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Re: 最高峰の黒人大学に初の白人卒業生総代(Don't Believe the Hype)
http://www.asyura2.com/08/social6/msg/134.html
投稿者 こげぱん 日時 2008 年 8 月 30 日 23:21:46: okIfuH5uFf.Lk
 

(回答先: Re: 祝・4059校の頂点〜甲子園優勝校・大阪桐蔭の暑〜い暑〜い夏 投稿者 こげぱん 日時 2008 年 8 月 30 日 23:18:35)

「人を育む真のエリート校」も、このような気の利いた教育すりいいのだが・・・

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http://ameblo.jp/sunshine-berkeley/day-20080520.html

2008-05-20 18:15:19
最高峰の黒人大学に初の白人卒業生総代
テーマ:黒人文化


アメリカでは今は卒業式の季節。ジョージア州アトランタにある黒人大学の最高峰、モアハウス大学(Morehouse College)では開校141年以来初めて白人学生が卒業生総代に選ばれて、全米で話題になっている

モアハウス大学は、南北戦争終結2年後に黒人のリーダーを育成するとの目的で開校された黒人男子校で、

マーティン・ルーサー・キング牧師や映画「マルコム X」で有名な映画監督、スパイク・リー、俳優のサミュエル・L・ジャクソン、詩人でラッパー、俳優でもあるサウル・ウィリアムス、陸上400mハードル金メダリスト、エドウィン・モーゼスなどの著名人を世に送り出し、各界で活躍する強力な黒人社会のリーダー達を育成してきた。

ところが今年は、白人のジョシュアー・パックウッド(Joshua Packwood  経済学専攻、22才)が卒業生総代に。彼はコロンビア大学からの授業料全額免除の申し出を断り、モアハウスを選択、GPA 4.0(grade point average-テストの平均値が85-100点の成績。AまたはA+)、学生にも人気があり、学生自治会の委員長を務め、“おまけにトム・クルーズばりの、俳優のようなルックス”。就職先は、ゴールドマン・サックスに。


彼は白人・アイビーリーグ校、コロンビアをけって、なぜ黒人”アイビー・リーグ”校、モアハウスを選択したのか。彼の生い立ちを見てみると・・・。

ジョシュアはミズリー州カンサス・シティーの貧困層地区に生まれ、両親は彼が幼い頃に離婚。母親は黒人男性と再婚し、黒人居住区へ。しかし母親は彼の妹を産んで、その男性とも離婚。彼は黒人ミドル・クラスの彼の親友の家で面倒を見てもらうことに。この家での経験は、彼にとって「アメリカの別の側面を見た貴重な経験だった」。

そして、白人が少数の市内の高校へ進学する。

十代の頃は喧嘩をして、2,3回、留置場にも。しかし成績は常にトップ・クラス。そして、コロンビア大学とモアハウス大学から授業料全額免除の申し出が。彼の家族は全員、コロンビア大学への進学を勧めた。しかし、彼は、「アフリカン・アメリカン・スタディズ(黒人学)に興味があった。モアハウスでは、それができる最適の大学だと考えた。海外で勉強できるチャンスがあるというのも魅力だった」と考え、モアハウスへ進んだ。

モアハウスでの経験は、概して彼の思い描いていた通りの素晴らしいものだった。成績優秀のため、夏はウォール街にあるモルガン・スタンレーとゴールドマン・サックスで過ごし(インターンシップ)、ロンドンとコスタリカで研修し、専門科目の研究では中国とスイスで学んだ。仲間との交流もほんの少しの例外を除いては、順調に運んだ。

「その例外とは、ある日、1人の黒人学生が近づいてきて、”お前がここにいるのは気に食わない”と言ったので、”なぜか?”と尋ねると、”お前が黒人の女の子とデートするのは気に食わないんだ”といった。そこで、”意見はありがたいけど、その意見には俺は賛成しない”と言った。今ではそいつとは、特に親しいというわけではないけど、まあまあ仲のいい友達になっている」

その学生、ヴィンソン・ムハンマドは、「彼が黒人だけの大学に、なぜ来ているのか不思議で仕方なかった。自分は彼がここにいるのを支援するわけではないけど、彼が白人だからと言って差別してはいけないと思う。彼が自分の人生における使命を果たして、成功してくれるよう応援している」と語った。

2年生のウェンデル・マーシャルは、「今はもう黒人大学は時代遅れだ。他の多くの大学では、もっと良い教育を行っているという人も多い。しかし僕は、ハーバードを衰退させて、モアハウスの力と知名度をアップさせた白人の男といつの日かいわれるようになるかもしれない、その男に会いにここへ来た」といった。

人種問題についての討論になると、ジョシュアは常にパネラーの席に座らされて、意見を述べることを求められた。彼が自分の意見を述べることを控えていると、教授や学生達から、「どうか率直に君の考えや意見を言ってほしい。我々は、このようなことを他の白人に聞くわけにはいかないんだから」と言われた。

「黒人学生達に囲まれて過ごしてみて、今、感じていることは、多様性ということについて、更に深く学んだということだ」とジョシュアは言った。「自分はここで4年間過ごしたが、それでもまだ黒人という言葉についての定義を述べることができない。黒人の男とは何か、語ることができない。そのことについてここではさらに深く考え、人々について多くを学んだとは思うけど」と語った。

「ジョシュア・パックウッドは、モアハウスそのものだ」とロバート・フランクリン学長は、言った。「彼はユーロ・アメリカンだが、この我々のキャンパスに多様性をもたらしてくれた。大変喜ばしいことである」

「民族に差異はない。差異をももたらすのは、人々の心だけだ」と学長は語った。

*モアハウス大学最初の白人卒業生は、1966年に卒業したハワード・ゼハー(Howard Zehr)。以来、何十人かの白人学生が卒業している。なお、ジョシュアの弟も、今年、モアハウス大学に入学する。

*モアハウス大学には、ゴールドマン・サックスの「グローバル・リーダーズ・プログラム」(グローバル・リーダー養成プログラム)が設置されているようだが、これについてはちょっと深く考えさせられる。大学運営には費用がかかることは分かっている。しかし、実に巧妙に・・。

CNNのビデオ

http://edition.cnn.com/2008/US/05/16/white.valedictorian/index.html#cnnSTCVideo

http://edition.cnn.com/2008/US/05/16/white.valedictorian/index.html

http://www.chicagotribune.com/news/nationworld/chi-joshua-packwood-morehouse-college-080512-ht,0,110435.story

http://www.morehouse.edu/

ーーーーーーーーーーーーーー

これについて私の思ったポイントを3点。

1.多様性について

ライスやオバマを“オレオ”(外側が黒で中に真白いクリームが詰まったクッキー。オバマはそれでも近頃は、妻、ミシェルやライト師の影響で、少しは白色から薄い茶色のまだら模様も見えては来ているようだが)と呼ぶなら、このジョシュア・パックウッドは、”お饅頭”(中に黒い小豆のあんこの入った)ということになるのか。何度かこのブログでも書いたが、異民族・異文化理解とは、生身で体感することが一番手っ取り早い方法だ。

それにしても”多様性”の尊重を、オバマも、ライト師も、モアハウスも説いているのが面白い.(モアハウスの卒業生、マーティン・ルーサー・キング牧師は、公民権運動のシンボリックなキャッチ・フレーズとして、”レインボー革命”という言葉を掲げていた。これは”多様性”を意味する言葉だが)。

文化人類学の分野では、もう半世紀以上も前からこの重要性を唱えていたし、東京のASIJ(アメリカン・スクール・イン・ジャパン)のような、世界各国からの生徒が集まっているような学校では、教育目標の第一に掲げられていた。

ヨーロッパでは、アメリカよりもっと早くからこの重要性が唱えられていたし、アメリカでも西海岸のサンフランシスコ・ベイエリアでは、公立学校に中国語や日本語、スペイン語なども教えるバイリンガル・スクールが設立されており、”多様性”の尊重ということが教育理念の重要課題として挙げられていた。しかし全米規模でみると、まだまだアメリカの白人特有の「エスノセントリズム(自民族中心主義)」が、”アメリカ人の価値観”として、大手をふるってまかり通ってきたというのが現実だった。

ところがここにきて、政治・経済ともに雲行きが怪しくなり、方向転換の必要が迫られているせいか、オバマの唱える、“チェンジ(変革)”と”多様性”がアメリカの流行語のようになってきた。モアハウスの学長が、かつての”黒人の復権”を目指した教育理念から、”多様性”を強調した教育理念へと方向転換したかに見える傾向も、時代の流れというものかもしれない。話は飛ぶが、これからしても、今度の大統領にはオバマがなると“決められている”ような気がする(笑・・・多様性を唱えながらの・・・かなという?)。

2.黒人の拡大家族的考えについて

ジョシュアが母親の2回目の離婚をした後、彼は彼の親友の家で面倒を見てもらうことになったが、こういうことをする日本人はなかなか珍しいのではないだろうか。

ところが黒人の人たちは、割と平気で他人の子供でも預かって、自分の子供同様に面倒見る人が多い。これはなぜかというと、奴隷時代、奴隷たちは奴隷居住区の中で、一つの大家族として生きていた。身内同士が離れ離れに売られることが多かったので、共同体の仲間が残された子供の面倒をはじめ、他の家族の面倒を見ていたということから、今でもこの精神が生き続けているからだといわれている(アフリカでは拡大家族制という伝統があったということもある)。そこで自分達がさほど裕福でなくても、困っている人がいるとこうして助ける人が結構、いるのである。

3.モアハウス大学と黒人の水泳選手


「60パーセントの黒人は泳げない」との記事が出ている(http://www.msnbc.msn.com/id/24411271/

水泳の黒人選手はめったに見られないが、それはなぜかといった質問がよくある。これについては、黒人は人種差別のためにプールに入って泳ぐ習慣がなかったからというのが最もよく言われている回答だが、他にも黒人の筋肉は水に浮きにくいからだというような非黒人生理学者の意見もある。後ほど、これについては詳しく書くとして、モアハウスでは水泳選手を養成することも行っている。


この大学の卒業生で俳優のサミュエル・L・ジャクソンは、水泳部の選手だったそうだ。なお、この大学の卒業生ではないが、今度の北京オリンピックに、2007年世界水泳選手権男子50メートルで銀メダル、400メートル自由形リレーで金メダルを獲得した黒人選手、カーレン・ジョーンズ(Cullen Jones)が出場する。

http://www.usaswimming.org/usasweb/DesktopModules/BioViewManaged.aspx?personid=51c2fb07-a280-4c57-8196-9e874d4f690d&TabId=388&Mid=597


スケートでも水泳でも、機会さえあれば、黒人選手でも強いのではないかと思わせる好い例だ。彼は今後、黒人の子供たちに水泳を教えたいと言っている。

http://en.wikipedia.org/wiki/Samuel_L._Jackson
http://en.wikipedia.org/wiki/Morehouse_College
http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Morehouse_College_alumni


彼の泳ぎが入っているビデオ
http://www.youtube.com/watch?v=_ENDX_e7aRg


---

追記

日本でも、たとえば拙稿
http://www.asyura2.com/07/social5/msg/521.html
でとりあげた学校の校長など、モアハウス大学学長のような気の利いたこと語る教育者はごくまれにはいる。

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http://www.senri.ed.jp/facts/missionj.htm
SIS校長 大迫弘和 

 様々な文化的背景を持った人々が集う千里国際学園での学園生活においては異文化理解のトレーニングが日常的にごく自然に行われています。自己の考え方とは異なる考え方と向き合う日々は、自分自身を発見するために、他者との共生を模索するために、かならず役に立つはずです。

 この学園がすべての叡智を注ぎ込んで作りあげた教育の形は、「一人一人の生徒を大切に」という学園の基本テーマを日常の隅々にまで行きわたらせるものです。ある意味日本の中高教育の既成概念を打ち破っての教育展開に、私たちは教育というものの新たな可能性を見ています。

 世界の痛みを自己の痛みと感じ、自らの生を自らの責任において引き受け、そして与えられたいのちを確かなものと感じつつ生きていくための、例えばヒントのようなものを、この学園での学びから見つけてもらえれば、と願っています。
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ただ、残念ながらこのような教育者は絶滅危惧種であることは言うまでも無い。

 

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