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(回答先: 『犯罪不安社会〜誰もが「不審者」』浜井浩一・芹沢一也 投稿者 仁王像 日時 2008 年 9 月 28 日 17:21:13)
4章 厳罰化が作り出した刑務所の現実/浜井浩一(つづき)
<高齢化する刑務所>
・刑務所の高齢化は、一般社会をはるかに超えるスピードで進行し、それにともなって刑務所で死亡する受刑者も急増している。さらに、死因は、がん・脳溢血・肝臓障害・心疾患など多岐にわたり、すべてにおいて死因が増加している。
刑務所は社会を映し出す鏡である。アメリカの研究でも福祉予算の比率が相対的に低く、弱者を切り捨てる不寛容な社会(州)ほど、刑務所人口比が高いという研究がある。
「割れ窓理論」と称する「軽微な秩序違反から犯罪の芽を摘む」というゼロ・トレランス(寛容度ゼロ)的な厳罰化は、自立困難な再犯へと追い込み、刑務所に送り込んでくる。
<刑務所は「福祉の最後の砦」>
・そもそも現在、刑務所に収容されている受刑者は、本来、刑事司法の中で刑務所が設計された際に想定されていた人たちなのだろうか。
過剰収容下にもかかわらず次々と送られてくる受刑者をさばき続けながら、私が見た刑務所は、「治安の最後の砦」ではなく、「福祉の最後の砦」になっている姿であった。
<刑務所人口が増えた理由>
・治安が悪化したと考え、監視を強化し、地域から不審者を狩り出し、厳罰化を行った結果、大量の社会的弱者が刑務所に送り込まれることになった。
・‘04年に開催されたアメリカ犯罪学界では、刑罰による犯罪抑止効果の総合的検証プロジェクトの中間報告がなされていた。そこでは、40以上の抑止効果の実証研究をメタ分析という統計手法を用いて検証していたが、重罰化には統計的に有意な犯罪抑止効果はないということが報告されていた。
〔臭うぞう〜〕
生活に困窮した老齢者が、軽犯罪を犯して牢獄に雨露と糊口をしのがざるを得ない時代と思っていたが、実にそのとおりの実態。何んと言う世の中だ。自分をその立場に投射して考えると身がつまされる。