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(回答先: 第29回 脳神経科学と工学が合体! 米国サイボーグ研究最前線(2) (2005/07/22) 投稿者 ROMが好き 日時 2008 年 12 月 06 日 18:12:19)
第30回 「ビッグ・ブラザー」を彷彿 テロ厳戒体制下のアメリカ (2005/07/22)
http://web.archive.org/web/20051231032541/http://nikkeibp.jp/style/biz/topic/tachibana/media/050722_bigbrother/
2005年7月22日
取材のため、毎日ないし1日おきに各地を移動しているのだが、アメリカ国内を移動するときの、セキュリティ・チェックの厳しさには驚く。特に空港検査である。
預けた手荷物は、強力なX線で厳しく調べた上で、ちょっとでも怪しいモノがあると、検査官が勝手に開けて中をひっかきまわしてよいことになっている。だから、預ける荷物はロックしてはならないことになっている。
ロックされた荷物は、検査官がカギを破壊して開けることまで許されている。
テロに備え極端に時間のかかる手荷物検査
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昨日は、受け取った荷物がテープでグルグル巻きにされ、開くと、中にTSA(運輸省安全局)のメモが入っていた。
「この荷物は中を開けて検査したが、何も障害をもたらさなかったと信じる。しかし、なにか失われた、壊れたなどの苦情があれば申し立てるように」とあり、「詳しくはインターネットのTSAのホームページを見よ」とあった。
そのページをみると、ちゃんと苦情申し立て用のフォームができていて、ダウンロードして、必要事項を記入してクリックすればすぐ送れるようにできている。
それとともに、セキュリティ関連のニュース、空港でのチェックをすばやくすますための注意事項などがいろいろ出ている。
手荷物より、乗客本人の検査がまた大変である。ポケットのもの、手下げカバンの内容物を全部出すのはもちろん、クツも脱いで、X線検査装置を通すことが求められている。金属探知機のゲートをくぐり抜けて、何も鳴らなかったとしても、何人かは、手持ちの金属探知機で徹底的に調べられる。髪の毛の中、足首、ふくらはぎ、大腿部まわり、陰部まわり、ズボンのバックルの後側は手を突っ込んでまで調べられる。脇の下は両腕を高くあげたまま、前から後ろから探知機をあてられる。
はじめは唖然として腹立たしく思ったが、いくら怒ってもプロセスは冷たく進行していくだけなので、そのうち早く終わらせるために進んで協力的に行動するようになった。
人間はなにによらず面倒をさけることを行動原理の一つにしているのである。
これだけ厳しい検査をしつこくやるので、検査待ちの行列は、軽く100メートルを越す。しかし、意外に流れは早い。たとえばシンシナチの空港で、行列は100メートル以上で3フロアにまたがっていたので、これは飛行機に乗り遅れるにちがいないと思ったら、大量の検査官が動員されていて、行列は次々に枝わかれしていき、どんどん進んでいってちゃんと間にあった。こういうところがアメリカのシステム的対応力のすごいところだ。
昨日の「USA TODAY」紙がこの問題を取り上げ、全国の主要空港の検査待ち時間のワーストランキングを出していた。
next: テロ監視用に500万台のカメラを設置…
http://web.archive.org/web/20050731022050/http://nikkeibp.jp/style/biz/topic/tachibana/media/050722_bigbrother/index1.html
テロ監視用に500万台のカメラを設置したイギリス
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ロンドンのテロが、アルカイダがらみと判明したらしい。そしてまた昨日(現地時間・21日午後0時半)、ロンドンの地下鉄とバスで爆破テロが起こった。全米の緊張も一挙に高まっている。テロリストの一人は、アメリカのノースカロライナ州の大学で、生化学を学んでいたことが報道されているからだ。
ロンドンのテロが十分に計画された同時多発テロであることがわかってきて、あらためて、アルカイダの持つ組織力、攻撃力の大きさに注目が集まっている。
CNNは特集番組を作って、世界のテロリストの動向とその背景を詳しく分析していた。それに出てきた政府のテロの専門家が、アルカイダがアメリカに対する大規模のテロ攻撃を準備していることがさまざま兆候からほぼ確実と読みとれるとしており、それはいつ起きても不思議ではないとまでいっていた(そして昨日、それが現実のものとなった)。
特集番組では、イスラエル、イギリス(アイルランドのIRAが出かけてきて激しいテロを加えてきた)などテロが頻発している国のテロ専門家が次々に出てきてテロ根絶がいかに難しいかを語り、危機感をあおっていた。組織的なテロの場合、相手の組織にスパイ、工作員を潜入させて情報を取るしか有効なおさえこみ手段がないが、これがきわめて難しい。
特にアルカイダの場合、全体がバラバラの細胞組織の連合体になっていて、全体が統一的に階層構造的にオーガナイズされた組織になっていないから、工作員を潜入させても細胞どまりで終わってしまい、まだ組織の全容はもちろん、高次の組織構造がどうなっているのかもわからない現状だという。
結局、できることは、組織根絶ではなくて、ソフト・ターゲットになりうる弱い一般大衆が沢山集まるところを防御するしかない。そのために有効な手段は結局のところ、監視カメラをできるだけふやして、少しでも怪しいふるまいをする人を一刻も早く見つけて、それを監視しつづけることしかない。
IRAのテロがさかんに行われてきたイギリスではだいぶ前から市民生活を監視するカメラがあちこちに設置されて、全英トータルで500万台にも及んでいるという。その行きつく先は、権力者が国民の私生活のすべてを監視しているジョージ・オーウェルの「ビッグ・ブラザー」社会そのままだが、それはイギリスではほとんど現出しており、アメリカもまさにそうなりつつあるという。
立花 隆
評論家・ジャーナリスト。1940年5月28日長崎生まれ。1964年東大仏文科卒業。同年、文藝春秋社入社。1966年文藝春秋社退社、東大哲学科入学。フリーライターとして活動開始。1995-1998年東大先端研客員教授。1996-1998年東大教養学部非常勤講師。
著書は、「文明の逆説」「脳を鍛える」「宇宙からの帰還」「東大生はバカになったか」「脳死」「シベリア鎮魂歌―香月泰男の世界」「サル学の現在」「臨死体験」「田中角栄研究」「日本共産党研究」「思索紀行」ほか多数。講談社ノンフィクション賞、菊池寛賞、司馬遼太郎賞など受賞。
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