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(回答先: 第78回 靖国参拝論議に終止符 天皇の意思と小泉の決断 (2006/07/21) 投稿者 ROMが好き 日時 2008 年 12 月 09 日 17:40:53)
第79回 小泉路線の継承か修正か 次期総理・安倍晋三の決断 (2006/07/24)
http://web.archive.org/web/20070515192336/http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/tachibana/media/060724_abe/
2006年7月24日
福田康夫元官房長官の不出馬宣言によって、次期自民党総裁、すなわち次期総理は、安倍晋三官房長官に事実上決まったといってよい。
安倍は、かねてから小泉改革路線を受け継ぐことを表明しているが、どの程度まで受け継ぐのかはいまひとつはっきりしない。
昨年の衆院選でバカ勝ちして以後の小泉首相は、数の力を頼んで、かなりやりたい放題のことをしてきたが、安倍が同じ調子で同じ路線を突っ走れるのかといったら、それは無理というものだろう。
“小泉格差社会路線”の修正は必至
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たとえば、小泉首相の経済政策の基本にあったのは、「民間活力を引きだす」のスローガンのもと、これまで日本社会の基本構造としてあった「平等主義」を「悪平等」として退ける路線だった。平等主義を維持するためにあった社会的経済的諸規制を、規制緩和によってどんどん無くしてしまい、経済力ある者には、さらなるパワー行使を可能にしてやり、富める者にはさらなる富の蓄積をはからせるという、日本をアメリカ型の原理主義的資本主義社会により一層近づけさせていく方策だった。
その結果、かつて国民の大半が中流意識を持てた世界でも珍しいほどの経済的平等社会が、いまや上流と下流、勝ち組と負け組にクッキリわかれる格差社会に移行してしまった。ジニ係数等の社会の平等化を測る尺度をとって見ても、日本は先進国の中で国際標準を大きく下まわる不平等社会になっている。
これまでは、日本の経済財政が破綻状況にあることが明らかだったため、「いまは経済の非常時なのだから」という理屈で、このような社会的激変が容認されてきた。
しかし、経済の回復とともに、この不平等社会化・格差社会化の現象が目立ちはじめた。このままいけば、次の参院選で、数的には圧倒的に多い経済的負け組、マイナス格差組の不満が爆発して、自民党が敗北すること必至である。敗北の度合いによっては、安倍は取ったばかりの政権をすぐに失ってしまうことになりかねない。
ということで、次期総理の最有力候補と目され、自分でも出馬を非公式に表明するようになってから、安倍がさかんに言い出すようになったのは、格差社会の是正路線、負け組にも敗者復活のチャンスを与える再挑戦システム作り路線である。
もう少し具体策が出てこないと、それがどれくらい実効性があるものかわからないが、いずれにしても、安倍が小泉路線の継承をうたいながら、事実上の小泉路線の修正に向かっていることは明らかである。
next: 増税・国民負担増路線も継承できるのか
http://web.archive.org/web/20070515192336/http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/tachibana/media/060724_abe/index1.html
増税・国民負担増路線も継承できるのか
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これから大変なのは、小泉首相の財政再建優先政策すなわち「小さな政府路線」プラス「増税・国民負担増路線」を安倍がどう継承していくかである。
これまでの政治の歴史をながめても、増税政策をとった政治家は必ず人気を失い、次期選挙で敗北したり、政権を失ったりということが必ず起きている。
昨年の衆院選でバカ勝ちした小泉首相は、数の力をバックに、このところ増税・国民負担増路線を平気で取っている。
まだ消費税増税といった露骨な大増税はやらないものの、住民税などで、これまであった低所得層への優遇措置を廃止する、酒税のルール変更でビール課税あるいはビール類似酒への課税を強めるなど庶民層を直撃する増税をどんどん進めている。
年金、医療費、社会福祉サービスなどにおいても、これまで少ない負担ですんでいた層がどんどん重い負担を迫られるなどという形で、国民負担がどんどん重くなっている。
この路線を安倍がそのまま継承して、税金と国民負担をどんどん重くする一方、行政サービスの質は低下させる小さな政府路線をさらに推し進めていくことができるかといったら、きたるべき参院選を考えたら多分できないだろう。
ここでも安倍は小泉路線の修正を迫られている。
派閥を無視した独断人事を断行できるのか
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小泉政治のもうひとつの大きな特徴であった、人事にあたっての、派閥パワーを一切無視して、独断的にすべてを決定していく路線を安倍は継続できるのだろうか。
まだ安倍は日本の政治家としては、総理大臣の適齢期に入っていないといっていい若い政治家である。このままいけば、安倍は53歳で総理になり、これまで田中角栄が持っていた最年少総理の記録(54歳)を塗り替えることになる。
だが、それほど若い安倍が、小泉首相のあの強引な独断専行型政治をまねられるだろうか。特に、これまで大変に世話になってきた森派の森喜朗会長から何かを頼まれた場合、それをムゲに断れるだろうか。あるいは、他の派閥の長老、実力者クラスの意向を無視できるだろうか。
多分できないと私は見ている。1つには、小泉首相と比較して安倍は年が若すぎるから、年功序列が社会の基本をなしている日本型社会では、よほどのカリスマ性を持たないと、先輩諸氏の意向を無視できないものだが、小泉にはあったカリスマ性が安倍にはないからである。
周辺の意向を無視できないのは、人事だけではない。政策においても同じだろう。
たとえば、あれほど不人気で反対も多かった郵政法案を、参院で否決されたら、衆院を解散してでも押し切ってしまうというような非妥協的強引さを安倍は持っているのだろうか。
強いストレスがかかると、すぐ下痢をして、顔色まで青ざめてしまうといわれる安倍には、とてもそこまでの度胸はないだろう。
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