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http://mainichi.jp/select/world/news/20080425dde007030029000c.html
シリア:「核、北朝鮮が支援」 米強硬派の反発必至−−米朝協議に圧力も
【ワシントン小松健一】米政府が24日、北朝鮮の支援によるシリアの「原子炉建設」を公表したことで、北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議の行方が焦点となった。ブッシュ政権は北朝鮮に早期に「すべての核計画の申告」を履行させ、核放棄への「第2段階措置」の完了を目指す姿勢を変えていない。しかし、疑惑を否定してきた北朝鮮がどう反応するかが不透明な上、米政権内や議会の強硬派が反発を強めるのは必至と見られ、米朝協議の仕切り直しを余儀なくされる可能性もある。
北朝鮮の核申告については、申告が信頼できるのかという批判が政権内や議会の強硬派から高まっていた。このため、ブッシュ政権は申告内容を確認できる「検証措置」に力点を置いている。ペリーノ報道官も検証措置を強調する一方で、核技術供与問題では「これ以上の拡散活動に関与しない保証」を求めるにとどまっている。「米朝協議をこれまで通り進める米政府の意思」(国務省当局者)が声明で確認された形だ。
しかし、議会の圧力で非公開公聴会に踏み切った経緯もあり、今後、議会の強硬派が米朝協議への関与を深める可能性が高い。シリアに核協力を行っていたことで、北朝鮮への強硬姿勢を求める声がさらに高まることも予想される。
一方、声明はイランに加えてシリアも核拡散の脅威とすることで、国際社会に「一層の措置をとるよう」強く要請した。イランの核に手をこまぬくうちに、シリアも「核開発」を進めていた重大性を強調し、両国への包囲網強化で各国の協力を得たい意向だ。
これまでブッシュ政権がイスラエルの空爆について言及を避けてきた背景には、ブッシュ大統領の中東和平仲介努力への影響を抑えたいとの判断もあったとの見方がある。
しかし、イスラエルに対するアラブ諸国の不満が高まれば、ブッシュ大統領にも矛先が向かうのは間違いなく、シリア、イランの包囲網が思惑通りに築ける保証はない。
◇シリアは全面否定
【ロンドン高橋宗男】シリアのムスタファ駐米大使は24日、米政府の声明について「北朝鮮と核協力をしたことはない。空想の話だ」と述べ、改めて核開発を全面否定。米CNNのインタビューに答えた。シリアは昨年9月のイスラエル軍による爆撃について「軍施設に対する攻撃」と説明するにとどめている。
シリアがミサイル技術や化学兵器のミサイル弾頭に関する技術協力を北朝鮮から得ていることは事実とみられている。しかし核技術に関しては明確な証拠は見つかっていない。
今回の情報は主にイスラエルからの提供だが、イラク戦争を通じて米国の情報活動への信頼性は低下した。また、イラン核開発疑惑でも昨年「03年秋に核兵器開発を停止した」と下方修正。今回も評価は分かれそうだ。
米国はイラク、レバノン、パレスチナ問題などで、シリアに圧力をかけ続けてきた。シリア政府にはアサド政権を敵視するブッシュ政権への不信感が極めて高く、今回の米国の主張はこれを増幅するとみられる。
毎日新聞 2008年4月25日 東京夕刊