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「韓半島‘終戦宣言’デザイナー、フィリップ・ゼリコー氏」
中央日報2007年10月6日
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=91726&servcode=500§code=500
(コメント)コンドリーザ・ライスは、朝鮮半島情勢について「アジア版ヤルタ会談」の発想を胸中に暖めていたというから、意外だった。ライスは、在野時代から旧ソ連や東欧に関する造詣が深かったというから、冷戦終結的なシナリオを立てているのだろう。
それと呼応するが、朝鮮戦争以来(1953年以来)、歴代のアメリカ政府には「朝鮮半島統一」の構想や政策が多く見られる。
2007年8月15日発行の「統一日報」の特集記事、「ブッシュ政権の政策転換」にも、ライスが抱く「ゼリコー構想」の経緯が述べられている。
「ブッシュ政権の政策転換」 真田一輝
http://www.onekoreanews.net/past/2007/200708/news-tokusyu02_070815.cfm
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「韓半島‘終戦宣言’デザイナー、フィリップ・ゼリコー氏」
中央日報2007年10月6日
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=91726&servcode=500§code=500
2007年10月4日の南北首脳宣言では「韓半島終戦宣言」がハイライトだ。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と金正日(キム・ジョンイル)国防委員長、ブッシュ米大統領が会って地球上最後の冷戦地帯の終焉を知らせるイベントを推進するという内容だ。終戦宣言はブッシュ大統領が提案し、盧大統領が伝え、金委員長が受け入れる流れで推進されている。
東アジアの安保秩序を根本的に変える終戦宣言のデザイナーはフィリップ・ゼリコー前米国務省顧問だ。 ロースクール出身の弁護士であり政治学博士でもあるゼリコー氏は法廷ではなく外交の道を選択した。
国務省に勤務していた昨年春、いわゆる‘ゼリコー報告書’をブッシュ大統領に提出した。 北朝鮮の核問題解決のための6カ国協議が膠着状態に陥っていた時期だ。 ゼリコー報告書の核心は「韓半島停戦協定を平和協定に変える果敢な接近法で、北核問題解決にとどまらず、一気に北東アジア冷戦構造を解体しよう」というものだ。 この報告書はブッシュ大統領の感受性を刺激した。
ゼリコー構想が完成される過程では韓国政府も積極的に働きかけたという。 匿名を求めた韓国の外交当局者は5日、「ゼリコー氏の事務室に政府高官を派遣し、平和体制構想について意見交換した」とし「一方的に話を聞くのではなく、積極的に韓国の立場を反映させるために努力した」と説明した。
当初ホワイトハウス・国務省のネオコン(新保守主義者)らは「夢想レベルの話」だとしてゼリコー構想を一蹴した。 しかし「ドイツ統一とヨーロッパの変換」という共著を出した学問的同志であり17年間の友人であるコンドリーザ・ライス国務長官が積極的に後押しした。 ライス長官に対するブッシュ大統領の信頼も作用した。
ライス長官とゼリコー氏の変換外交は、‘ムチ’と‘ニンジン’を絶妙に配合する現実主義的な手段と積極的努力で状況を変えていく外交方法論をいう。理念過剰と‘ムチ’の力を過信するネオコンとは異なる方式だ。
ブッシュ大統領が平和体制構想に初めて言及したのは06年11月にベトナム・ハノイで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議と伝えられている。 しかし実際は同年4月のホワイトハウスで行われた米中首脳会談にさかのぼる。 ブッシュ大統領は中国の胡錦濤・国家主席に対し、「平和協定の締結も検討できるということを金委員長に伝えてほしい」と要請した。 胡主席は直ちに唐家セン国務委員を平壌(ピョンヤン)に送った。 しかし金委員長は「米国がマカオのバンコ・デルタ・アジア(BDA)北朝鮮口座凍結問題など対北朝鮮敵視政策をやめるのが先だ」とし、消極的な立場を見せたという。
こうした状況でブッシュ政権は「核放棄なら平和体制約束」という‘ニンジン’を提示した。 ゼリコー報告書に基づくものだ。 結局、北京6カ国協議で2・13合意を引き出し、‘ゼリコー構想’は急浮上した。 9月にシドニーで開かれた盧武鉉−ブッシュ首脳会談は、10月4日の盧武鉉−金正日合意の前奏曲だった。
‘盧−金’合意は、ゼリコー氏のデザインに沿ったブッシュ大統領の後押しによって実現した可能性も排除できない。金委員長は‘悪いことに補償はない’という攻撃には屈服しないが、‘良い行動に大きな補償がある’というゼリコー式変換外交には反応しているように見えるからだ。 ただ盧大統領の任期が残り5カ月余と短く、盧−金−ブッシュが一堂に会するのは物理的に限界がある。
◆フィリップ・ゼリコー(Philip D Zelikow、53)=ヨーロッパ政治を専攻した国際政治学者で、父のジョージ・ブッシュ政権時代から米国務省とホワイトハウス国家安保会議(NSC)で勤務した。 1989年にNSCの同僚として初めて会ったコンドリーザ・ライス国務長官により国務省顧問に抜てきされた。 米同時テロの検証、中東戦略の樹立など国務省の戦略家として活躍し、昨年12月にバージニア大の教授になった。
イェ栄俊(イェ・ヨンジュン)記者
2007.10.06 10:25:44