任中の2004年には米ニューヨークで会って、夜遅くまで酒を飲んで親交を深めたという。黄氏は「李大統領をどう評価しているか」という質問に対し、「政治は優等生だけのものではない。今の状況では、夜学の出身者(李大統領は同志商業高校の定時制出身)が優れた政治を行えるだろう」と述べた。
http://www.chosunonline.com/news/20090514000042