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インド・ムンバイ同時テロ:インド・パキスタン緊張 双方「国境に軍展開」
http://mainichi.jp/select/world/news/20081201ddm007030137000c.html
【バンコク栗田慎一】インド西部ムンバイで起きた同時多発テロ事件で、パキスタン非難を強めるインド政府にパキスタン側が猛反発。双方が軍部隊の国境への移動に言及するなど緊張が高まっている。現時点では両国とも、強硬姿勢をアピールする狙いとみられるが、01年のイスラム過激派によるインド国会襲撃事件後には、両国が国境線に計100万人の軍部隊を集結させる一触即発の事態を招いた。今後、感情的な対立が高まれば、両国関係は危険な水域に入りかねない。
インド与党国民会議派は29日、ニューデリーで緊急幹部会を招集。来春の総選挙を前に、野党勢力が「政府のテロ対策の不十分さ」を攻撃し始めたことへの対応が議題だった。
関係者によると、この中で一部閣僚から「事件の黒幕はパキスタンに違いない。軍部隊を国境に集めて圧力をかけるべきだ」との強硬論が出た。結論は持ち越されたが、やり取りが地元記者に伝わり、「政府が近く重大決定をするようだ」との情報が広まった。
パキスタンでは29日、シン印首相がパキスタン軍情報機関(ISI)長官のインド派遣を求めたことに、軍内部は猛反発していた。軍関係者によると、キヤニ陸軍参謀長は同日、ISI長官やギラニ首相ら政府幹部と緊急会談した。「インド政府が国内批判の目をパキスタンに向けようとしている」との意見が続出。「パキスタンへの非難が続くならば、軍はアフガニスタン国境線でのテロとの戦いを中断し、軍部隊をインド国境に展開する可能性もある」との考えで一致した。
その上で、「(アフガニスタンでの対テロ戦を主導する)米国や北大西洋条約機構(NATO)に対し、我が国の意向を伝えてインドに冷静な対応を求める」ことを確認。軍幹部は毎日新聞などに対し、「最終決定ではない」と前置きした上で、この方針を明らかにした。
今回の事件でインド当局は、パキスタンを拠点とするイスラム過激派の関与は濃厚とみているが、公式にはISIなどパキスタン政府・軍の関連にまでは言及していない。一足飛びに強まったパキスタン非難については、最大野党「インド人民党」からも、「政府の責任逃れだ」(党幹部)との批判も出ている。
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◆最近のインド・パキスタン関係◆
98年 5月 両国が核実験
99年 5月 両国が領有を争うカシミール地方北部で軍事衝突。2カ月半の戦闘で千数百人が死亡。71年の第3次印パ戦争以来の大規模衝突に(カルギル紛争)
01年12月 インド国会にイスラム過激派が突入を図り十数人死亡。インド側はパキスタン関与を主張。翌年夏にかけ、両国国境に両軍計約100万人が集結し、「核保有国同士の全面戦争の危機」に
03年 4月 バジパイ印首相(当時)が対話を呼びかけ、関係改善がスタート
04年 1月 バジパイ首相がイスラマバードを訪問しムシャラフ大統領(当時)と会談。和平対話開始で合意
06年 7月 ムンバイ連続列車爆弾テロで和平対話が一時中断
08年11月 ムンバイ同時多発テロで、緊張高まる
毎日新聞 2008年12月1日 東京朝刊