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http://www.news.janjan.jp/world/0803/0803062078/1.php
イタリア:事実を暴く映画が本国で上映へ
CIAによるテロ容疑者の不法な移送と、海外の秘密刑務所での裁判なしの拘置である「特例拘置引き渡し」の問題について報告する。この問題にイタリア政府も関連したある事件の実話に基づいた映画「Renditions」(引き渡し)が、2月28日からイタリアの映画館でも上映されているという。
【ローマIPS=サビナ・ザッカロ、2月27日】
人権団体アムネスティ・インターナショナルは、イタリアはCIAによる「特例拘置引き渡し(extraordinary rendition)」について立証されている少なくとも2件への関与を認めるべきと訴えている。この要求は、2002年に2人のテロリスト容疑者の秘密裏の移送に米国が給油のため英領米国:国家機密のベールで覆われた引き渡し島の米軍基地を2回使用したことを英国政府が最終的に認めたことを受けてのことである。
1件は、2002年9月にニューヨークで米当局に拘束され、シリアに送還されて11カ月にわたり拘留され拷問を受けたシリア生まれのカナダ人Maher Ararさんである。アムネスティによれば、シリアに向かう飛行機がローマのチャンピーノ軍用空港に立ち寄った。イタリア政府は公式にこれを否定している。
昨年カナダは、Ararさんに正式な謝罪を行い、900万ドルの賠償支払いに同意している。
南アフリカの監督ギャヴィン・フッドによるこの実話を基にした映画「 Renditions 」(引き渡し)が2月28日からイタリアの映画館で上映されることになった。2007年に世界各地で上映されたこの映画は、米国より欧州で人々の関心を多く呼んだ。アムネスティのイタリア支部リカルド・ヌリー広報官は、映画が人々の意識を高め、「特例拘置引き渡し」の犠牲者に正義がもたらされることに役立つことを期待すると述べている。
こうしたイタリアの共謀については、囚人の引き渡し事件を調査し、CIAとの共謀による人権侵害を犯したEU加盟国に対し制裁を科すことを目的に2005年に欧州議会によって任命された特別委員会が立証している。
委員会による1年間の審問・調査の結果、2001年末から2005年末の間に少なくとも1,245回に及ぶ引き渡しの飛行機が欧州上空を通過もしくは域内空港に立ち寄ったものと判断された。委員会は、欧州理事会に対し独立調査とともに「必要な場合は」加盟国に対する制裁を求めたが、EUにその意図はないものと思われる。関与が立証された国は、イタリアの他に、ドイツ、スウェーデン、スペイン、アイルランド、ギリシャ、キプロス、デンマーク、トルコ、マケドニア旧ユーゴスラビア共和国、ボスニア、ルーマニアである。
もう1件、2003年にミラノでCIA諜報員に拉致され、ドイツ、エジプトに送られて拷問を受けたAbu Omar氏の事件の担当検察官は、「引き渡しは単に人権侵害の問題に留まらない。違法な方法はテロとの戦いに決して有効ではない。映画『Renditions』や不法な尋問に関与した元諜報員が確証しているように、拷問から有用な情報は得られない」と述べている。
CIAによるテロ容疑者の不法な移送と、海外の秘密刑務所での裁判なしの拘置である「特例拘置引き渡し」の問題について報告する。(原文へ)
翻訳/サマリー=坪沼悦子(Diplomatt)/ IPS Japan 山口響
IPS関連ヘッドラインサマリー:
「強制送還」の忌まわしい事実
ドイツ上空を秘密飛行するCIA関連航空機
米政権のテロ容疑者対策、内外で厳しい非難を巻き起こしている
ローマIPSのサビナ・ザッカロより、CIAによるテロ容疑者の不法な移送と海外の秘密刑務所での裁判なしの拘置である「特例拘置引き渡し」の問題について報告したIPS記事。(IPS Japan山口響)